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CINEMAバリQ

【モリーズ・ゲーム】
実在したポーカー・プリンセスの才覚と、高速の掛け合いに圧倒される映画

モリーズ・ゲーム 映画あらすじ

モーグルの選手としてオリンピック出場も有望視されていたモリーは、その資格を得るための試合中に大けがをしてしまう。アスリートの道を断念せざるを得なくなったモリーは、ひょんなことからアルバイト先で、アンダーグラウンドなポーカーゲームの運営アシスタントをすることに。その間に多くのことを学び、スキルを磨いたモリーは、26歳にしてエクスクルーシブなポーカールームの開催者となる。そこに集まる人々のなかには、有名なハリウッドスターやミュージシャン、大物実業家といったセレブもいた。しかし、その後、すでにポーカールームをやめていたにもかかわらず、彼女は違法賭博の容疑でFBIに逮捕されてしまう……。

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モリーズ・ゲーム 映画レビュー

主人公のモリー・ブルームは実在の人物。彼女のビジネスセンスと知能の高さには、本当に驚かされます。この映画は、2014年に刊行されたご本人の回想録『Molly’s Game: From Hollywood’s Elite to Wall Street’s Billionaire Boys Club, My High-Stakes Adventure in the World of Underground Poker 』をもとにつくられたそうです。サブタイトル長ッ!

それを、監督も務めたアーロン・ソーキン氏が脚色。同氏は、『ソーシャル・ネットワーク(2010)』でアカデミー脚色賞を受賞し、『スティーブ・ジョブズ(2015)』でも脚本を担当したことで知られています。実在の人物を描くのが得意なのかもしれませんね。

そして、何といっても今作では『ツリー・オブ・ライフ(2011)』『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011)』『ゼロ・ダーク・サーティ(2012)』『女神の見えざる手(2016)』など、多くの作品で高い評価を受けているジェシカ・チャステインさんが、卓越した演技力を見せてくれます。声を荒げたり、極端に表情を変えたりしないのに、感情がジワジワと伝わるのです。また、暴力を受けているシーンなどは、これ本当に痛めつけられているんじゃないかと思うほど迫真の演技でした。

彼女と、イドリス・エルバさん演じる弁護士、チャーリー・ジャフィーとの挑み合うような掛け合いは、これでもかという絶妙な高速テンポで繰り広げられ、おまけに合間に繊細な表情の変化までも差し込むので、下手なサスペンスよりもハラハラドキドキします。登場人物のキャラクターというよりは、高い演技力を持つ者同士の真剣勝負、といった印象ですね。

まあ、イドリス・エルバさんにいたっては、米ピープル誌が選んだ2018年「最もセクシーな男性」になっただけあり、その色香と男前っぷりがどうも気になって仕方がなく、演技力の高さを味わう邪魔になってしまいましたが。

いずれにせよ、ポーカーは数学的かつ不完全情報のゲームだといわれています。覚えるのは簡単でも、マスターするのは難しいのだとか。少しだけでもポーカーのことを理解してから観ると、より面白いかもしれません。

【登場人物と出演者】

ジェシカ・チャステインさん演じるモリーは、とてつもなく厳格な心理学教授の父に多大な影響を受けています。コロラド大学を首席で卒業して、金メダルをとることだけではなく、ロースクールを出て会社を設立しようと考えていたそう。

ところが、 視界不良のコースに目印のため撒かれた松の枝が、彼女の人生をガラリと変えてしまったわけです。しかし、モリーは肝が据わっていて、何事にも屈しない、諦めない性格(作中ではしぶといと表現)です。そして非常に高い知能と、「何でもいいから、わたしは勝ちたい、成功したい、一番になりたい」という信念とポリシーを持っているため、しなやかで強靭です。

そんな彼女は、FBIの国策捜査で逮捕されてしまったため、不自然なほど色っぽくて男前な、イドリス・エルバさん演じるチャーリー・ジャフィーに弁護を依頼します。最初はゴシップガールでも見るような目で、彼女を軽くあしらっていたチャーリーでしたが、実際の彼女はとても倫理的で、知的な女性。自分の娘からの言葉もあったため、徐々に彼は、彼女を応援するようになりました。チャーリーが政府関係者に対して行った熱弁は、一見の価値があります。

そして、弟たちよりも格段に厳しいスパルタ教育で、モリーとの間に大きな溝をつくった父を演じたのは、やはり男前なケビン・コスナーさん。最初はゲス野郎だと思いましたが、そうでもありませんでした。ちょいゲスです。

そして、本当の(?)ゲス野郎、プレイヤーXを演じたのは実力派俳優のマイケル・セラさん。童顔で不敵にニヤケる演技が、プレイヤーXのキャラクターにマッチしていました。どうやらこの人物は、相当前に手首から蜘蛛の糸を出すスーパーヒーローを演じたあの人がモデルだという噂……。

【結論】

主人公のモデルとなったモリー・ブルームの才覚、そして、役者さんたちの演技に圧倒される映画でした。ちょっと長い上映時間ですが、出演者の卓抜な演技と、人生の重い教訓を、軽くリズミカルに伝えてくる脚本、そしてイドリス・エルバさんの色気で乗り切れるはずです。

そんな映画『モリーズ・ゲーム(2017)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第です。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さが自慢です。市場価値に合わせて買い取りをしているので、新しいものはもちろん高額で、古くても市場価値があるものは、しっかりと評価します。それに、とにかく査定スピードが速い!! お荷物到着後、最短で24時間以内に査定をご連絡します。業界最速ですよ! 

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【 あとがき】

実在の人物モリーさんのうほうは、現在、女性の活躍を支援する仕事を目指しているそうです。これからも、思いがけない場所に「小枝」は転がっているかもしれません。まあ、万が一、再びつまずいてしまっても、彼女がその強さとしぶとさと、倫理観を保っている限り、何度でも起き上がれるでしょうけどね。

ライター中山陽子でした。

 

モリーズ・ゲーム(2017)

監督 アーロン・ソーキン
出演者 ジェシカ・チャステイン/イドリス・エルバ/ケビン・コスナー/マイケル・セラ

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