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CINEMAバリQ

【デンジャラス・バディ】
共感できる嫌われ女たちのアクション・コメディ

デンジャラス・バディ 映画あらすじ

融通が利かない生真面目さと、上から目線の物言いが鼻につくFBI捜査官のアッシュバーンは、有能でありながら同僚には完全に嫌われていた。そんな彼女は、ボストンの麻薬組織を捜査するよう上司から言い渡されるが、地元警察の女刑事マリンズとそりが合わず捜査は難航。インテリで嫌味なアッシュバーンと、短期で野蛮なマリンズは、まさに水と油のようにまったく相容れなかったが、やがてお互いの仕事に対する情熱や能力を認め合うようになる。だが捜査を進めるうち、彼女たちは巧妙なワナにはまっていた。

デンジャラス・バディ 映画レビュー

メリッサ・マッカーシーの印象が強すぎて、サンドラ・ブロックのオーラが薄まっていた印象の作品。それに、『デンジャラス・バディ』という邦題も引っかかる。これはサンドラ・ブロックが主演した『デンジャラス・ビューティー (2001)』を観た人が、続編かと思って観るウッカリを期待してつけられたのだろうか。

……と少々イチャモンをつけてみたものの、作品自体はコミカルでバカバカしくて楽しめた。あくまでも個人的な印象だが、いつものサンドラ・ブロックよりもキレが悪く感じられたのは、メリッサ・マッカーシーの迫力があり過ぎたからかも。

物語は、男社会で踏ん張りながら仕事に情熱を傾ける、嫌われものの中年女性2人が、友情を築きながら孤軍奮闘するアクション・コメディ。最初は激しい衝突を繰り返していた個性的な女性2人が、徐々に友情を築いていくのはいいのだが、終盤に「これでもか」というぐらい女の友情を前面に据えすぎた印象がある。メリッサ・マッカーシーが行く先々でやたらモテキャラな様子が、しつこく繰り返されるのは面白いけれど、友嬢うんぬんの描写は、さりげなく深くがいい。

ただ、女であることを後回しにして、弱音も吐かずに必死に仕事をして、いたたまれない過去や現在においても必死に生きて、なおかつ常に「正しくあろう」とする女性たちに、共感する人は多いはず。

メリッサ・マッカーシーとジェイソン・ステイサムが魅せてくれた『SPY/スパイ (2015)』のように、ブハッと吹き出すようなラストではないけれど、映画を観終わったあと、さわやかで楽しい余韻を残すことは間違いない。

なお、サンドラ・ブロック演じるアッシュバーンと、ちょっといい雰囲気だったリヴィを演じたのはマーロン・ウェイアンズ。ウェイアンズ家の兄弟やらその子やら親戚やらが、揃いに揃ってつくる本気のバカ映画『絶叫シリーズ』を、最近あまり目にしなくなったのが少々寂しいが、こんな風に兄弟をチラホラさまざまな作品で見かけるのはうれしい。

しかしながら、一番のファンであった長男のキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズは、最近映画作品でまったく見かけない。男前で『クロスゲージ (1997)』のようなアクション映画でもこのうえなくカッコよく、死ぬほどバカバカしい『絶叫シリーズ』の監督や脚本を担い、それを徹底的にウェイアンズ家で制作する10人兄弟の長男という、そのすべてにシビれていたのだが……。

本編とは全く関係ないけれど。

ライター中山陽子でした。

 

デンジャラス・バディ(2013)

監督 ポール・フェイグ
出演者 サンドラ・ブロック/メリッサ・マッカーシー/デミアン・ビチル/マーロン・ウェイアンズ

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