【フレンチ・ラン】
次期ジェームズ・ボンドの呼び声も高いイドリス・エルバ 主演映画
フレンチ・ラン 映画あらすじ
医大に行くことを夢見るマイケルは、人並み外れたスリの技術でその資金を稼いでいた。しかし、ある日挙動不審な女性のバッグを盗んだせいで爆弾テロリストに間違われてしまう。多方面から追われる羽目になったマイケルの前に現れたのは、型破りな捜査をするCIAのはみだし者ブライアー。マイケルが爆弾の犯人ではないと確信したブライアーは、そのスリの腕を買い、無実の証明を条件に捜査を手伝わせる。
フレンチ・ラン 映画レビュー
麗しき花の都としてのパリではなく、さびれた路地や、地元の人々の決して華やかではない生活を映し出した映画。そんな制作側のこだわりをウッカリ見逃すほど、イドリス・エルバ の訓練されぬいたアクションは見応えがある。
『28週後… (2007)』に出演していたのは正直気づかなかったし、ガイ・リッチー監督の『ロックンローラ(2008)』ではいい役柄だったにもかかわらず意識することはなかった。しかし『ルーザーズ (2010)』ではかなり強い存在感があったため、そこからイドリス・エルバという俳優さんを意識して見るようになったのである。スタイルが良くてなかなかの男前だが、なんといっても彼の魅力はその瞳。目が潤んでいるせいなのか、深い湖のように吸い込まれそうな輝きを放つときがあるのだ。『マイティ・ソー』シリーズのカラーコンタクトをしたヘイムダル役は、いい具合にその良さを引き出していると思う。
注目を浴び始めたころはすでに英米で活躍していたとのこと。そのせいで最初はアメリカ人かと思っていたが、イドリス・エルバ はイギリス人である。次期ジェームズ・ボンドの呼び声も高いという。ちなみに、プロのキックボクサーとして試合を経験しており、おまけに勝利しているらしい。ビジュアルもアクションも、スパイを演じるにはもってこいだ。
そんな彼がこの映画で演じているのは、爆弾テロリストを追うアウトローなCIA捜査官。
最初はこんな時期だけに、そういった内容の映画について書くことへの躊躇があった。しかし、想像していたものとはだいぶ展開の様子が違っており、リアリティよりもエンターテイメント性の比重が大きい。バカなのか賢いのか、ヘタレなのか勇敢なのか、よくわからないが親しみがわいてしまうマイケル(リチャード・マッデン)との凸凹コンビや、すごーく痛そうなドッシリした格闘シーンが魅力的な作品だ。
ラストシーンで見せた2人の漫才風やりとりが後を引き、とりあえず『イタリアン・ラン』とか、『ブラジリアン・ラン』とか『インディアン・ラン』とか、何でも後ろに「ラン」とつけとけば延々と続編を作れるんじゃないかと勝手に想像してしまった。あ、でも原題は『 BASTILLE DAY/THE TAKE』だからそうはいかないか。いや、それ以前に、イドリス・エルバがMI6のボンドを演じるなら、CIAをやっている暇はない。
なお、スタントのほとんどは俳優さん自ら行ったらしい。屋根の上の追いかけっこは、見ていて危なっかしいような感じがしてヒヤヒヤしたが、本当に俳優さんが走っていたとしたら、あの危なっかしさは本物だ。そう思って観るとますますヒヤヒヤするので、暑い季節にはいいかもしれない。
そんなこんなで、パリのおいしそうな料理や麗しい風景は一切出てこないが、野獣捜査官とスリ男の絶妙なやりとりとアクションを楽しめるはずである。
ライター中山陽子でした。
フレンチ・ラン(2015)
監督 ジェームズ・ワトキンス
出演者 イドリス・エルバ /リチャード・マッデン/シャルロット・ル・ボン/ケリー・ライリー
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