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今日の1本 スカイライン−征服−(2010)gattoのレビュー

スカイライン−征服− 映画レビュー

先日行われた第87回アカデミー賞で最多受賞した作品は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『グランド・ブダペスト・ホテル』。
そして、アカデミー賞といったら忘れてはならないのがゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)である。

ご存知、アカデミー賞授賞式前日に、「最低映画」を選ぶという、ひでえ行事だ。
もちろん受賞者の出席はほとんどない。しかし、そんな授賞式だからこそ、受賞した人物の度量を測ることができる。

2005年にラジー賞を受賞したハル・ベリーは堂々と会場に現れ、以前に受賞した名誉あるオスカー像と、そのときに受賞した不名誉なラジー像を両手に持ち、まるでアカデミー賞を授与されたかのように涙まで流す演技でスピーチしたそうだ。

2009年にラジー賞を受賞したサンドラ・ブロックは、不名誉なレッテルを貼られた作品のDVDを台車に目一杯のせて登場し、「何となく、誰もこの映画をちゃんと見ていない気がするの。だって、本当にしっかりと見てくれていたら、私はここにいないはず」
(出典:映画.com  http://eiga.com/news/20100308/2/)と言い放ったそうだ。

もちろん、両者共、観客からスタンディングオベーションを受け大いに称賛された。
ちなみに、今回の第35回ゴールデンラズベリー賞受賞は、キャメロン・ディアスとマイケル・ベイ監督とのこと。

と、前置きが長くなってしまったが、今回は、多くの人に最低レッテルを貼られたけれど、【どうしても嫌いになれない映画】について書こうと思う。
それは、SFパニック映画『スカイライン−征服−』だ。

もはや気にも留めてもらえなかったのかラジー賞は逃したようだが、日本の最低映画賞「HIHOはくさいアワード」2011年では栄えある9位を獲得している。
ほんとうに笑ってしまうほど、すこぶる評判が悪い。

物語は、主人公と彼女がロサンゼルスで成功した友人を訪ねていくところから展開していく。
友人が住む高級マンションで、仕事がうまくいかない彼と、彼の子を宿し将来を案じる恋人、友人とそのパートナーの女性と、浮気相手だの取り巻き連中が入り混じった微妙に地味な乱痴気パーティが行われた夜、青白い光が人々を照らし始める。

そして…奴らが現れるのだが…
『アバター』などを手掛けたチームによる視覚効果は素晴らしく、ものすごく美しく迫力ある映像なのだが、登場人物が少なくてキャラクターにも奥行きを感じられず、シチュエーションがほぼ変わらないので閉塞感が半端ない。

そして、「あ、助かるかも!」のあとに「いや、ダメっす!助からないっす!もう無理っす」的な叩き落とし方も半端ない。
オイオイ、叩き落として終わりかよと思いながら、迫力と閉塞感がある映像を見せられている脳が混乱しているうちに、「まさかっ!」な展開で平手打ちを食らう。

最後のシーンでは、「そんなんありかっ」と驚愕したひと9割ではないだろうか。
私は大笑いしたが。

基本的なストーリーは、エイリアンによる地球征服。
エイリアンの仕事が早くて3日間でほとんどの人間が謎の飛行物体に吸引されてしまうのだが、途中、もちろん、パニック状態の人間心理なるもの、勇気と信頼、愛などが散りばめられている。
微妙な感情移入ながら、主人公カップルは何とか無事にという心情を持った映画鑑賞者までも、結局、なんだか未確認飛行物体に吸引されてしまうのがこの映画だ。

まあ、しかし、不思議なことに方々から駄作呼ばわりされているのに、何故か、私のように結構好きかも発言をする人が存在する。
その理由は、多分、「そんなアホな」的エイリアン描写のなかに、「屈しない愛のチカラ」が見える映画であるからかもしれない。

奇しくも、その「屈しない愛のチカラ」が見えたのは、私が大爆笑したラストシーン。
「これって、もしかして続編アリかよ!」と指を差して笑ってしまったが、頭のどこかで大好きなSF映画『第9地区』を思い出してしまった次第である。

時々、ちょっぴりホラーっぽいかも。
是非ご賞味あれ。

映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。

スカイライン−征服−

監督: グレッグ・ストラウス, コリン・ストラウス
出演: エリック・バルフォー, スコッティ・トンプソン, ブリタニー・ダニエル, デヴィッド・ザヤス, ドナルド・フェイソン

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