フォーガットン/映画あらすじ・レビュー(アリスのままでのジュリアン・ムーアが諦めない母親を熱演)
フォーガットン あらすじ
最愛の息子を亡くし、自分の未来までも失いかけている一人の女性。
彼女は夫や精神科医の助けをかりながら、その現実と向き合おうとしていた。
しかし、ある日から、息子の存在を示すものが消えていくことに気付く。
しかも、それは、物だけではなく人の記憶にまで及んでいた。
誰も信じられない孤独と恐怖のなかで、息子への愛を貫く母親の強さ、そして隠された真実に驚愕するSFサスペンス映画。
フォーガットン レビュー
公開当時、飛行機のなかで英語字幕しかない環境で、かの有名な「ビューーーン」シーンのみ観ていたことで、ずっと気になっていた作品。
しかも、あの「スカイライン-征服-(2010)」よりも評価が低いと知り、ますます私の鑑賞意欲を掻き立てた映画「フォーガットン」。
たまたま見つけて、やっと観ることが叶った。
鑑賞した結果、個人的には全く嫌いじゃないということが判明した。
評価されなかった映画への愛が深いせいもあるが、思った通りの感想だ。
酷評は、良し悪しのふり幅が大きすぎてあらわれる場合がある。
もちろん、ダメ評価が圧倒的に多いのは事実だが(笑)。
実は個人的に、救いのない物語は悲し過ぎて好きじゃない。
気持ちを陰鬱にすることなんぞリアルな人生で山ほどあるからだ。
温かみのある悲しい映画ならまだいいが、時に立ち直れないほどになる映画も多数存在する。
いずれにせよ、この「フォーガットン」は陰鬱な気持ちでは終わらせない。
ある意味、特別な人間が世界を救う物語と言える。
しかしながら、その“特別な人間”とは、スーパーマンでも超能力者でもない。
子を愛する普通の母親である。しかも、たまたま特別になっただけだ。
物語の前半は、どんどん孤立していく母親を描きサスペンス要素を深めていく。
もしも、自分が信じていたことを周囲の人間全てに否定されたら、それほど苦しいことはない。
あったものを無かったと言われたり、あなたは頭がおかしいと言われたら?正気を失うことは目に見えている。
「フライトプラン」と比較する人も少なくはないが、この概要だけを見ると古い映画「ガス燈」を思い出させる。
君は精神的におかしいのだと追い込まれていく美しい女性を、イングリット・バーグマンが演じていた。
しかし、この映画「フォーガットン」でジュリアン・ムーアが演じる女性は、「フライトプラン」でジョディ・フォスターが演じたタフな女性とも違い、「ガス燈」でイングリット・バーグマンが演じた弱々しい女性とも違う。
女性らしく“か弱い”が、心の奥底の大切なものが鋼鉄のように守られている。
つまり、その部分が最強で特別なのだ。
物語の後半になると、徐々に、この映画の核心が見え始める。
きっと、その部分がサスペンスを期待していた人々の逆鱗に触れ、評価を落としたのだろう。
私は既に飛行機のなかで「ビューーーン」を見ていたので、そのへんを承知して鑑賞したから、なおさら「そんなに酷評するほどでもないのに…」と感じた。
もちろん…
そんなすごい力を持っていながら、壁紙を貼っただけという偽装のアナログっぷりに驚愕したりもした。
しかも、思いっ切りそれが剥がれかけているって、どんだけお前ら“ずさん”なんだと突っ込みたい気持ちもある。
しかもっ、勝手に泊まって勝手に人んちの壁紙ガンガンはがして、勝手に朝食つくってる女ってどうよ。
まあ、子探しに必死なので、それは大目に見よう。
自分のお腹に命を宿し、その生命に触れた母の強さには映画でも現実でも感服するのみだ。
自分が同じ立場になって、周り全ての人に、愛する自分の家族が存在しないと言われたらどうなるだろうか。
精神状態を正常に保つのは至難の業になりそうだ。
そんなこともあり、この作品は、ごく普通でありながら子への愛が最強である母が、我が子を救うついでに地球を救ってしまう映画である。
酷評にもへこたれない人は、是非ご賞味あれ。
演技は、「ブギーナイツ」でアカデミー助演女優賞、「アリスのままで」ではアカデミー賞主演女優賞に輝いたジュリアン・ムーアが母親テリーを演じていることもあり、安心してご覧いただけるはずだ。
また、アメリカのドラマ「メンタリスト」のチョウ捜査官ファンには、少しだけ嬉しい特典ありなのでお楽しみに。
(めっちゃ短い出演時間ですけどね)
映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。
フォーガットン
監督 ジョセフ・ルーベン
出演 ジュリアン・ムーア/ドミニク・ウェスト/ゲイリー・シニーズ/アルフレ・ウッダード
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