【ハイランダー 悪魔の戦士】
突っ込みどころも音楽も映像もパワフルな映画
ハイランダー 悪魔の戦士 映画あらすじ
1536年のスコットランド。コナー・マクラウドは一族同士の戦いで瀕死の重傷を負ったにもかかわらず、異常な早さで回復し村人を驚かせる。マクラウドが死なないのは悪魔に命を売ったからだと人々は考え村から追放。その後コナーは山奥に安住の地を見つけ、ヘザーという娘と仲睦ましく暮らしていた。そんな彼らの前にラミレスというスペイン人が現われ、マクラウドが不老不死のからだをもつ戦士だと告げる。それから数百年ものあいだ戦い続けたマクラウドは、1980年代のニューヨークにいたっても、最後の戦士となるべく戦いを続けていた。
ハイランダー 悪魔の戦士 映画レビュー
映像や音楽、キャラクターや突っ込みどころがとても魅力的なSFアクションだった。不老不死の宿命を負った戦士の、数百年にわたる人生を描いている。
監督のラッセル・マルケイは、クイーンやデュラン・デュランなどのミュージックビデオを手がけMTVアワードを受賞した人。80年代の映画なので、今となっては古さを感じる部分もあるが、当時は映像の斬新さが話題となった。公開時は不振に終わったものの、口コミで人気が広まり、結果的には30年以上経ったいまでも熱心なファンがいる。
なお、冒頭のプロレスシーンは、まるで場内をドローンが飛びまわり撮影しているかのように見えるが、このころ存在していたドローンは軍事用のみ。当時はまだ珍しかったスカイカム・システムを使用したらしい。
映画が始まるといきなり、クィーンの音楽が映像とともに流れ、作品への期待感を高める。そして、不老不死の戦士たちによる限りなき戦いがはじまるのだ。だか、彼らはある急所をバッサリやられると絶滅する。
その際に勝者が、カミナリに打たれたかのようにブルブルとそのエネルギーを蓄え、さらにパワーアップしていく。ちょっぴりゲーム感覚でもあるが、勝利を掴みとるための行動はかなり残酷だ。
原作者のグレゴリー・ワイデンは、不老不死の宿命を負う戦士の生き方が哲学的だと考えたとのこと。戦いも数百年続けば、いつしかそれだけが生きる意味になってくる。つまり、生き残るために戦うのではなく、戦うために生きているというわけだ。
同氏いわく、原作はより哲学的でシリアスらしいが、映画はエンターテイメント性の高いものになっている。その両要素がいい化学反応を起こしたからこそ、根強いファンがいる作品になったのかもしれない。もちろんグレゴリー・ワイデン自身も、それを好意的にとらえているようだ。
その化学反応のおかげか時代性か、この作品は突っ込みどころも満載である。
例えば彼らは数百年前の長い剣を衣服の下に隠し持っているが、どう考えても剣が隠れるほどの着丈がない。普通に考えたら剣の先っちょが下からはみ出ているはずだ。しかし、はみ出てもいないのに手を伸ばせばす~っと長い剣が出てくる。尻やら太ももやら急所やら裂傷だらけかもしれない。
また、冒頭でマクラウドを待ち構えていた中年戦士は、年齢的なものなのか単に筋力がないだけなのか、やけにヨロヨロしている。だが、ヨロめいているくせに、ものすごいバック転で応戦するのだ。バック転移動より走ったほうが早いとも思うが、あまりに見事なので思わず感心。が、バック転をやめるとすぐヨロヨロ。あからさまなボディダブルだ。
また、マクラウドが惚れぬいた愛くるしいヘザーという女性は、ものすごーく、おばあちゃんになってから、「あなたに質問したいことがあるの。なぜあなたは年をとらないの?」という。
気づくのが激しく遅い。
ふう~。大好物の「突っ込み」ご馳走様でした。
ちなみにこの作品では、フランス人のクリストファー・ランバートがスコットランド人を演じ、スコットランド人のショーン・コネリーがスペイン人を演じている。
よろしければご賞味あれ。
ライター中山陽子でした。
ハイランダー 悪魔の戦士(1986)
監督 ラッセル・マルケイ
出演者 クリストファー・ランバート(クリストフ・ランベール)/ショーン・コネリー/クランシー・ブラウン/ロクサーヌ・ハート
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