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CINEMAバリQ

【雨の日は会えない、晴れた日は君を想う】
ジェイク・ギレンホールの演技とメモにグッとくる映画

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う あらすじ

ウォール街の投資銀行で働くデイヴィスは、会社の社長フィル・イーストマンの娘を妻に持つエリート。将来を約束されてはいるものの、数字を追いかけるだけの空虚な日々は、彼の心を無感覚に変えていた。そのせいか、大きな車の事故で妻が帰らぬ人となってしまったにもかかわらず、彼は一滴の涙も流せない。そしてデイヴィスは、お金を入れたのに商品が出てこなかった自動販売機会社への手紙(クレーム)に、なぜか自分の人生や妻のことまで書き綴りだした。

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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う レビュー

共感しにくい部分も多少ありましたが、とても心に残る作品でした。まるで悲しい出来事がなかったかのように残された、茶目っ気あるメモが涙を誘います。完璧な人間はいない。でも、たとえ間違いをたくさん犯しても、人はまたもとの道に戻り、正しくあろうと、正直であろうと、誰かに喜んでもらおうとする。そんな愚かで健気な人間を、取り繕うことなく描いていました。

演じるのはジェイク・ギレンホールとナオミ・ワッツ。両者とも、演技力抜群の実力派です。期待の子役ジュダ・ルイスが放つ輝きも相まって、イカれたようにモノを破壊しハチャメチャになる男や、何かと非常識で意味不明な行動を起こす女、諸刃の剣で空を切り続けるティーンズらの、奇天烈な行動に深みを与えています。

デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)と、カレン・モレノ(ナオミ・ワッツ)の始まりも、なかなかのもの。

妻を失った病院で、デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は販売機にお金を入れチョコレートを買おうとするのですが、袋が引っ掛かって出てこない。彼はウォール街のエリートなので、お金がないわけではありません。ただ、「お金を払ったにもかかわらず、商品が引き渡されない」という理不尽な状況に執着してしまうのです。

そして、妻の死を悲しむ人々が義父母の家に集まるなか、彼は悲しむこともせず、ただひたすら販売機の会社に手紙を書きます。それも1度や2度ではなく、販売機のこととは関係ない自分の人生や妻のことなども含めて書き記すわけです。そのクレーム係というのが、たまたまシングルマザーのカレンだった……、という展開です。

しかし、そもそもクレームの手紙は、その会社のどんな人物が受け取り、対応するのか分かりません。つまり、彼はお金を返して欲しいがために手紙を書いているのではなく、ただ、感情をそのまま書き記してアウトプットしているだけ。原題が『DEMOLITION(破壊)』と名づけられているとおり、デイヴィスはそのあとモノを破壊しまくります。

 

壊す理由は、自分が感情を失っていることに気付いたから。
そして、自分が妻を愛していたのかどうか懐疑的になったから。

 

義父のフィルはいいました。「心の修理も車の修理も同じことだ。まず隅々まで点検して、組み立て直すんだ」 それでいわれたとおりモノを解体してみたら、意外に快適になると知り、彼は家、他者、会社のものを含む全てのモノを壊し始めるわけです。もちろん義父は、実際にモノを壊せとはいっていないですけどね。

よく困難にぶつかったり、悩みを抱えたら、「悩む」ということで思考を停止するのではなく、論理的に考えてとにかく思考を動かし、頭のなかと状況を分析してみると、意外に良い解決策を見出せるものだといいます。筆者はデイヴィスの行動を見ていて、彼は長年かけてカチンコチンになってしまった頭のなかを、解体しているのだなと感じました。

何かと言い訳しながら大麻吸ったり夜中に電話したりするカレンには多少の不快感がありますが、それも彼女がシングルマザーとして迷いながら歩む姿なのでしょう。最後のほうではカレンの決意がハッキリと見えてきます。また、子供に戻ったかのようになったデイヴィスが、カレンの息子で“怒れるティーンズ”のクリス(ジュダ・ルイス)と心を通わせるシーンは、少し過激なところもありますが、とてもいい雰囲気です。

 

そんな映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は一切皆様次第でございます。ちなみにバリQの査定は、とにかく買い取り価格が高いことが自慢です。お申し込みも簡単なので、不要な本・DVD・CD・ゲーム・PCタブレット・携帯電話・フィギュア・ポータブルオーディオなどがあれば、ぜひご利用ください。こちらのフォームからどうぞ。

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ライター中山陽子でした。

 

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015)

監督 ジャン=マルク・ヴァレ
出演者 ジェイク・ギレンホール/ナオミ・ワッツ/クリス・クーパー/ジュダ・ルイス

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