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CINEMAバリQ

【べルベット・アサシン】
徹底的に不幸な女殺し屋の人生を描いたオルガ・キュリレンコ主演作品

べルベット・アサシン 映画あらすじ

囚われの身で男性に向けたサービスを強要されていたガーリャは、同じく囚われていた女性と逃亡を企てたものの失敗。
しかし、その命と、愛する娘との再会に必要なパスポートを引き換えに、殺し屋となる道を与えられる。

監視下におかれたアパートで1人住まいをはじめ、殺しの指示に怯える毎日を送るなか、DV夫に苦しむ隣人のエレノアと出会い友情が芽生えていく。

べルベット・アサシン 映画レビュー

ボンド・ガールでもあるオルガ・キュリレンコちゃん目当てで今作品を鑑賞。
「ニキータ (1990)」に類似したお話ではあるが、要素はとことん違う。

ドン底にいる1人の女が、自分の命を奪われることや、自分の人生から大切なものを奪われる恐怖で脅され、やりたくもない「殺し」を強要されるという“あらすじ”は、いかにも「ニキータ (1990)」のようだ。最終的には主人公が殺し屋として成長している部分も似ている。

しかし、徹底的に違うのは、「『スケール感』と『救い』」の部分かもしれない。
陰にいる組織に底知れない大きさを感じると、物語として重厚感が生まれるのだが、この「べルベット・アサシン(2009)」の場合、殺しの指示を与える犯罪組織が非常~にこじんまりしているのだ。
そして、スッキリ感はもちろんのこと、最終的に「救い」を感じる部分はほぼない。

終盤、オルガ・キュリレンコ演じるガーリャの腕が猛烈に上達していて驚いたが、それよりも、女たちを追い詰める犯罪組織の連中が間抜け過ぎて、しかも弱過ぎて、そちらの方がもっとビックリした。

彼らに準備されたボロボロなアパートは気分をどっと落ち込ませるし、友人になった隣人の女性エレノアも徹底的に不幸で、おまけに不幸なくせに自覚が足ずイライラさせるため、ますます気分を下げまくる。
しかし、気分が落ち込めば落ち込むほど、そこから、ガーリャが反撃に出ることに期待が高まるのだ。

まだか、まだか…、お?そろそろか!?よし!いけーーーー!

…というところで、悲しみの挿入歌が投入。

今度こそ…いけーーー!

…というところで、悲しみの挿入歌が投入。

とまあ、こんな繰り返しで、最終的には観ている方がクタクタになってしまう。

とはいえ、とりあえず終盤にはアクション部分も(少し)用意されているし、なんといってもキュリレンコちゃんは相変わらずキュートである。
ただ、アクション部分で気分爽快になるかといえば、そうではないし、彼女のキュートさが生かされている作品かといえば、そうでもない。

脱ぎっぷりがいいことでも知られるオルガ・キュリレンコの全裸も拝めるけれど、そのシーンは宗教的な印象がつよいので、男性がウハウハ気分で鑑賞したり、本当に同じ人間か?と女性が羨望の眼差しで眺められる雰囲気でもない。

なお、共に不幸な人生を送るガーリャとエレノアは固い友情を結ぶことになるのだが、途中、似顔絵を描いて見せるシーンの目線の絡めかたなどは、あれ?友人以上の感情?と思わせる部分がある。
ポスターが限りなく「バウンド (1996)」っぽいし、これは意外な展開を見せるのかと思ったら、そういった描写はそのシーン以降なく、とにかく、徹底的に不幸な女たちのお話が延々と続く。

うーん、つまり、「オルガ・キュリレンコの姿さえ拝めればいい」、「今日は気分を落ち込ませたい」、そんな人におすすめの映画だ。
ちなみに、この映画の製作国はイスラエル・フランス・アメリカ。
監督のダニー・ラーナーはスティーヴン・セガールの沈黙シリーズなどでも脚本を書いている方である。

ライター中山陽子(gatto)でした。

べルベット・アサシン(2009)

監督 ダニー・ラーナー
出演 オルガ・キュリレンコ/ニネット・タイブ/ゾハール・シュトラウス/リロン・レヴォ

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