【シャッフル】
珍しくちょっと暗いサンドラ・ブロック主演サスペンス
シャッフル 映画あらすじ
郊外で夫と娘二人と暮らすリンダのもとに、思いがけない訃報が届けられる。出張中の夫が交通事故で亡くなったというのだ。しかもその日は、夫から謎の留守番電話が入っていた日。リンダは、その意味がわからず、電話で夫に問い合わせていたのだ。そんなこともあり、リンダにはどうしてもその事実が受けとめられない。しかし、茫然自失のまま眠りについた彼女が翌朝目覚めると、なぜか死んだはずの夫がいる。しかも、いつもと変わらぬ様子で出勤前のコーヒーを飲みテレビを眺めていた……。
シャッフル 映画レビュー
物語は邦題の『シャッフル』どおり、時間も出来事もゴッチャになった状況を主人公が体験するというもの。それを明確に言い表しているが、明確ならいいというものでもない。むしろ、曖昧な表現ともいえる原題『PREMONITION(予感)』の方がしっくりくる。
時系列がバラバラだが、主人公リンダの夫ジムが亡くなるまでの7日間が曜日ごとに示されているため、多くの観客は鑑賞後に時系列どおり並べてみるようだ。すると、この映画の場合は、つじつまの合わない部分が出てくる。例えば娘のケガなどだ。
したがって、これは時系列だけではなく、出来事もメチャクチャになっていると考えたほうがよさそうだ。それに、原題が言い表しているとおり、目に見えているものが決して事実とは限らない。なおかつ、劇中で神父が口にした言葉を受けると、それはリンダのある強い気持ちがもたらした「力」によるものだと解釈できる。
実は途中、登場時間は少ないけれど、この映画のなかで重要なキーパーソンとなっている神父さまが、最初リンダに訃報を届けに来た警官と同じ役者さんだと勘違いして、全く違う解釈をしてしまった。もちろん、実際には違う人。おまけに物語がシャッフルされているので、意外に集中しにくい印象の作品であった。
しかし、実は自分が集中できなかった理由は他にもある。
この映画のサンドラ・ブロックが、やたらジメーっとして暗いのだ。もちろん夫の死に直面し、おまけに夫が死んだり生き返ったり、夫婦間のギクシャクがあったり、周囲の誤解があったりと、さまざまなことが重なったので仕方がないとは思う。
しかし、個人的に、彼女が魅力的だと感じた映画は『あなたは私の婿になる (2009)』や『デンジャラス・ビューティー (2001)』 、『ガンシャイ (2000)』などなので、この映画のジットリ根暗系サンドラ・ブロックは、どうも好きになれなかった。
あと、夫役のジュリアン・マクマホンは、『フェイシズ (2011)』のヒゲ刑事ケレスト役が印象に残りすぎていて困った。あの、肝心なところでヒゲを剃っちゃった、まさかの土壇場で再びヒゲが浮き出てきたケレストだ。こういうサスペンスだとその影がチラホラしてしまう。
まあ、勝手なはなし、そんな役者さんの印象が集中力を妨げたり、物語そのものに悲しさ切なさがあったりだが、最終的には大きな救いがある物語だ。つじつまを気にすることなく、ご賞味あれ。
ライター中山陽子でした。
シャッフル(2007)
監督 メナン・ヤポ
出演者 サンドラ・ブロック 役名:サンドラ・ブロック/ジュリアン・マクマホン/ニア・ロング/ケイト・ネリガン
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