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CINEMAバリQ

【ジョン・ウィック:チャプター2】
殺し屋が人口の過半数を占めるキアヌ・リーブス主演映画

ジョン・ウィック:チャプター2 映画あらすじ

かつて伝説の殺し屋と言われたジョン・ウィックは、ロシアンマフィアが闇取引のため動かす自動車工場に乗り込み、愛車1969年式フォード・マスタング・マッハ1を奪い返す。その後、最愛の亡き妻との思い出が詰まった自宅に戻ると、再び暗殺者ジョン・ウィックを封印。出会ったばかりの愛犬と、静かな時間を過ごす。しかし、イタリア系犯罪組織カモッラの幹部サンティーノ・ダントニオが突然現れ、かつて交わした「血の誓い」を理由に暗殺を依頼する。

 

ジョン・ウィック:チャプター2 映画レビュー

最愛の妻が残した愛犬を殺され、車を奪われたジョン・ウィックが、報復のためヴィゴ・タラソフ率いるロシアン・マフィアの一味を壊滅させてから5日後の物語。

前作からピッタリとくっついた続きのストーリーで、いきなりハードなアクションから始まるあたりは、『007 慰めの報酬(2008)』を思い出させた。

しかし、主役はトム・フォードのスーツに身を包み、難易度の高いミッションをこなしながら、幾人もの美女と逢瀬を重ねるジェームス・ボンドではない。

ただひとりの女性を心底愛し、心静かな時間を好む寡黙な男。ルールやマナーを重んじるが、自分の大切なものを奪い、破壊する人間を容赦なく殺戮する、モッサリ系ダーティ・ヒーロー、ジョン・ウィックだ。

可愛い愛犬との時間や、闇社会に精通するホテルオーナーやコンシェルジュとの大人で紳士な時間と、亡き妻を想う時間以外は、ずーっと殺戮しまくる。

もちろん前作同様にガン・アクションとカンフーが合体した「ガン・フー」は健在。かなり念入りにトレーニングしたようで、アクションシーンはとても現実味にあふれていた。

むしろ現実的過ぎるというか、多少機敏さに欠け、モッサリして見えた時が幾度かあった。ただ、通常よく目にする映画の、スマートで華麗なアクションなどは演出や仕掛けでつくり込まれたものなので、キアヌ・リーブス自ら果敢にスタントをこなした証拠だなとも感じた。コモン演じる殺し屋との死闘シーンは特に、2人がものすごく訓練されたと明確に感じることができた。

キアヌ・リーブスの人柄が良さそうなので、何でも好意的に捉えてしまうが、個人的にはロン毛と無精髭のキアヌはあまり好きになれない。ただ、ジョン・ウィックのイメージとしてはいいと思うので複雑なところだ。

なお、この二作目には『マトリックス』シリーズのファンもさぜかし興奮しただろう。なぜならば、同作でモーフィアスを演じたローレンス・フィッシュバーンと、かつてネオを演じたキアヌ・リーブスが久々に共演しているからだ。

一作目から劇中で何度も「ジョン・ウィック復活」というキーワードが出てくるが、その言葉通り、この作品は『マトリックス』以来キアヌ・リーブスが華々しく復活した作品であり、孤高の存在としての魅力を発揮できる映画だ。その作品でネオとモーフィアスが再会とは嬉しい限りではないか。

また、私を含め、密かに『コンスタンティン(2005)』ファンも喜んだはず。なぜならば、冒頭に同作でルシファー役を怪演したピーター・ストーメアがロシアン・マフィアとして登場し、かつてジョン・コンタンティンを演じたキアヌ・リーブスがジョン・ウィックとして彼のアジトに訪れ会話を交わしていたから。

ああ、この勢いで『コンスタンティン』続編が作られますように。(ジョンつながりだし)

なお、物語の佳境に入ったあたりでは、ブルース・リーの『燃えよドラゴン(1973)』を彷彿とさせる「鏡の間」が登場する。ガン・フー生み出したぐらいだから、多分意識したのだろう。

武器のソムリエや戦闘モードにも応じる仕立て屋、殺し屋御用達の格式高いホテル、規律を重んじる裏社会の世界観ほか、今回の役柄は残念だが本来はセクシーなイタリア人俳優リッカルド・スカマルチョに、ルビー・ローズ演じるキュートな殺し屋も登場するので、ぜひご賞味あれ。

 

ライター中山陽子でした。

 

ジョン・ウィック:チャプター2(2017)

監督 チャド・スタエルスキ
出演者 キアヌ・リーブス/コモン/ローレンス・フィッシュバーン/リッカルド・スカマルチョ

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