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CINEMAバリQ

【ドント・ブリーズ】
ほぼターミネーターな老人が死ぬほど怖い映画

ドント・ブリーズ 映画あらすじ

最悪の環境から妹を救い出すため、大金を持っているという盲目の老人宅に押し入る決意をしたロッキー。乗り気じゃない友人のアレックスを説得し、恋人マニーと3人でついに決行。しかし、退役軍人でもある老人は驚異的な能力の持ち主だった。

 

ドント・ブリーズ 映画レビュー

この映画は、不良少年と少女らが、最愛の娘と視力を失ったかわいそうな退役軍人から、なけなしの金銭を盗む物語---ではない。

その前情報があったからこそ鑑賞したが、冒頭で“すれた女の子”と素行の悪そうな男の子、その女の子に惚れているがゆえ、彼らの悪い行動に付き合っている人が良さそうな男の子ら3人が、空き巣に入ったり、盲目の老人から現金を盗む話をしたりしている様子を見ていたら、「やはり、バカな若者がたまたま押し入った家が悪かった話か」と急に鑑賞意欲が失せる。なぜならば、それで若者が逃げおおせたら『グッド・ネイバー(2016)』ばりに胸くそが悪くなるからだ。

だが、ただの“すれた女の子”だと思っていたロッキーの、苛酷な家庭環境を知り一気に感情移入。アレックスを巻き込んだことは非常に許しがたいが、自分のためだけにお金を盗もうとしているのではない彼女を応援したくなったのだ。しかも、素直そうなアレックスとの比較で下劣さが際立っていたマニーが、意外にも土壇場で男気を見せてくれたのでビックリ。がぜん若者たちへの見方が変わった。

そうして、まんまと制作者の意図にハマったのだが、結果的にはそれにハマらずとも面白い映画だった。

とにかく、盲目の老人を演じたスティーヴン・ラングがすごい。目が見えないぶん超人的な聴力や嗅覚を持っているため、どんな音も気配も、わずかな匂いも逃さない。おまけに元軍人なので銃にも接近戦にも慣れており、筋肉がついた引き締まった体で現役並の腕力を見せる。

しかーも、素早いし知能的だし暗闇関係ないし、全然倒せないし、最終的にはターミネーターにしか見えないのだ。暗闇で身を潜めている姿は、『アイ・アム・レジェンド(2007)』のゾンビにさえ見えた。

つまり、この作品はものすごい老人に閉じ込められ追い詰められた若者が、いかにして無事逃げ出せるかを、ずーっとハラハラドキドキしながら観る映画だ。とにかく緊迫感が激しいので、アドレナリン噴出でダイエットにも良さそう(かも)。

また、驚くような事実も後々発覚する。

とはいえ、どんな怪物じいさんだとしても、戦争で目を失い、最愛の娘を失った老人の姿はあまりにも痛々しい。ロッキーもつらい事情を抱えてはいるが、窃盗は罪でしかない。冷静に考えると複雑だが、鑑賞中は怖すぎて、そんな思考もどこかに吹き飛んでしまう。

終盤は少しばかり「しつこい!」と叫びたくなるが、ノンストップでハラハラドキドキしたいなら、ぜひご賞味あれ。

ライター中山陽子でした。

 

ドント・ブリーズ(2016)

監督 フェデ・アルバレス
出演者 ジェーン・レヴィ/ディラン・ミネット/エリン・ウェスターマン/スティーヴン・ラング

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