【アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜】
いつもの一日を大切に過ごしたくなる映画
アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 映画あらすじ
21歳になったティムは、父から驚くべきことを告げられる。彼ら一族の男性だけにタイムトラベルの能力があるというのだ。その方法は、暗闇で自分が戻りたい「過去の時」を思い浮かべ念じるだけ。未来には行けないという。そして父からは、金や名声のために能力は使うなと忠告される。半信半疑で父のいうとおりに試してみると、ティムは本当に行きたいと念じた「過去の時」に戻ることができた。父の忠告を受け、ティムはその力を自分の恋愛に使おうと考える。
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アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 映画レビュー
なんていい映画なのでしょう。『はじまりのうた（2015）』ではアダム・レヴィーン（Maroon 5）さんが歌う「ロスト・スターズ」が2度と耳から離れなくなりましたが、この映画では数々のシーンが頭から離れなくなりました。思い出すたびに心地よくて、少し泣きたくなって、また愛おしくなる……、そんな映画です。
タイムトラベルというSF的な要素が入っていますが、それは、この物語のテーマを強く印象づけるためのものだといえるでしょう。そのテーマとは、つい何気なく過ごしてしまいそうな「いつもの平凡な一日」を、家族や恋人など「愛する人と過ごす“かけがえのない”一日」だと気づくこと。
また、電車やカフェで、職場や学校で、何の気なしに交わした会話、目線、出来事が、その瞬間を輝かせていたことに気づくことです。大雨の結婚式も最高でしたね。人生いい時も悪い時もあり、そのどれもが貴重な体験だというわけです。
監督は、『ノッティングヒルの恋人（1999）』『ブリジット・ジョーンズの日記（2001,2004）』などの脚本を手がけ、『ラブ・アクチュアリー（2003）』『パイレーツ・ロック（2009）』ではメガホンもとったリチャード・カーティスさん。
ラブコメディの巨匠ともいわれるリチャード・カーティスさんは、「私は幸せを模索する普通の人々に興味がある」といいます。素晴らしい作品をつくりあげてきた人だからこそ、この自然なセリフにも重みを感じます。なおさら今作を観れば、この言葉がより一層心に響くはず。
この作品の主人公、ティムはおっちょこちょいだけど、誠実で優しい愛すべき青年です。彼の家族は一見すると平凡、その実ちょっぴり……、いや、かなり個性的。
家族と読書と卓球を愛し、密かにタイムトラベル能力を持つ父と、クールに見えて愛情深い、物事を達観している母、かなり自由奔放な妹キットカットに、常にうわの空で愛嬌たっぷりの叔父デズモンド。
そんな彼らが一緒に暮らすのは、イギリスのコーンウォールにある海に近い家です。美しい緑の奥に見える、太陽の光が燦々とふりそそぐ海辺の景色は、とてもイギリスとは思えない明るさ。舞台はこの輝く場所と、ティムが弁護士として働く曇りがちなロンドンの2箇所ですが、対照的な両者とも魅力的です。
そう思わせてしまうのは、やはりストーリーや登場人物たちが魅力的だからなのでしょう。ティムの運命の女性、メアリーを演じたレイチェル・マクアダムスさんは、今作のようにちょっと内気で、自信なさげな女性を演じるのも上手ですね。これまで観た作品のなかでは、この映画の彼女がいちばん好きかもしれません。数々の作品で大活躍しているティム役のドーナル・グリーソンさんとも相性抜群な印象です。
そして、ティムの父を演じたのは、筆者が大好きなビル・ナイさん。相変わらず、すっとぼけていてユーモアにあふれ、愛嬌もある存在感が最高でした。リチャード・カーティス作品だからというよりは、ビル・ナイさんが出演していて、SF要素があるから鑑賞した映画でしたが、期待以上に素晴らしい記憶を残してくれました。（この選択は少数派でしょうけど）
そんな映画『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜（2013）』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第です。ちなみに、バリQの査定は速さが自慢。お荷物到着後、最短で24時間以内にご連絡いたします。また、買い取り価格の高さにもご満足していただけるはず。市場価値に合わせて買い取りをしているので、新しいものはもちろん高額で、古くても市場価値があるものは、しっかりと評価させていただきます。
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ティムを少しばかり翻弄する美女シャーロットを演じるのは、こちらも大活躍のマーゴット・ロビーさん。キットカットの友人として登場しますが、本当に目を見張るほどの美女であることがよーくわかります。今回演じたのは、あまりいいキャラクターではありませんけどね。
ライター中山陽子でした。
アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜（2013）
監督 リチャード・カーティス
出演者 ドーナル・グリーソン／レイチェル・マクアダムス／ビル・ナイ／トム・ホランダー