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今日の1本 ランド・オブ・ザ・デッド(2005)gattoのレビュー

ランド・オブ・ザ・デッド 映画レビュー

ゾンビ好きもあるが、最近アメリカのドラマ「メンタリスト」にハマっていることもあり、すっかりファンになった主役のサイモン・ベイカー目当てで「ランド・オブ・ザ・デッド」鑑賞。

実は2005年当時、それほどゾンビ映画には興味がなく、サイモン・ベイカーにおいては名前も知らなかった。
もちろん、ゾンビ映画に興味がなければその路線の巨匠である「ジョージ・A・ロメロ」も知らないといった始末。
ちなみに、何故、今になってゾンビ映画に興味がわいたというと、その理由は多々ある。

もともと、タランティーノやロバート・ロドリゲスの世界観が好きなので、彼らが描くホラーテイストが染みついたため。
サイモン・ペグのファンになって映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」を知りジョージ・A・ロメロ監督に辿り着いたから(普通は逆だが)。
女優のミラ・ジョヴォヴィッチ好きが高じて「バイオハザード」を全て鑑賞しているから。

また、ライターとしてさまざまな記事を書く際、ホラー映画でのアドレナリン分泌による脂肪燃焼効果や、“恐怖の処理”と“快感の処理”をする脳の神経系が重複しているということや、ホラー映画を観ても脳の前頭葉皮質が「これは映画でしかない」ということを教えてくれるといった脳の機能を知り、興味がムクムクと湧いたのである。

まあ、御託はこのへんにして…この映画は、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督・脚本の、進化したゾンビを描いた作品だ。
何が進化かというと…通常ゾンビは、人間だった存在が死に、ゾンビへと生まれ変わった時点で「人間に噛みつき繁殖させる」本能だけで活動する。
まあ動きが早いとか、のろのろ動くとか、そういった違いはあるが、大まかに捉えるとそういうことだろう。

しかし、この映画で描かれるゾンビは、あるときから人間的な思考を持ち始めたり、学習することを知るのだ。
ゾンビが蔓延した世界では、金と権力を持つやつらが安全な場所にいすわり、金のない人間は危険を冒してゾンビがいる街に繰り出し食料や資源を調達する。
優雅に暮らす、お金持ちにつかわれる身ならば「やってらんねーよバカヤロー」と思うのも無理もない。
しかし、その気持ちがゾンビへの傍若無人な行動となっていく。

そんななか、まるで人間のような動作をしていた一人のゾンビが「怒り」という感情を持ち、「復讐」へと行動を駆り立てる。
その感情を持った先駆者がリーダーとなり、次第に“今までは思考を持たないゾンビには通用していたこと”が、徐々に通用しなくなっていくのだ。
そうなると、安全神話はいとも簡単に崩壊する。
その状況に陥る過程で、良心を持つ人間、野心を持つ人間、私利私欲な人間の思惑が交差し、化学反応を起こし始める。果して結末は…。

金髪巻き毛にタレ目がかわいい主役のサイモン・ベイカーはメンタリストのようにひねりの効いた役柄ではなく、限りなくシンプルにいい人だ。
悪玉親分も、グッとくるオヤジもハマる我らがデニス・ホッパーおじさんは、富裕層の強欲なトップ役。
また、野心を持ちながらグッとくる男は(何故か軍人やスワット隊のイメージが強い気がする)ジョン・レグイザモ。

そして、特筆すべきは女優と監督という肩書を持つアーシア・アルジェントだ。
彼女の父親はイタリアの著名なホラー映画監督なのだという。
そのため、彼女は小さい頃からホラー映画を撮影している現場の空気感を知っているそうだ。
SMの女王っぽい衣装がやたらめったら似合い、格闘シーンがやけにハマっている。

そして、ロバート・ジョイ演じるチャーリーが健気過ぎて、「頼むから彼は最後まで生かしてくれ」と願ってしまう人も少なくないだろう。
しかし、実年齢が意外に高いことを知ると「単に特殊メイクだけじゃなく本当に歳食っていたのかッ」と気付かされる映画なのである。
是非ご賞味あれ。

映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。

ランド・オブ・ザ・デッド

監督: ジョージ・A・ロメロ
出演: サイモン・ベイカー, デニス・ホッパー, アーシア・アルジェント, ロバート・ジョイ, ジョン・レグイザモ

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