【エクス・マキナ】
スタイリッシュなビジュアルで魅せる美しきAIロボットのSFスリラー

エクス・マキナ　映画あらすじ

大手IT企業のブルーブックでプログラマーとして働くケイレブは、会社の抽選に当たり同僚から祝福を受ける。社長のネイサンと共に1週間過ごせる権利を獲得したのだ。ケイレブは多くの期待を胸に、ヘリコプターでネイサンの別荘へと向かった。初めて対面した社長のネイサンは思いのほかフレンドリーで、ケイレブの緊張を少しずつ和らげてくれた。しかし、そこには、彼の想像をはるかに超えた存在が息づいており……。

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エクス・マキナ　映画レビュー

『ザ・ビーチ（2000）』の原作、『28日後… （2002）』や『わたしを離さないで（2010）』の脚本などを手掛けたアレックス・ガーランドさんの初映画監督作品です。第88回アカデミー賞の視覚効果賞ほか、多くの賞を受賞・ノミネートされました。

この映画では、AI（人工知能）の可能性と脅威、その存在をつくる人間の倫理観などに焦点が当てられています。

AI搭載のアンドロイドを演じるのは、華奢でキュートなアリシア・ヴィキャンデルさん。『コードネーム U.N.C.L.E.（2015）』では、オードリー・ヘプバーンさんのようにファッショナブルな装いがよく似合っていました。ドレスもアンドロイドスタイルも似合うのは、やはり彼女が美しいからなのでしょうね。少しだけ童顔なのも、この役にはピッタリです。

予算はあまり潤沢ではなかったそうで、いかに大富豪の別荘を“それらしく”見せるか工夫が必要だったといいます。でも、結果的に、巨大IT企業社長の別荘が大自然の中にあり、その大自然をほぼ所有しているという設定は大正解でしたね。建物の外観がはっきりと見えなくても、広大な自然が規模の大きさを代弁しており、地下に広がる最先端の設備を持った施設の存在の、想像を膨らませてくれました。

また、そのお蔭で「どんなに叫んでも、誰も気づかない」、「そこでどんなことが起こっているか、誰にもわからない」といった恐怖も感じられました。そういえばガーランドさんの作品は、そういった状況を描いたものが多い気もします。

 

ケイレブがやってきた施設は、無機質な素材に自然な温かみのある素材をミックスさせた内装で、とてもスタイリッシュです。しかし、どうも落ちつきません。物語自体もゾッとするし、やたら女性の裸が多いし、不安を植えつけられるし、少しばかり不快です。映像が素晴らしく興味深い映画ですが、2度観たいかといったら、個人的にはそうではないかも。

完璧な知能（IQも高いが人間らしい揺らぎもある）を持つAIが、限りなく人間に近いボディを持ったら、それはもはや機械ではありませんよね。「あなたは機械だから、この中に収容します」というわけにもいかない状況が生まれるのではないでしょうか。遠くない未来には、「AIが権利を求め裁判」とか、「AIに起訴状」といった見出しのニュースが出るかもしれませんねぇ。こわい、こわい。

そもそも、人間の祖先はどうつくられたのでしょう。神がつくったというなら、完璧なAIロボットをつくった人も神になるのでしょうか。というか、わたしたち自体が、存在しない歴史の記憶を植えつけられた第何世代目かのAIロボットだったりして。

ケイレブ（ドーナル・グリーソン）がとった異常な行動は、ある意味『マトリックス（1999）』を観たあとに、「自分たちが現実だと思っている世界は、実は仮想現実だったりして」的な、自らの存在の不確定さに気づき、心も不安定になった状況と見てとれます。あるいは「生」の実感を求めての行動でしょうか。

「我思う、ゆえに我あり」の“我”はなんぞや。この思考さえも、プログラムではなくリアルだという保証はないのです。って、じゃあ現実の確定は、何によって成されるのか？　そもそも、現実はあるのか？　とか、あーきりがない。

まあ、とにかく、なんとも恐ろしく、魅力的な作品でした。

 

そんな映画『エクス・マキナ（2015）』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第です。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さが自慢です。市場価値に合わせて買い取りをしているので、新しいものはもちろん高額で、古くても市場価値があるものは、しっかりと評価します。それに、とにかく査定スピードが速い!!　お荷物到着後、最短で24時間以内に査定をご連絡します。業界最速ですよ！　

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オスカー・アイザックさん演じる社長ネイサンの使用人は、日系イギリス人の美女ソノヤ・ミズノさんが演じています。そのせいか、食事は寿司ばかり。寿司に赤ワインは合わないと思いますが、日本人としてはちょっぴり嬉しい演出です。

ライター中山陽子でした。

 

エクス・マキナ（2015）

監督　アレックス・ガーランド
出演者　アリシア・ヴィキャンデル／ドーナル・グリーソン／オスカー・アイザック／ソノヤ・ミズノ

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