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CINEMAバリQ

今日の1本 影牢~ダークサイドプリンセス~ 瀬戸川豊のレビュー


 
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『影牢〜ダークサイドプリンセス〜』(機種:Vita)
プレイ時間:〜20時間
クリア:未
トロフィーコンプリート:未
オススメ度:‐(クリアしていないため)
 
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前置きしておくと、基本的に筆者は「ゲームレビューはクリアしてから書く」というのがポリシーである。
しかし今回に限り、あまりにもプレイ前とプレイ後のギャップが凄かったので、この新鮮な気持ちを忘れないうちに筆を取った次第である。
 
刻命館シリーズ。
テクモの看板タイトルであり、「直接戦うのではなく、敵を残虐な罠に嵌めて次々に葬る」という独自のシステムで有名になった作品である。
今作は『影牢II -Dark illusion-』から実に8年(+α)ごしのシリーズ新作になる。
筆者は今までこのシリーズをやりたいなあ、と思いながら手に取ったことがなかった。
いざ『ダークサイドプリンセス』をプレイし始めるまで自分が持っていた影牢イメージは以下の通り。
 
・主人公は直接攻撃ができず、接敵すると弱い
・侵入者は城の入り口から入ってくるので、それを迎撃するように罠を構成する
・主人公は最奥の部屋で待ち構えつつ、ちょちょいとスイッチで罠を起動する
・華麗な連続コンボを決める様は人間版ピタゴラスイッチ
・次々現れる敵を無慈悲に屠り、一人ほくそ笑むのが正しい遊び方
 
しかし実際にやってみると、この中で合っていたのは一番上のみ。
侵入者はワープで突然レグリナ(プレイキャラ。魔王の娘)と同じ部屋に現れ、ギリギリまで接近して誘導しないと罠の上に乗らない。
部屋の端から端まで届く遠距離武器を担いだ敵が他の敵と同時出現し、足を止めた瞬間丸焼き、毒ガス、狙撃の雨あられ。
一方こちらが仕掛けられる罠は初期時点で最大三つ。敵が無駄にタフなせいで何度も罠に嵌めないと死なず、不利な追いかけっこが何分も続く。
やっと一人倒したと思うとすぐさま次の敵が補充され、敵の数が切れるまでずっと一対三。
三人の攻撃を掻い潜りつつ罠の上に誘導するためには敵を注視していなければならず、周囲を見ずに移動している内に固定トラップやあまつさえ自分が仕掛けたトラップに引っかかる始末。
 
結果、プレイ画面がどういうことになるか。
自分より遥かに高性能な移動能力を持つ敵複数にボコボコにされながら、狭いトラップ発動場所まで逃れるいたいけな少女・レグリナ。
やっと敵が指定ポイントに乗った!と罠発動ポーズ(※動けない)を取るとその隙を突かれて火炎放射器の餌食に。
「ふああああ! あっつー!」
と叫びながら体の炎を鎮火すべく走り回っていたら迂闊にも固定トラップに自分から突っ込んでぶっ飛ばれ、大砲で射出されゲームオーバー。
以上、筆者の実話である。
 
レグリナはボス戦前にキメ台詞を言う。
「あとはもう、(※ここでタメる)堕ちるだけよ」
タメるところで立ち絵が見下し目線に切り替わるという念の入れようで、究極のドヤ顔を見せる姫様。
しかしわずか数秒後には前述の絵面である。もはや何の威厳もない。
途中で全く事情を知らない「村娘A」が城に迷い込んでくることがあるが、回復や回避が行えることを除けば耐久力はほとんどレグリナと一緒である。それでいいのか、魔王の娘。
 
唐突だが、皆様は“半分スーツ”と言われてピンと来るだろうか。
簡単に言うと“前面から見ればスーツだが、背面に布が無く最低限紐で縛ってあるだけのスーツもどき”である。
このレグリナの(デフォルト)服、プレイしていると半分スーツを彷彿とさせるのだ。
影牢ではアクションゲームの基本ともいえる「背面からプレイキャラを追いかけるカメラ」を使用している。当然、プレイヤーはキャラを真正面から見るより背中から見ることが多くなる。
レグリナは露出の際どいドレスを着ており、背中から見える布地は襟、手袋、あとは尻の割れ目に沿ってえぐれたスカート(らしきヒラヒラ)ぐらいである。肌色率が半端無い。
元のイラストで見れば背面も悪くないし、前面は完璧なのだが、3Dモデルでひたすら逃げ回り続ける姫様の防御を放棄した背中を見ていると虚しい笑いがこみ上げてくる。
 
姫様、お願いだから鎧着て貧弱主人公を卒業して下さい。
 
 
影牢~ダークサイドプリンセス~PS Vita版
コーエーテクモゲームス
 

 
 
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