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CINEMAバリQ

【スプリット】
ジェームズ・マカヴォイの演技が冴えわたるM・ナイト・シャマラン作品

スプリット 映画あらすじ

クレアの誕生パーティーが終わり、帰ろうとしていた3人の女子高生ケイシー、クレア、マルシアは、見知らぬ男に拉致されてしまう。密室で目覚めた3人の前に現れたのは、潔癖症のデニスという男。堅物な一面と、異常な雰囲気をあわせもつデニスに3人は恐怖を覚えたが、その後、上品な女性パトリシア、無邪気な9歳の少年ヘドウィグらも現れたことで、さらに底知れない恐怖が彼女らを襲う。なぜならば、彼らは年齢も性別も、性格も違っていたが、明らかに同一人物であるからだ。しかし、男が持つ人格はそれだけではなかった……。

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スプリット 映画レビュー

ちょっと不思議な雰囲気で、なんだか思わせぶりで、それでいて観ていると「あれま!」と声が出てしまう作品を世に送り出し続けてくれるM・ナイト・シャマラン監督。今回もやってくれました。

が、しかし、今回は少し様子が違います。

これまでは、予想外の展開であったり、取り扱うテーマが意外なものであったりというのが、驚かされるポイントでした。それが今回の場合は、まさかの「クロスオーバー作品」という事実。いやー、オッたまげました。

でも、何よりも驚かされたのは、ジェームズ・マカヴォイさんの卓越した演技でしょう。もちろん、以前から演技力がある方だとは思っていましたが、想像の域をはるかに超えていましたよ。

 

彼が演じたのは、23もの人格をもつ解離性同一性障害の男性。多重人格ともいわれています。なかには女性や子供までいますが、マカヴォイさんはそれらを完璧に演じ分けているのです。それだけでもすごいのに、人格Aが、人格Bのふりをして精神科医を騙そうとするが、バレて人格Aに戻る……、といった複雑な演技も披露してくれます。3つの人格同士が会話するシーンでは、鏡に映る角度で人格を次々に変えるといった高度な技も見せます。

おまけに彼は、「凶暴なけもの」にもなりきるのです。鉄の柵を手で開けようと力むジェームズ・マカヴォイさんの鬼気迫る表情は、『シャイニング(1980)』のジャック・ニコルソンさんに匹敵するほど。本当に、素晴らしい演技力です。

このように、俳優さんの優れた演技力を堪能できる映画ですが、先述したとおりクロスオーバー作品の2作目であったという事実には、賛否両論あるようです。ちなみに、筆者はその事実によって、むしろ楽しくなってしまったほう。今作の続編となる次回作が、どういったものになるのか興味津々です。

ただ、それに無理やりつなげようとしたラストだけは、ちょぴりいただけません。だって、「ねえ、あの事件の犯人に似ていない?」と、ダイナーの女性がいっていましたが、それについては多くの人が以下のように思うでしょうよ。筆者も、思わず声に出てしまいました。

「ぜんッぜん似てねーーーーー!」

――まあでも、それほどM・ナイト・シャマラン監督の想いが強いわけです。以前から温めていた構想なのだとか。

続編のタイトルは『Glass』。2019年1月が公開予定です。クロスオーバー作品の1作目に出演した有名俳優さんたちも登場するようで、今作において卓越した演技を見せてくれたジェームズ・マカヴォイさん、女子高生のケイシーを演じたアニヤ・テイラー=ジョイさんも続投です。「ヒーロー誕生?」→「ヴィラン誕生?」→「それからどうなる?」ですわ。

脳の可能性に多大な関心を寄せる筆者は、「なりたいものになれる人間のちから」を取り上げた監督の視点や、超能力というものの位置づけ方に、とても興味をひかれました。ヒッチコック監督ばりに、毎度のことながらシャマラン監督も作中にちょびっと登場しています。

 

そんな映画『スプリット(2017)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第でございます。ちなみに、バリQの査定はとにかくスピーディー。お荷物到着後最短で24時間以内に査定をご連絡します。また、バリQは、市場価値に合わせて買取をしています。古くても市場価値があるものは、しっかりと評価させていただきますよ。お申し込みはこちらのフォームから簡単に行えるので、お気軽にお申し込みくださいね。

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そういえば、寛容な精神科医を演じていたベティ・バックリーさんは、『ハプニング(2008)』では、危ないおばさんミセス・ジョーンズを演じていましたね。今回はまったく違い、解離性同一性障害の人々の可能性を信じてやまない女性の役でしたよ。

撮影は『イット・フォローズ(2014)』のマイケル・ジオラキスさんなので、カメラワークも印象的です。

ライター中山陽子でした。

 

スプリット(2017)

監督 M・ナイト・シャマラン
出演者 ジェームズ・マカヴォイ/アニヤ・テイラー=ジョイ/ ベティ・バックリー/ヘイリー・ルー・リチャードソン

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