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CINEMAバリQ

【アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー】
全て裏切られたのに高揚感もマックスになったMCUシリーズ第19作品目

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー あらすじ

宇宙の誕生と共に生まれた6つのインフィニティ・ストーンは、それぞれが「空間(スペース)」「現実(リアリティ)」「時間(タイム)」「力(パワー)」「魂(ソウル)」「精神(マインド)」を司る結晶。これらがすべて揃うと、世界を滅ぼす力が得られるという。そのインフィニティ・ストーンを狙うのは、宇宙で最も恐れられている悪の巨頭サノス。宇宙、そして地球で、アベンジャーズらスーパーヒーローたちは、パワーストーンを守るため史上最強のサノスに立ち向かう。しかし、事態は思わぬ方向に……。

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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー レビュー

観終わったあと……、呆然としてしまい、なかなか気持ちの整理がつきませんでした。筆者にとっては、スーパーヒーロー映画の歴史を変えてしまうかのようなパワーです。大人が本気でつくった、娯楽大作のコミック映画を鑑賞したはずなのに、まるで、双方の国の視点から描いた戦争映画でも観てしまったかのような気分。

「これを正しいと信じて実行した」

それぞれの信念が、意外な場所で思わぬ被害を引き起こしていたという事実は、これまでの『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズにおいても描かれてきました。マーベル・コミックのみならず、DCコミックスでも、スーパーマンが悪を倒そうと激しいバトルを繰り広げていたその陰で、犠牲者が多数存在したことなどが描かれています。つまり、それほど「戦争」が非生産的なものであるということを、コミック映画の中でもしっかりと描いているわけです。

しかーし! 単純明快な勧善懲悪を見てスッキリしようと思っていた気持ちは、どこに持っていけばいいのやら。

初っ端から「そこから始まるんかーい」と驚かされ、宇宙最強紫色アゴ男の「情緒」まで見せられ、意外な展開を「これでもか、これでもか」と見せつけられ、しかもラストは……、 

「そこで終わりかーい」

 

今作の興味深いところは、数えきれないほど登場するスーパーヒーローたちの視点のみならず、最強ヴィランの観点からも描かれているということ。今回登場したサノスが、強さだけではなく知能も優れているキャラクターであることから、この展開が可能となったのかもしれません。彼はまるで、世界経済にまで影響しかねないような巨大企業のトップのごとく、会社(宇宙)を守るためには、大半の人材を解雇(生命体を抹消)しなければならないと思い込んでいます。

ただ、これを観て思わず考えてしまったのは……、例えば、もしも本当に、このままでは宇宙のバランスが保てなくなるとして、神が、宇宙あるいは概念そのものを均等に保つため、無作為に何かを排除したとしたら、私たちには成す術がありません。それどころか「喜んで受け入れる」という人や、受け入れなければ「神に逆らうことになる」と考える人までいるでしょう。

しかし、それを行おうとしているのが個体なら? この映画でいえばサノスです。サノスも、公平を期するために“無作為”なのだといいます。私たちはその行動を「悪」だとし、彼を「悪魔」だというかもしれません。としたら、前者と後者の違いは何なのか……。善悪と、正誤を決めるのは、行動ではなく存在だけなのか。

 

って、ちがーう! 本当は、マーベル・コミック映画を観て考えたくなんてないのです。「あー、スッキリした!」で観終わりたいだけなのです。

マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズのフェイズ3(段階目)に入ってから、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』の、寄って集ってトニー・スタークを肉体的にも精神的にもフルボッコする展開にイラッとし、『ドクター・ストレンジ(2016)』でこれまでと違うキャラクターの誕生にワクワクし、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス(2017)』でファンキーな気分になって、『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』で母性本能がくすぐられ、『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』で大爆笑し、『ブラックパンサー(2018)』で清々しい気分になり、さあこいッ! どんと来いッ! と今作を待ちに待って、待ちに待って待ち構えていたのに、まさかの展開で……、

――エンドロール
――そして、エンドロール後の映像

もうッ

ああ、もうッ、最高でした。

ここまで何から何まで裏切られたのに、結局は最高でした。個人差は大いにあると思いますが、筆者の場合は2時間半という長い時間、始めから終わりまで緊張と興奮が途切れることはありませんでしたよ。いまから2019年公開の『キャプテン・マーベル(2019)』『アベンジャーズ4(2019)』が待ちきれません。

ただし、これまで『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの作品を観ていない場合、あるいはキャラクターに思い入れがない場合は、全く面白くない作品であることは確かです。筆者とは違った意味で、呆然としてしまうかも……。

 

そんな映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』は、スーパーヒーロー映画ファンならぜーーーったい売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さとスピード査定が自慢です。もしも「売っちゃおうかなー」とお考えなら、ぜひバリQにお申し込みくださいませ!! 

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コミック映画ではありますが、涙なしでは見られないシーンもあります。とはいえ、いつものように笑わせてくれるシーンもチラホラありますよ。

個人的には、ピーター・クイル(クリス・プラットさん)が、ハンサムで筋骨隆々で、声が低く男らしくて威厳もあるソー(クリス・ヘムズワースさん)に対し、ライバル心をメラメラ燃やすところ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のメンバーとソーのやりとりは、気さくで楽しい雰囲気だったので、ずーっと見ていたい気持ちになりました。

ちなみに、バナー博士/ハルク(マーク・ラファロ)も今回はお笑い担当だった印象。シリアスな映画でこそ演技力が光る人のような気もしますが、ファンとしては、そんなマークさんを見れるのも嬉しいですね。

ライター中山陽子でした。

 

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)

監督 アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
出演者 ロバート・ダウニー・Jr/クリス・ヘムズワース/マーク・ラファロ/クリス・エヴァンス

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