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CINEMAバリQ

【マイ・プライベート・アイダホ】
歪んだ世界に生きる、痛々しく眩い若者たちの物語

マイ・プライベート・アイダホ 映画あらすじ

オレゴン州ポートランド。ストリートで暮らすマイクは、街角に立って体を売り、その日暮らしの生活をしていた。彼は、緊張や感情の起伏などで誘引される居眠り病(ナルコレプシー)のため、ところ構わず倒れては眠ってしまう。それが発症するのは、故郷や幼いころに自分を捨てた、母親の存在を感じるときだ。そのマイクの親友は、裕福な家に生まれながら、父に反抗して家を飛び出したスコット。マイク同様に男娼や盗みを行い、ストリートで生活していた。スコットは、マイクが倒れると必ずそばにいて介抱してくれる。そんなスコットに、マイクは想いを寄せていた。ある日マイクは、自分を捨てた母親を探す旅に出ようと思い立ち、スコットとともにアイダホへ向う……。

この映画の買い取り価格→→→ 『マイ・プライベート・アイダホ

 

マイ・プライベート・アイダホ 映画レビュー

悲惨な人生を、楽観的に受け止める切ないユーモアが、少し皮肉っぽくて、ときに少しだけ優しい映画です。目の前にいる大人が実証する、厳しい現実と未来。どんなに最悪でも、いつものように今日が終わり、また明日が始まる。

マイクは遠くに何かを見ているのでしょうか。
そこには帰る家があるのでしょうか。
それとも、すべては幻なのでしょうか。

ドラッグストア・カウボーイ(1989)』や『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』『ミルク (2008)』で知られるガス・ヴァン・サントさんが、監督と脚本を担ったこの作品には、2人の美しい俳優さんが出演しています。主演は23歳の若さでこの世を去ったリヴァー・フェニックスさん。彼が演じたマイクの想い人スコットを演じているのは、キアヌ・リーブスさんです。まだ若い2人の美しさは、実に驚くべきもの。それを目にするだけでも、この作品を観る価値があるかもしれません。

売春、ドラッグ、近親相姦といった暗い要素を扱っているので、根本的には重い映画ですが、エディ・アーノルドさんが歌う「Cattle Call」をバックミュージックに映し出される、素朴で雄大な景色が心を落ちつかせてくれます。

また、独特でユーモラスな映像表現も特徴的です。マンガのように雑誌の表紙の中の人物が話し出したり、第四の壁を飛び越え、登場人物が観客に語りかけてきたりします。濡れ場は映像でも静止画でもなく、役者さんが動きを止めて撮ったワンショットを、連続で映し出していました。時代なりの古さもありますが、とても斬新です。

 

なお、本作は、ウィリアム・シェイクスピアの『ヘンリー四世 第1部』『ヘンリー四世 第2部』『ヘンリー五世』の三つの戯曲を原作としています。ハル王子がスコット(キアヌ・リーブス)で、フォルスタッフがボブ(ウィリアム・リチャート)でしょうか。スコットがボブを拒絶するシーンは、不自然な配置で演技が大袈裟だったので、戯曲を意識した印象です。

この映画が公開されたのはまだ1991年。今とはだいぶ状況が違います。テーマが暗く、同性愛を描いているためか、当時人気が高かったリヴァー・フェニックスさんはエージェントから出演を反対されたそう。そのため、ほぼノーギャラで出演したという話です。その甲斐あって、1991年度のヴェネツィア国際映画祭、全米映画批評家協会賞、インディペンデント・スピリット賞で、主演男優賞を受賞しました。

 

そんな映画『マイ・プライベート・アイダホ(1991)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さとスピード査定が自慢です。もしも「売っちゃおうかなー」とお考えなら、ぜひバリQにお申し込みくださいませ!! 

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80年代当時、映画『スタンド・バイ・ミー(1986)』で初めてリヴァー・フェニックス君を知りました。まだ幼い少年だった彼が映画館の画面いっぱいに映し出されるたび、館内からざわめきが起こりました。美しさはもちろんのこと、誰もがその存在感に驚かされたのです。生きていれば40代後半。キアヌさんと、いろんな作品で共演できただろうに。残念でなりません……。

ライター中山陽子でした。

 

マイ・プライベート・アイダホ(1991)

監督 ガス・ヴァン・サント
出演者 リヴァー・フェニックス/キアヌ・リーブス/ウィリアム・リチャート/キアラ・カゼッリ

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