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CINEMAバリQ

【はじめてのおもてなし】
難民問題に揺れるドイツをやさしいコメディにしちゃったホッコリ家族映画

はじめてのおもてなし 映画あらすじ

ハートマン一家は、ドイツの裕福な4人家族。ミュンヘンの閑静な住宅地にある邸宅には、大病院の医長を務める父リヒャルトと、校長職を経験したこともある元教師の母アンゲリカが暮らす。長男のフィリップは企業弁護士として忙しい日々を送っており、1人息子と上海で暮らす日を目前に控えていた。長女のゾフィは1人暮らしをしながら心理学を学んでいる。しかし、実はこの家族、個々も、家族としての関係も問題だらけ。それぞれがあらゆる悩みを抱え、お互いを理解しようとせず、思いやることもないまま関係をギクシャクさせていた。そんななか、アンゲリカが難民を家に受け入れることを決意。やってきたのは天涯孤独な好青年ディアロだった。そこから起こる騒動が、問題だらけの家族にたまっていた「膿」を出していくことに……!?

この映画の買い取り価格→→→ 『はじめてのおもてなし

はじめてのおもてなし 映画レビュー

ドイツのユーモアが、こんなにも自分の笑いのツボにハマるとは思いませんでした。とにかく笑えるし、ジーンとくるし、バカバカしくて能天気。しかも、ちょっぴりアイロニーです。

原題は『Willkommen bei den Hartmanns(ハートマン家へようこそ)』。この映画に関しては、珍しく邦題のほうがシックリくる気がします。なんせ移民や難民の増加とともに、反イスラム団体などが拡大しているというドイツ。さすがのメルケル首相も数百人の極右活動家によるデモを受け、今月16日に、受け入れを拒否した難民において本国送還の取り組みを強化すると表明したそう。

その国の映画のタイトルが『はじめてのおもてなし』というわけです。

政治的に「移民や難民」と一括りにするのは仕方ありませんが、基本は彼らもあらゆる素質と人生を持った個々の人間。ドイツの土地や人と合う人もいれば、合わない人もいるし、いい人間もいれば、悪い人間もいるし、教育の有無は別として、知的機能が高い人も低い人もいる。受け入れる側と同じです。

また、「国の難民受け入れ」と「個人の難民受け入れ」は関係性を持っていても、前者は「国の理念」で後者は「招く行為そのもの」なので同等にするのは大間違い。心理学者のアドラー風にいえば、“すべての人間は対等である”ということです。したがって、お互いを尊重する気持ちがなければ、関係を築くことは難しいはず。

しかし、この物語は政治的な意味や風刺を意図してつくられたものではなく、純粋なコメディとのことなので、その辺は難民青年ディアロ君の人徳を思いっきり厚くして解決しちゃっています(対等どころか、張りぼて家族がディアロ君の導きに救われているという感じ)。

難民を受け入れるハートマン家はリッチで社会的地位もある一家ですが、4人ともかなり精神的に不安定です。大病院の医長を務めるリヒャルトは、老いを受け入れられず焦燥感にさいなまれているし、子供も巣立ち、仕事も引退したアンゲリカには孤独感や虚無感があります。長男のフィリップは典型的なワーカホリックで、目下1人息子を放置中。長女のゾフィはストーカー被害に遭いながら、30代になってもいまだ自分探しをしています(情熱は、育てなければ姿を見せないのだゾフィ)。

逆に、大変な経験をして天涯孤独になってしまった青年ディアロは、精神がとても安定しています。自分のありのままを受け入れており、正直で、ほとんど他者に悪意を持ちません。そして、家族は一緒に暮らし、愛する人とは連れ合い、年長者・親には敬意を払うのが当然だと信じています。

とはいえ、地球の下部マントルぐらい厚いディアロ君の人徳をもってしても、そう簡単にはハッピーエンドにたどりつけません。その部分を面白おかしく、そしてホロリとさせながら描いているのが、今作の魅力といえるでしょう。そんな、ちょっとおバカでハートウォーミングなコメディ映画『はじめてのおもてなし(2016)』は、売ってはいけない1本といえます。もちろん、ご判断は皆様次第。

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ほとんどドローンで監視しているだけのマヌケな警察も、ゆるい特殊部隊も、善人だが相当迷惑な難民支援命のオバサンも、完全にアウトなストーカーも、イラッとさせながら笑わせてくれますが、なんといっても気になるのは、家族でムシャムシャ食べていたお菓子「クグロフ」。日本だと、1ホールのケーキでさえテーブルの上に出されるのは誕生日ぐらいですが、ドイツでは3~4ホールぐらい当たり前のようです。まあ、日本のクリームたっぷりケーキとはずいぶん違いますけどね。いずれにせよ、ケーキをムシャムシャ、いいなぁ……。

なお、今作は2017年のバイエルン映画賞や、ドイツ・アカデミー賞で観客賞などを受賞しています。

ライター中山陽子でした。

 

はじめてのおもてなし(2016)

監督 サイモン・バーホーベン
出演者 センタ・バーガー/ハイナー・ラウターバッハ/フロリアン・ダービト・フィッツ/パリーナ・ロジンスキ

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