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CINEMAバリQ

【裸の銃を持つ男】
リーアム兄さんコメディも相当イケる認定・腹が痛くて死ぬかと思った案件 ※ネタバレあり

父譲りの型破りな隙間ギャグで巨大な陰謀に立ち向かう男

【あらすじ】

ロサンゼルス市警特捜隊に所属するフランク・ドレビン・ジュニアは、少女に変装し(?)たったひとりで銀行強盗団を制圧。しかし、その目的が「謎のデバイス」であることを、フランク含め誰も気づいていなかった。

そうしたなか、事件の鍵を握るセクシー小説家ベス・ダヴェンポートがフランクに接触。背後に巨大テック企業のCEOが関与していることを突き止める。果たして、イチゴ柄パンツのフランクはロサンゼルス市民を救うことができるのか……?

リーアム・ニーソンが “威厳” を全部ギャグに変換してきた件

【レビュー】※ネタバレします!

● 最も声高な感想

渋さ全開のリーアム兄さんが、70代の重量感で「笑い」に本気を出してくれました。本気じゃなければオープニングで〇ッコリイチゴパンツは見せなかったはずです。

終始真顔(厳密には困り顔)なんですが、その超真顔に小刻みな小ネタが組み合わさると、想像以上の破壊力になってしまうのです。 元祖『裸の銃を持つ男』の魂をしっかりと残し、2025年仕様の悪ふざけにアップデートした感が筆者にとっては最高でした。

よって、この映画の最も声高な感想は、 「リーアム兄さんコメディもイケるじゃん!」だったわけです。

● ムーチャス笑ったとこ

笑うポイントはたくさんありましたが、特に筆者のお気に入りはワンちゃんを巻き込んだフランク(リーアム兄さん)とベス(パメラ・アンダーソン)のシルエット下ネタです。

あの、これでもかと展開を変えて攻め込んでくる「しつこさ」と、「ベタな笑い」に、ザ・ドリフターズ『8時だョ!全員集合』を思い出す方も多いのではないでしょうか。(違うか)

「しつこさ」の観点では、「じつは〇〇組織がこの状況を掌握していた」のどんでん返しを何度も重ねていた点も特筆しておくべきでしょう。

また、証拠品をつかむためにラバー手袋をはめたのに、はめていない逆の手で証拠品をつかんだり、パーティーに入り込んだ際に手に取ったグラスが、飲み物ではなくチップが入ったグラスだったりとか(その際のリーアム兄さんの演技が秀逸)。

または、パーティで「何かお飲み物は?」で水かサイダーを頼んだら、間違いなく酒ではないのに、「どう考えてもリゾートでカクテル頼んだやろな」的な花火付き水が運ばれてきて、フランクが戸惑う顔がやっぱり秀逸だったりとか。

あるいは、事故った車をクレーンで引き上げるシーンの、クレーンが、なぜかUFOキャッチャーのヘナチョコ「アーム」になっていて、落とすとほぼ「UFOキャッチャーとる人を後ろで見ている人のリアクション」→「あ~あ」だったりとか(事故車なんだが)。

セクシーなべスがガーターベルトに銃を仕込むのはわかるが、髪の毛のなかからもやたら “なげー銃” が出てきたりとか(もはや髪の毛内に存在するシェルターレベル)。

まあ、このように、笑いポイントは数えきれず。

いきなりスピリチュアル方面からフクロウ派遣してくるあの雑さ(フクロウ=お父さんの霊)や、そうやって息子のピンチをわざわざ物理的に助けに来るという、 「いやどういう設定やねん!」って観客からのツッコミ待ちの設定にもしびれます。

細かいネタが洪水すぎて、ギャグ密度が旧作以上なのでは? なんて言おうもんならオリジナルのファンに怒られそうですが、個人的には大いに楽しめました。

パメラ姉さんがムダにセクシーなのも二重丸◎。

● なんで刺さったのか?

どうも――日本では、いまいちウケがよくないような気がします。しかし、個人的にはグッサリと刺さる作品でした。

で、なんでこんなに刺さったのかなあ?

と考えてみたところ、これはやはりリーアム兄さんの威厳、真剣さ、渋い声、ちょっとした仕草の説得力――これら全部がギャップとしてギャグに転化してしまったために、むせて呼吸困難になるくらい笑わせられたのだ――という結論に至ったのです。

元祖『裸の銃を持つ男』のレスリー・ニールセンさんは “真面目すぎるからウケる” 芸を極めていましたが、リーアム兄さんはそれを現代版のリアル演技でアップデートした感じかもしれません。

● 元祖『裸の銃を持つ男』で覚えているシーン

正直なところ、ほとんど覚えていませんが、このシーンだけは記憶に残っています。

非常に危険な敵地に、フランクは海の底(?)から潜入。絶対に音を立ててはいけない緊張度マックスのシーンで、「私はこうして敵地へと向かった云々」とナレーションが本人の声で入ります(当時観たのは吹替版)。

そして、その緊張度マックスのピークで、フランクがこう言いました。

「が! そのとき!」

そう言ったあと、お尻あたりから大中小入り混じった空気の泡が浮上。た、大変だ……! 敵に潜入がバレてしまう……!

………
……まあ、

いわゆる緊張と屁の掛け合わせなんですが、唯一覚えているのがこのシーンというのもなんなので、久々にオリジナルも観てみようと思います。

(ライターgatto)

『裸の銃を持つ男』(2025)

監督:アキバ・シェイファー
出演者:リーアム・ニーソン , パメラ・アンダーソン , ポール・ウォルター・ハウザー , ダニー・ヒューストン

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