【ディセント】
イギリス発・無謀な女たちのホラー映画
ディセント 映画あらすじ
交通事故で夫と娘を亡くしたサラは、以前よく一緒に冒険を楽しんでいた友人から洞窟探検の旅に誘われる。事故の当日一緒にいた友人のジュノとベスは、これをきっかけにサラが元気を取り戻すことを望んでいた。やがてサラとベス、レベッカとサム姉妹や洞窟探検が初めてのホリーは、ジュノの案内で森林地帯の奥に進み、巨大な洞窟の入り口に到着する。その荒々しさに一同は怖じけづくが、ジュノだけは違っていた。だが、その洞窟の先にある戦慄には、まだ誰も気づいていなかった……。
ディセント 映画レビュー
ゾンビではなく、知られざる世界で環境に適応し、進化した生物が出てくるイギリスのホラー映画。
異常な状況下に置かれ覚醒した登場人物が、血だらけになって「うおー」と雄叫びをあげるシーンは、ちょっぴり『キャリー(1976)』っぽかったかも。
とにかく……、何を好きこのんで、そんな恐ろしい洞窟に入りたいんだか気が知れず、ずっと共感しないまま鑑賞することとなった。体を這わせてやっと通れる洞窟なんて、考えただけでもゾッとするではないか。まあ、冒険家にとってそんな状況は日常茶飯事で、むしろ、そうでなくては意味がないのだろうけど。
もちろんこの映画の登場人物たちも、冒険により刺激が欲しくてたまらない連中だ。冒頭シーンから、ジャンルにこだわらず数々のアクティビティを体験してきただろうと想像させる。
しかし、洞窟に入る前日の、ワイワイガヤガヤ楽しそうな女子メンバーの様子や、洞窟に入って辺りを見回し(全然そうは思えなかったが)「美しいわ……」とウットリする様子が、まるで夢だったのかと思えるような惨劇が、彼女らを待ち構えているのだ。
友情もどこかにスッ飛び、疑心暗鬼と恐怖のなかで、逃げ惑いながら時を過ごすしかない女性たち。薄~い友情で結ばれた楽しそうな集合写真が、このうえなく痛々しい。ラストに再びその写真が写し出されたとき、何となくレオナルド・ディカプリオ主演の『ザ・ビーチ(2000)』 を思い出した。
とても評価の高い作品だが、自分にとっては、一瞬友情や責任感を見せつつゲスで浅はかで身勝手という理解不能な人物とか、終始感じの悪い姉妹とか、なにかと困った行動を起こす人物とか、最後の最後に友人をドン底に落とす真実を暴露したあげく「知らなかったの?」てオマエ~、ならもっと早く教えとけや、といったこととか、冷静に考えたら先住民の領域へと勝手に入り殺戮しまくることとか、そもそも洞窟に入る気が知れないとか、もう、色んなこと全てが共感しにくい映画だった。
しかも、「その終わりかよっ」と突っ込んで物語終了。
もちろん、ハラハラドキドキ緊迫感があり、飽きさせない映画であることも確か。
しかし、自分にとってホラー映画を楽しむために必要な要素は「登場人物に共感し、応援しながら最終的には達成感を味わう」だ。それが必要量にほとんど達しないまま、不本意ながら不完全燃焼で終わってしまったのである……。
ところで、謎の生命体はエサ(人間を含めた動物)が無いときはどうしているんだ?
ライター中山陽子でした。
ディセント(2005)
監督 ニール・マーシャル
出演者 シャウナ・マクドナルド/ナタリー・メンドーサ/アレックス・リード/サスキア・マルダー
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