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CINEMAバリQ

【奇人たちの晩餐会】
フランスの舞台劇コメディ

奇人たちの晩餐会 映画あらすじ

出版社を経営するピエールは、高い肩書を持つ裕福な友人たちと悪趣味な晩餐会を楽しんでいた。それは、一風変わった人間を必ず1人連れてきて、その中からバカのチャンピオンを決めるというもの。もちろん、彼らに招待された連中は、自分が密かに笑い者にされているとは露知らず、時間を忘れてオタクな知識を披露する。しかし、晩餐会当日ピエールはギックリ腰になり、おまけに悪趣味な晩餐会を嫌う妻が家を出てしまう。さらには、晩餐会に連れて行こうとした変わり者ピニョンと二人きりで過ごす羽目に……。

奇人たちの晩餐会 映画レビュー

フランス映画らしいお洒落なオープニングクレジットのあと、セリフばかりで状況が変わらないと思ったら、もともとは舞台劇だと知り納得。いろんな人が出たり入ったりする出版社の社長ピエールの家は、途中から舞台装置に見えてくる。

人をおだてて陰でバカと呼んで笑い者にするわ、友人の恋人は奪うわ、愛人関係を続けていた女性に辛辣な態度をとるわ、ピエールという男は人間として最低だが、超絶おバカさんピニョンのイラつかせ具合が度を越していたため、途中から同情的な目線になってしまった。

シーンも変わらないし、イラつかせるし、だんだん観ているのが面倒になってきた矢先、ピエールの不義理で絶縁していた友人ジュストの登場で少し空気が変わる。ジュストは、ピエールがこれまでバカにしてきたタイプの人間に翻弄されている様子を見て、笑いが止まらなくなるのだ。

また、ピニョンのおバカさん加減があまりにも想像を超えているため、ピエールとジュストがたびたび唖然としてしまう様子に笑いが込み上げる。そしてついには、ピニョンの長台詞に観客はジンワリさせられてしまうのだ。

イラつかせて引っ張って、さらに引っ張って~からの“ジンワリ”に「してやられた」といった感じだろうか。そんなわけで、がぜんフランシス・ヴェベール監督による、他の作品も観てみたいという気持ちが湧き上がった。

税務署に勤める変わり者のピニョンを演じるのは、『パトリス・ルコントのボレロ(1992)』やジャン・ベッケル監督の『クリクリのいた夏(1999)』『ピエロの赤い鼻 (2003)』などに出演しているフランスの喜劇俳優ジャック・ヴィルレ。

ちょっとしつこくてバカバカしくて「なんで、そうなるの?!」といいたくなるようなユーモアは、彼の得意とする雰囲気かもしれない。しかし、でき過ぎともいえるラストシーンがなければ、ここまでこの俳優さんを好きにならなかったかも。それほど、彼のしつこいテイストは、観客をイラつかせることに長けている。

ちなみに、『家族の気分(1996)』『女はみんな生きている(2001)』のカトリーヌ・フロがピエールの愛人役で出演しているが、その扱いが雑すぎて、ちょっと驚いたかも。

 

ライター中山陽子でした。

 

奇人たちの晩餐会(1998)

監督 フランシス・ヴェベール
出演者 ジャック・ヴィルレ/ティエリー・レルミット/カトリーヌ・フロ/ダニエル・プレヴォスト

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