【ブルース・ブラザース】
ジメジメした梅雨はこの映画で吹き飛ばそう
ブルース・ブラザース 映画あらすじ
出所したばかりのジェイクと兄弟分のエルウッドは、世話になったシスターに挨拶するため孤児院を訪れる。だが、そこで彼らは思いもよらない事実を知ることに。2人がともに育ったカトリック系の孤児院が、経済的な窮地に陥っているというのだ。期日までに税金を納めないと、立ち退かなければならない。ジェイクは強盗でもしてお金を工面したらいいと考えたが、もちろんシスターは断固拒否。ものすごい剣幕で叱られ、追い払われてしまう。肩を落として帰ろうとすると、孤児院を管理する気のいい男カーティスが声をかける。彼は2人に、何か解決の糸口が見つかるかもと、ジェームス牧師が行う礼拝への出席をすすめる。そんなもん役に立つかと考えていたジェイクだったが、ゴスペル礼拝で盛り上がるさなか、突然神の啓示を受ける。
ブルース・ブラザース 映画レビュー
いまさらながら、1980年代を代表するブラック・ミュージック・ムービー『ブルース・ブラザース』だ!
俳優、コメディアン、ミュージシャンとして、強烈なカリスマ性とアクの強い個性をもつジョン・ベルーシと、やはり同じく俳優、コメディアン、ミュージシャンで、この映画や『ゴーストバスターズ』シリーズの脚本も書いた才能豊かなダン・エイクロイドが主演の映画である。
梅雨のジメジメで不快だったり、何だかついていないと感じたり、気分が下向き後ろ向きだったりするときは、この映画に限る。なぜってブルース・ブラザースは、人生がどんなに最悪だろうと気にもとめず、ただイージーゴーイングに前を見て進むだけの単細胞だから。それゆえに、2人を見ていると滅入っているのがアホらしくなるのだ。
カーチェイスをしながらウィンドーショッピング中のような会話を交わし、ついでにショッピングモールを木っ端微塵に破壊しまくる痛快さ。
ジェイクの命を狙うレイヤ姫(キャリー・フィッシャー演じる謎の女)が、なぜかものすごい武器と破壊能力で襲撃を繰り返すが、常にひょうひょうと生還するブルース・ブラザース。
そして、もはやアートかと思うような状態で警官に囲まれるシーンや、気分を最高潮に押しあげてくれる「監獄ロック」は、もう痛ー快ーとしかいいようがない。
そして、当時はまだ稼動していたであろうジョリエット刑務所からはじまり、ブルースの本場シカゴを舞台にしたこの映画に登場するのは、鳥肌が立つほどのビッグミュージシャンばかりだ。
ジェームス牧師を演じたジェームス・ブラウン、マット・マーフィの妻を演じたアレサ・フランクリン、楽器店のオーナーを演じたレイ・チャールズ、孤児院の管理人カーティスを演じたキャブ・キャロウェイ、ストリート・ミュージシャンを演じたジョン・リー・フッカーなどなど。しびれるような音楽と、愛嬌ある演技で存分に魅了してくれる。
また、ロングヘアなので気づきにくいが、エルウッドがナンパする女性はなんとモデルのツィギーだし、のん気にサンドイッチ食ってた納税課の職員はスティーヴン・スピルバーグ監督だ。ちなみに『ピーウィーの大冒険(1985)』や、おかしなコマーシャルで人気になったものの、スキャンダルの印象のほうが強くなってしまったポール・ルーベンスも高級レストランのウェイターとして出演している。
ただ、正直いえば、音楽の合間は独特な「間」があるドタバタ・コメディだけに、すこーしだけ飽きてしまわなくもない。それは、トレードマークなので重要だが、ずっと黒い帽子とサングラス、スーツ姿なので表情を読み取れないせいもある。自分の脳の顔領域(顔を識別する部分)が必死に働くが、結局彼らを雰囲気でしか捉えられないのだ。
それゆえに、途中ジョン・ベルーシがサングラスをはずしたとき、ものすごい勢いで脳の顔領域が活性化! あれほど強烈な印象は、そうそうない。そして、なんてかわいいパッチリお目々なんでしょう(笑)
ちなみに、彼らのあの風貌は40~60年代のブルース・ミュージシャンへのオマージュだ。そして、デュオのスタイルは「ソウル・メン」のサム&デイヴ がモデル。
ブルースやR&Bなど黒人音楽への猛烈な愛がこもったこの作品は、映画会社の「ふん、売れるわけないだろう」発言をどこかに吹き飛ばし大ヒット。伝説のような存在となりながら、いまも驚くほどフレッシュな存在感を示してくれる。梅雨がどうした、ブルースでいこうぜ!
ライター中山陽子でした。
ブルース・ブラザース(1980)
監督 ジョン・ランディス
出演者 ジョン・ベルーシ/ダン・エイクロイド/ジェームス・ブラウン/キャブ・キャロウェイ
ジョン・ランディス監督作品の買取金額の相場はこちら
ジョン・ベルーシ出演作品の買取金額の相場はこちら
ダン・エイクロイド出演作品の買取金額の相場はこちら