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CINEMAバリQ

【恋する惑星】
ロマンティックでシニカルでスタイリッシュなウォン・カーウァイの世界

恋する惑星 映画あらすじ

麻薬ディーラーの女と、度重なる失恋で恋愛病に陥った青年刑事、そして、その刑事がよく立ち寄る小食店「ミッドナイト・エクスプレス」で働く若い女性と、客室乗務員の恋人に振られたばかりの警官。意外なかたちで運命を絡ませていく2組の男女が、日常を舞台に幻想的でスタイリッシュな恋愛模様を描き出す。

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恋する惑星 映画レビュー

現実世界の中に存在する、夢のような世界を描く、ウォン・カーウァイ監督による作品。ありふれた日常の景色なのに、すべてがちょっとずつ“わざと”らしい。なおかつ普通そうでいて、限りなくドラマティックな展開が淡々と語られていきます。それが、カーウァイ監督の奏でる幻想的なラブストーリーなのです。

この作品への出演で、世界中にその名を広めた金城武さん。広東語、北京語、台湾語、英語、日本語を操るという語学力を活かしながら、ちょっととぼけた失恋青年モウ(しかも恐らく重犯課の刑事)を演じています。当時は二十歳ちょっとぐらいでしょうか。まだ幼さが残る雰囲気です。

したがって、モウが麻薬ディーラーの女性と並ぶ姿は、スナックのママにまとわりつく少年のよう。でも、決して単なる無邪気な子供ではなく、見知らぬ女に「パイナップルは好きか」と聞き、靴を磨いてあげる変態……、じゃなくて、非常にやさしい男なのです。そして、せっかく磨いた靴を、わざわざ片方だけ倒して置いていく無意識のスタイリストであり、刑事のくせに宇宙レベルで勘が鈍い男でもあります。

しかし、勘の鈍さは、トニー・レオンさん演じる警官663号には勝てません。

ぬいぐるみが全く変わっていても、缶詰めの中身が変わっていても、タオルや石鹸、シーツが替えられ、金魚が増殖していても気づかない。見知らぬシャツがクローゼットにかかっていても、あ、オレこんなシャツ買ってたんだ? と、やっぱり気づかない(ただし、シャツのみ何か感じ取っていた可能性はあり)。「男って……、そういうもんでしょ」「傷心だったから仕方がない」って、いやいや、ここまでいったら脳の海馬が完全に萎縮を始めているでしょ。

まあ、いずれにせよ、金城武さん演じるモウはモウだけに猛烈にかわいらしく、トニー・レオンさん演じる警官663号は、強烈に色気を放っています。両者とも法の番人ですが、仕事よりも恋愛にかまけていています。

でも、いいんです。

これは恋愛映画なんですから。

登場人物はみな、どこか妙な連中です。やたら人の恋愛に首を突っ込む小食店の店主。恋に恋して夢を夢見るキュートなストーカー娘。勘が鈍すぎる若き失恋刑事に、やはり失恋体質のセクシー警官。ちょっぴり詰めと脇が甘いけど、最終的にはハードボイルドな麻薬ディーラーの女。大事な鍵や手紙を間接的に渡しちゃう悪女臭プンプンの客室乗務員。それから、どいつもこいつも人の手紙は当たり前のように盗み見るし、忍び込む人間もいるし、仕事もナメてるし。

キャンドルの光に染まった小食店「ミッドナイト・エクスプレス」は、とても幻想的で美しい雰囲気でしたが、いかんせん、こんな内言語がわたしの中で響いてしまいます。

「サッサと電気代払ってこいや」

――とまあ、このように不可解な連中ばかりが登場する映画ではあるものの、日常の風景を切り取って、それをスタイリッシュにコラージュする、映画界のコラ職人ウォン・カーウァイ監督は、要所要所に粋な計らいを施し、観客の心をくすぐってきます。クエンティン・タランティーノ監督が絶賛し、世界中の人々が魅了されるわけです。

恋は、理性で語ることができません。だから警官663は、ストーカー行為だって好意的に受けとめ、振った挙句に飲み物代まで払わせる悪女も許し、「デートを断る理由」が意味不明でもやさしい笑顔で返します。出会うはずのない男女が出会い、結ばれるべき男女が結ばれない。そして、運命はあっけらかんと、お茶目にいたずらしてくるわけです。

そんな、ロマンティックでシニカルな映画『恋する惑星(1994)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第です。ちなみに、バリQの査定は速さが自慢。お荷物到着後、最短で24時間以内にご連絡いたします。また、買い取り価格の高さにもご満足していただけるはず。市場価値に合わせて買い取りをしているので、新しいものはもちろん高額で、古くても市場価値があるものは、しっかりと評価させていただきます。

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ポケベルというワードが出てくると、なんだか時代を感じますね……。そうれはそうと、聞き捨てならないのはパイナップルの缶詰めの「期限」のくだりです。缶詰は賞味期限や消費期限はとても長いはず。「明日が期限の缶詰めは置かない」と規律が万全であることをコンビニの店員さんがアプローチしていましたが、では期限まで2日あればセーフなのでしょうか。どんだけ長いあいだ同じ缶詰を置きっぱなしにしているんだ。

ライター中山陽子でした。

 

恋する惑星(1994)

監督 ウォン・カーウァイ
出演者 トニー・レオン/フェイ・ウォン/ブリジット・リン/金城武

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