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CINEMAバリQ

【禁断のケミストリー】
不倫と薬物で人生を取り戻すブラックコメディ

禁断のケミストリー 映画あらすじ

義父から受け継いだ薬局を営む薬剤師のダグは、支配的で辛辣な義父と、自転車競技に夢中な気の強い妻に囲まれ、肩身の狭い日々を送っていた。1人息子は学校で問題ばかり起こし、実質上は薬局の経営者になったはずなのに、看板は義父の名前のままで「雇われ店長」扱い。トップアスリート並みに鍛えている妻のみならず、その友人にまでバカにされる始末。しかし、気の弱いダグは、ただ言葉と感情を呑みこむだけだった。そんななか現れたのは、猛烈にセクシーな富豪の妻エリザベス。意気投合した2人は逢瀬を重ね、さらに薬剤師でもあるダグがハイになれるようドラッグを調合しはじめたことから、関係がヒートアップ。さらには、よからぬ計画まで立てはじめ……。

この映画の買い取り価格→→→ 『禁断のケミストリー

 

禁断のケミストリー 映画レビュー

スリー・ビルボード(2017)』で、フランシス・マクドーマンドさんとともに演技を高く評価されたサム・ロックウェルさん主演の映画です。登場する大人がかなりイカれているので、脳の前頭葉(理性)がしっかりと働く大人が、ブラックジョークを楽しむために鑑賞する作品といえるでしょう。

薬剤師のダグは、義父と妻に振り回される毎日にウンザリしていました。しかし、気の弱い彼は言いたいことが言えません。そこに、アルコールと薬で完全にイッちゃっているけれど、猛烈にセクシーな富豪の妻エリザベスが登場したのです。そこからダグの人生は一気に変わりました。意気投合した2人は関係を深め、会うたびに“快感を得られるスポーツ”を楽しむようになりますが、薬剤師でもあるダグは「僕なら質のいいドラッグを配合できるはずだ!」と考えつくのです。(そこに能力を使うんかーい)

薬を調合する際、ダグは至って真面目です。もともとは住民からの信頼も厚い、優れた薬剤師さん。まるで研究者のように理論を追求し、専門的な知識と技術で実践していきます。いい女と肉体的にも精神的にも通じ合う経験をしたほかに、いままで味わったことのない快感を覚え、彼はどんどん自信と活力を取り戻します。しかし、それと同時に、彼の生活の何かが、少しずつ蝕まれていきます。

でも、周囲はその変貌に、ぜーんぜん気づきません。

身なりがだらしなくなって、やたら鼻をすすり汗をかき、どこから見てもジャンキーにしか見えないのですが、麻薬取締局の捜査官を含め、周囲が全く気づかないのが完全におかしい。おまけに、セクシー演出なのか、コント的演出なのか、乳首丸出しのレスリングウエア着用も謎が深い。気の強い妻に対し、そのレスリングウエアでセクシーアピールをして、男の支配欲を丸出しにするシーンは多分笑うところなのですが、その“微妙感”にちょっぴり置いてけぼりでした。

そんなわけで、面白いのか面白くないのか、よく分かりませんが、抑圧され、精神崩壊の直前まで追い込まれていた男性が、不倫と薬物で人生をすべて失うかのようにして、取り戻すという、とってもブラックジョークな映画なのです。

 

気の強い妻カラを演じているのが、いつもなら「気立てのいい女性」を演じることが多いミシェル・モナハンさん。色っぽい悪女を演じるのはオリビア・ワイルドさん。終盤で意外な表情を見せる大富豪を、レイ・リオッタさんが演じています。また、最後にいきなり名女優が登場するのでビックリしますが、ナレーションを務めているのはその方です。そして先述のとおり、主役は個性派オスカー俳優のサム・ロックウェルさん。これほどまでに豪華メンバーを揃えたにもかかわらず、商業的には大失敗したとのこと。

まあ、不倫セックスとドラッグに溺れ、挙句の果てに殺人まで犯そうとした中年男が運良く再生できたという、ありえねー物語ですからね。でも、最初から最後まで、子供と向き合うことを止めなかったところには、好感が持てましたよ。道場でスナック菓子を片手に子供の試合を見学し、「やったー」と飛び跳ねて、その菓子を道場の中でこぼすなど、日本の武道の世界なら怒られそうなシーンもありますが、「かたいこと言うなよ、イエー!」てな風に、軽い気持ちで楽しめばいいのかなと思います。

 

原題は『Better Living Through Chemistry(化学作用による生活改善)』。そんなブラックすぎるタイトルがついた映画『禁断のケミストリー(2014)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第です。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さが自慢です。市場価値に合わせて買い取りをしているので、新しいものはもちろん高額で、古くても市場価値があるものは、しっかりと評価します。それに、とにかく査定スピードが速い!! お荷物到着後、最短で24時間以内に査定をご連絡します。業界最速ですよ! 

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チャーリーズ・エンジェル(2000)』のなかで、一癖ある悪役を演じたサム・ロックウェルさんが、悪そーなサングラスをかけて、悪そーにタバコを吸い、映画『ゴジラ』サントラをサンプリングした、ファロア・モンチの大ヒット曲「Simon Says」をバッグに踊るシーンが猛烈に魅力的なのですが、そのときの踊りを思い出させるようなシーンもあります。(あそこまで魅力的ではないんですけどね)

なお、映画では不倫と薬物で主役が人生を再生しましたが、現実世界では、その全く逆であることは確かでしょう。

ライター中山陽子でした。

 

禁断のケミストリー(2014)

監督 ジェフ・ムーア/デビッド・ポザメンティア
出演者 サム・ロックウェル/オリビア・ワイルド/ミシェル・モナハン/ベン・シュワルツ

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