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CINEMAバリQ

【マイティ・ソー バトルロイヤル】
笑いとアドレナリンが出るマーベル・コミック映画

マイティ・ソー バトルロイヤル 映画あらすじ

人工知能ウルトロンとの戦いから2年。故郷を離れていたソーがアスガルドに戻ると、娯楽に興じる父オーディンの姿があった。ソーはすぐに偽物だと見破り、本物の父を捜すために地球へ。そこへ死の女神ヘラが現れ、戦いが始まる。だが、ヘラの強さは想像を超えており、ソーは宇宙の果てまで飛ばされてしまう。その場所でソーは、かつての盟友や宿敵と再会。飲んだくれの元女戦士にも出会う。

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マイティ・ソー バトルロイヤル 映画レビュー

この作品は、マーベル・コミックの映画『マイティ・ソー』シリーズの第3段です。『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては第17作品目。原題は『Thor: Ragnarok』で、Ragnarok(ラグナロク)は、北欧神話の「世界における終末の日」のことだそう。

結論からいうと、

はぁー、もう……、最高に楽しい作品でした。

笑いありバトルあり、笑いあり笑いあり、バトルあり……。7割かたは「笑い」かも。それもそのはず、監督は『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア (2014)』のタイカ・ワイティティさん。監督を担いながら性格の良さバツグンの岩キャラクターも演じています。全身が岩という厳つい姿でありながら、ずっこけるほど軽くて高い声を持つ、コーグ君です。

また、挿入歌もノリが良くて、躍動感があり、活力にあふれています。ソーが力をみなぎらせるとレッド・ツェッペリンの「移民の歌(immigrant song)」が流れるのですが、それを見ている自分のなかでもアドレナリンが大量に分泌しました。公家顔の日本人でなければ、「あああああーーーーあー」の部分で上着を脱いで振り回し、一緒に叫びたかったくらいです。まあ、館内のお客さんにボコられるか、警備員さんに捕まるでしょうけど。

また、「Grandmaster Jam Session」ほか、マーク・マザーズボーさんのテクノポップも気分を盛り上げてくれます。

 

なお、今回ヴィランとして登場するのは演技派女優のケイト・ブランシェットさん。ソーのハンマーを片手でグシャリとするくらいなので、相当な強さです。そういえば、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008 )』でも、悪役イリーナ・スパルコを演じていました。演技がうまい役者さんは、悪役を演じることにも長けていますものね。しかし、最強の悪役だけに、今作における「笑いの連打」 には、あまり参加していません。

ソー役のクリス・ヘムズワースさんは、『ゴーストバスターズ (2016)』のときアドリブを連発し、メリッサ・マッカーシーやクリステン・ウィグといった名だたるコメディエンヌたちを本気で笑わせたそうですが、今作でも、その才能がいかんなく発揮されたようです。あるメディアのインタビューで、ワイティティ監督は、クリスさんの笑いのセンスをとても褒めていました。今作におけるアドリブギャグの多くが、彼のアイデアだったとか。すばらしい才能ですね。

トム・ヒドルストンさん演じるロキとの兄弟コントも、嬉しいくらいにポンポン飛び出します。これまでロキは邪悪な存在として描かれていましたが、今回は困ったヤツ程度で、ソーとも「時々ケンカはするけど仲の良い兄弟」にしか見えませんでした。

それとは関係ありませんが、女好きで処世術に長けた、ちょぴり憎めないアスガルド人を演じていたカール・アーバンさんは、あばれる君にしか見えませんでした。

マーク・ラファロさんが演じたブルース・バナー=ハルクとソーのやりとりも、幼なじみのようなノリです。バトルも繰り広げますけどね。まあ、ハルクはアイアンマンほか、敵味方関係なく誰とでもバトルをおっぱじめようとしますが。(バナー博士とナターシャはベッドで) ただし、ハルクはたいぶ脳の前頭葉や言語中枢が発達したようで、会話もできるし、少しだけ人の言葉に耳を貸すこともできていました。ハルクにバナー博士のIQがともなったら、それこそ最強ですね。しかし、ハルクの怒りを鎮めようとソーが歌った子守唄は、全く効果がなかったようです。

 

アンソニー・ホプキンスさんや、ベネディクト・カンバーバッチさんには、もう少し長く出て欲しかったと思いますが、総体的には大大大満足の映画でした。『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』のDVD・Blu-rayの販売が待ち遠しいものです。手に入れた暁には、売ってはいけない1本となるでしょう。

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笑いが満載の映画だけに、真面目なシーンで活躍するヘイムダル役のイドリス・エルバさんは、カッコ良さが際立つという、おいしい立ち位置でした。ところで、千里眼のヘイムダルは、地獄耳の特殊能力も持っているそうです。地獄耳って表現、どうなんだと突っ込みたくなりますが、見張り役としては最適ですね。次期ジェームズ・ボンドと囁かれているイドリスさん。初の黒人ボンド誕生になるのでしょうか。ちなみに筆者は、イドリス・エルバ版ボンドが猛烈に見たいです。

偽物のオーディンがボリボリ何か食いながら舞台劇を鑑賞しているシーンでは、何気なく有名な俳優さんたちがカメオ出演していますよ。お楽しみに!

 

ライター中山陽子でした。

 

マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)

監督 タイカ・ワイティティ
出演者 クリス・ヘムズワース/トム・ヒドルストン/ケイト・ブランシェット/イドリス・エルバ

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