【ドクター・ストレンジ】
全てが期待以上だったマーベル作品
ドクター・ストレンジ 映画あらすじ
天才外科医として名声を欲しいままにしていたドクター・ストレンジは、運転中の不注意で大きな交通事故にあってしまう。なんとか一命はとりとめたものの、両手は後遺症が残るほど激しく損傷。あらゆる治療法を試したが効果は得られず、もう為す術もない。だが、どうしても彼は輝かしいキャリアを諦めきれず、藁にもすがる思いでカトマンズのカマー・タージへ向かう。ある男が回復不可能な体でその場所を訪れ、奇跡的に完治したことを知ったからだ。しかし、そこで見たものは医学ではなく、驚くべき魔力だった。
ドクター・ストレンジ 映画レビュー
『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズ14番目の作品。この作品のみ単体で観ても十分楽しめる。全く種類は違うが、その独自性が放つパワーは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズと通じるものがある。
とにかく、想像以上に映像・ストーリー・キャストが素晴らしい。
メイキング映像でスタッフが、「現状路線では頭打ちなので、それを打破するためには、この世界観が必要だった」というようなことを言っていた。
実はそれについて思い当たることがある。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』や『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』を観たときの感覚だ。妙な閉塞感があり『アベンジャーズ(2012)』で感じたような充実感を得ることができなかったのだ。
観客の自分がそう感じてしまったのは、その背景でスタッフ自身がモヤモヤした感情を抱えていたせいかもしれない。
しかし、今作品で新たな世界観が加わったお陰で、がぜん視野が広まった。その世界観とは「魔術」というやつだ。
そう聞くと少し子供っぽい印象だが、主役がベネディクト・カンバーバッチなので、そうはならない。ニューヨークの景色を、モヤがかったロンドンのように思わせてくれるからだ。作品そのものを大人の雰囲気にしてくれる。
また、その相手役を、キュートでかわいいレイチェル・マクアダムスが演じているギャップもいい。
なお、ティルダ・スウィントンが演じた魔術の師匠エンシェント・ワンは、原作コミックではチベット系の老師のため、彼女が白人女性であることに批判があったらしい。だが、長い髭を垂らした、いかにも魔術の老師という人物よりも、彼女のように年齢不詳、性別不詳のキャラクターにこそ無限の力を感じる。
『コンスタンティン(2005)』でのガブリエル役もそうだったが、ティルダ・スウィントンは本当にああいった独特の存在感を持つキャラクターを演じるのがうまい。
そして今回、個人的には多大なプレゼントをもらうことができた。チョイ役だが、とても重要な役でベンジャミン・ブラットが出演していたのだ。演技が上手いしセクシーだし、ムキムキのマッチョなのに、ハンサム過ぎて実力に見合った評価をもらえない俳優さんである。
“あの様子”じゃあ、続編への出演は期待できそうにないが、マーベルがキャラクター投票で出演者を決めるなら、すぐさま投票するのでぜひ実施してほしいものだ。
映像のすごさは『インセプション(2010)』と似ているかと思ったがそれ以上だった。お馴染みのマッチョなイケメンヒーローもエピローグに登場するのでお見逃しなく。
ライター中山陽子でした。
ドクター・ストレンジ(2016)
監督 スコット・デリクソン
出演者 ベネディクト・カンバーバッチ/キウェテル・イジョフォー/レイチェル・マクアダムス/マッツ・ミケルセン
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