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CINEMAバリQ

今日の1本 アナと雪の女王 (2014) 岸豊のレビュー


 
ディズニーの長編アニメーションで52作目に当たる『アナと雪の女王』は、鮮やかなCGで展開するキャッチーなミュージカルと、劇中に登場するフレーズ「レリゴー!」が一大ブームを起こすなど、2014年ダントツの大ヒットを飛ばした。その親しみやすさの一方で、アイデンティティに葛藤するヒロインの姿を、ディズニーの伝統とは異なる極めてリベラルな姿勢で描き出した作品としても興味深い。
 

 
本作を読み解くキーワードに、2という数字が挙げられる。監督の数に加えて、ヒロインの数、そしてキーとなる男性キャラも2人だ。本作の監督はクリス・バックとジェニファー・リーが務めた。ジェニファー・リーは、ディズニーの長編アニメーションで初の女性(共同)監督であり、1937年以来、全ての作品を男性監督が勤めてきたディズニー・アニメ史における歴史的な出来事でもある。また、ジェニファー・リーは『美女と野獣』(91)のリンダ・ウールヴァートン以来、初めて大部分の脚本を執筆した女性でもあり、ディズニーにおける男性優位の保守的な思想が目立つ企業に大きな変化が現れていることを感じさせる。
 
2人のヒロインというのも、ディズニー史上初の試みとなったが、全く逆の姉妹を描くことでそれぞれの魅力をコントラストとして際立たせている。エルサは幼い頃のトラウマから自身の能力をコントロールできなくなり、狭い部屋に身を隠して生きてきた。対してアナは、明るく奔放な親しみやすい現代の女の子の通じる性格を持っている一方で、王家という身分から自由に生きることができない不自由さに悩んでいる。「外の世界を見てみたい」「素敵な誰かと恋したい」そんな等身大の悩みを持つ2人のヒロインには、多くの女性が共感できるだろう。
 

 
本作はあくまでもエルサとアナが物語の主体であり、物語において男性キャラクターが決定的な役割を果たさない引き立て役にとどまっていることも意味深い。エルサは自身の能力のコントロール、アナはハンスという男性の裏切りを、互いに力を合わせて乗り越える。今までのディズニー作品の多くは、勇敢な男性キャラにヒロインが救われる、というお決まりの予定調和で完結してしまいがちだったのだが、女性を主体として描く本作は、主体性溢れる女性キャラの活躍、という全く異なる世界を見せてくれた。しかもエルサは特定の男性キャラとの恋愛を経験せず、自身のアイデンティティの解放のみが描かれるのも、従来のお決まりなディズニーの作風を、いい意味で裏切った快作となった。
 
 
アナと雪の女王
出演: クリステン・ベル, イディナ・メンゼル, ジョシュ・ギャッド, ジョナサン・グロフ, サンティノ・フォンタナ
監督: クリス・バック, ジェニファー・リー
 

 
 
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