今日の1本 ブラックレイン(1989) DRQのレビュー
ブラックレイン(1989) DRQのレビュー
大スターがまた一人、星になりました。高倉健さん。享年83歳。
健さん出演した映画は200本以上。
若い頃は「網走番外地」など、仁侠映画に数多く出演、その後、歳を重ねるにつれて、「鉄道員」や遺作となった「あなたへ」などで円熟味のある演技で魅せてくれました。
「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」
無骨で不器用の中に優しさを忍ばせる、まさに男の生き様そのものだったと思います。
さて、そんな健さんの数多い出演作の中でも異色と呼べる作品がひとつ。
ハリウッド初進出となる作品にして、故・松田優作の遺作でもあるのが「ブラック・レイン」。
松田優作はこの頃、膀胱ガンの侵されていましたが、周囲にはそれを隠して撮影を続けていました。
そんな松田優作は語ります。
「高倉健さんって、ありがたいよね。健さんが道をつけてくれたから、日本人の俳優というだけで尊敬される」と。
この作品は、偽札の原版をめぐる大阪のヤクザ同士の抗争に、ニューヨークの刑事役であるマイケル・ダグラスとアンディ・ガルシアが巻き込まれるというお話。
健さんは、英語を話せるという理由で彼らの世話役を任される大阪府警の刑事・松本役です。
彼は真面目を絵に書いたような性格で、二人のあまりにアメリカンナイズでハチャメチャなやり方に、当初、戸惑いを隠せませんでした。
しかしあるキッカケで、自分の殻を破って組織の規範を超えた捜査を始めます。
そして生まれる堅い信頼関係。感動のラストへと繋がります。
マイケル・ダグラスは、撮影の合間に健さんがファンに囲まれる姿を見て、「ファンにあんなに尊敬される姿を見られるのは、アメリカではブルース・スプリングスティーンの時以来だ!」と語っていました。
役者としても人間としても高倉健であったというエピソードです。
健さんは「昭和のスター」として語られる役者でありましたが、いま若い人にこそ彼の作品に触れてほしいと思います。
ご冥福をお祈りします。
ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション
[Blu-ray]
監督: リドリー・スコット
出演: マイケル・ダグラス, アンディ・ガルシア, 高倉健, 松田優作
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