【Mr.&Mrs. スパイ】
『ハングオーバー! 』のザック・ガリフィアナキスがいい旦那さん風なアクション・コメディ
Mr.&Mrs. スパイ 映画あらすじ
ジェフとカレンは、ありふれた郊外の住宅地に暮らす平凡な夫婦。子供たちをキャンプに送り出し2人きりになっても、羽目を外すことなく平凡に過ごしていた。そんな2人の隣に引っ越してきたのは、何から何まで完璧なジョーンズ夫妻。夫のティムは人気紀行作家で、妻のナタリーは慈善活動もしているカリスマ料理ブロガーだという。おまけに2人ともかなりの美男美女だ。そこまで完璧な夫婦が、郊外の住宅地を選んだことに不信感を覚えたカレンは、夫の書斎にこっそり入るティムを目撃し、彼らが何か企んでいると確信。一方夫のジェフは、それを気にせずティムと友情を育もうとしていた。だかやがて、ジョーンズ夫妻は驚くべき正体を明らかにする。
Mr.&Mrs. スパイ 映画レビュー
いつものことだが……、この映画も邦題がひどい。恐らくブラピとアンジーが、かつて燃え上がるような愛を発火させた映画『Mr.&Mrs. スミス(2005)』を捩ったのだと思うが、共通点は夫婦スパイという部分しかない。と、いうか、何故やたら似ているタイトルにしたがるんだ。
この映画の原題は『Keeping up with the Joneses. 』。「近所の人に負けまいと見栄を張る」という意味らしい。最新の流行を追う、隣人と張り合う、世間に後れをとらないなど、WEB辞書を見るといろいろ出てくる。ここで言うJonesはジョーンズ一家ではなく、典型的なアメリカ人、もしくは社会的地位や生活水準が同じ人を指している。
しかし、映画のなかに出てくるジョーンズ夫妻は美男美女でスタイル抜群だし、生活水準も高そうだ。つまり、お隣に引っ越してきた完璧な2人をジョーンズ夫妻(典型的なアメリカ人)としたのは、あくまでもシャレなのである。「近所の人に負けまいと見栄を張る」ではなく「私たち、ジョーンズ一家についていきます!」という感じなのだろう。
『Mr.&Mrs. スミス(2005)』にあやかって観客を引き込もうという無駄なもくろみで、邦題の「Mr.&Mrs. ス」までが同文字になっていることに多少イラっとしたが……、実のところ、そんなことでイラつくのは無駄かもしれない。何故ならば、主役は『ハングオーバー! 』シリーズではアラン役でお馴染みのザック・ガリフィアナキスだから。つまり、この映画はスパイ・アクションがエッセンスのコメディなのだ。だから、すこぶる脇が甘いダメなスパイという部分も、コメディなのでご愛嬌という感じだ。
なお、原題のシャレを効かせるためか、ザック・ガリフィナーキスとアイラ・フィッシャーが演じる平凡なギャフニー夫妻と、ジョン・ハムとガル・ガドットが演じる完璧なジョーンズ夫妻の対比は、かなりわかりやすい。
しかしながら、いかにも普通の主婦に見えるアイラ・フィッシャーは、セクシーな下着姿になるとムッチリお色気ムンムンなので、超スレンダーなガル・ガドットより絶対に男性受けが良さそうだ。映画と全然関係ないところで、思わず感心してしまったわ。(はち切れそうなダイナマイト・ボディに)
そして、この映画は『ハングオーバー! 』ほどお下劣なジョークがないので、ザック・ガリフィアナキスがまともな優しい旦那さんに見えてしまい戸惑う。ただ、いかにも普通な人のようでいて、かすかに微妙な空気とギャグを放つザック・ガリフィアナキスも、なかなか良いと思った
邦題はひどいが、『ワイルド・スピード』シリーズで鳴らしたガルのアクションもかっこいいし、それでいて笑える楽しい映画なので、ぜひご賞味あれ。
ライター中山陽子でした。
Mr.&Mrs. スパイ(2016)
監督 グレッグ・モットーラ
出演者 ザック・ガリフィナーキス/アイラ・フィッシャー/ジョン・ハム/ガル・ガドット
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