オーロラの彼方へ/映画あらすじ・レビュー(アウトランダーのジム・カヴィーゼル&vegasのデニス・クエイド出演)
オーロラの彼方へ あらすじ
1969年のニューヨーク。
怖いもの知らずの消防士フランク・サリバンは、相変わらず危険を顧みず消防活動に身を投じている。
その一方で、彼はこよなく妻と息子を愛する良き家庭人。幸せな毎日を送っていた。
そして、もう一方の1999年ニューヨーク。
婚約者との溝が深まり気分がふさいでいた若き刑事は、懐かしい父のアマチュア無線機を発見し、在りし日の父に思いをはせていた。
いずれの時代にも、空には神秘的なオーロラが姿をあらわしている。
その神秘的な力が引き起こす奇跡を、もうじき彼らは目の当たりにするが、奇跡と同時に悲劇までも生むことを悟ってしまう…。
時代を越えて愛する人を守るため男たちが奔走する、SFファンタジー・サスペンス映画。
オーロラの彼方へ レビュー
本当に大好きな映画なので何度観たのかわからない。
しかし、また観てしまった。
まさかの結末を知っているくせに、毎度毎度、アホみたいに感動してしまうのだ。
「オーロラの彼方へ」は、親子愛、夫婦愛、友情、人と人との繋がりといった、愛や絆や情が、あふれるほど詰まった作品である。
出演は、「パッション」「アウトランダー」のジム・カヴィーゼルと、「デイ・アフター・トゥモロー」「バンテージ・ポイント」「vegas(TVドラマ)」のデニス・クエイド。
物語の半分は、60年代の昔懐かしいアメリカが描かれていることもあり、ある意味ここまでなら「ALWAYS 三丁目の夕日」アメリカ版といったところ。
しかし、それだけではないから面白い。
人情味あふれるストーリーのなかに、ファンタジーと異常犯罪サスペンスが“みっちり”組み込まれているのだ。
「クリミナルマインド」「LAW & ORDER:クリミナルインテント」「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」「メンタリスト」「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」というアメリカドラマの犯罪ものを観て仕事の疲れを癒している私にとって、これは号泣ものの特典だ。
夫は「よくそんな犯罪ドラマを見て癒されるな」と不思議そうだが、犯罪者たちの思惑や動機、秘密など、事件の輪郭やディテールまでもが徐々に明らかになって迎えるラストシーンが、やたらクールだったり、温かく情にあふれていたり…というのが、たまらないのだ。
「オーロラの彼方へ」は、ハラハラ、ドキドキさせながら、最終的にとてつもなく温かいラストシーンを迎える方のタイプだ。
この作品をまた久々に観たくなったのは、「パンドラム(2009)」を鑑賞しデニス・クエイドを目にしたから。
実は、この俳優さんには思い入れがある。
1987年に公開された映画「インナースペース」でデニス・クエイドと共演していたメグ・ライアンが非常にキュートで、2人がとてもお似合いだったので、後に彼らが実生活でも結婚したと知り嬉しかった。
しかし、やがて彼が麻薬中毒になりボロボロになっていくのだが、それを必死にメグ・ライアンが支えているという話を時折聞いては、悲しいけれど、やはり素敵なカップルだと思っていた。
そんななか、この「オーロラの彼方へ」を観たとき、あくまでも私の目には、デニス・クエイドという俳優さんの濁りなきクリーンな大復活に見えたのだ。
ところが皮肉なことに、この翌年、私の好きだったカップルは別々の道を歩むことになってしまった。
しかも、それから天使のようにキュートだったメグ・ライアンが、どんどん辛い状況に邁進してしまったのである。
まあ、そんな思い入れがある俳優さんと作品というだけではなく、この物語は本当に面白い。
もちろん、ファンタジー色もあるので“そんなアホな”という突っ込みどころもたくさんあるし、「甘すぎる設定」も多い。
クライマックスではハラハラドキドキして、アドレナリンが激しく沸き立つが、疑問点も浮上する。
「なんで犯人が死んだのか逃げたのかわからない状況で、調書もとらず、警察も関係した人間も、みーんな“とりあえず”それぞれの場所に帰っちゃうわけ?」という疑問点。
が!しかし!
みんなには“とりあえず”帰ってもらわないと、あの感動のクライマックスは生まれないのである。
いいんだ、いいんだ、“とりあえず”みんな帰っちゃおう!帰れ、帰れ。
そして、この作品の良いところは、俳優さんが役柄にピッタリはまっていて、どのキャラクターも魅力的だったということではないだろうか。
良き夫で良き父である野球が大好きな消防士(デニス・クエイド)、エレガントで母性が強く美しい看護師である妻(エリザベス・ミッチェル)、両親を愛し友人や昔からの絆を大切にする若き刑事(ジム・カヴィーゼル)、小さい頃からそばにいて、いつでも温かく親身になってくれるベテラン刑事(アンドレ・ブラウアー)、愛嬌のある幼なじみ(ノア・エメリッヒ)。
犯人役の役者さん(ショーン・ドイル)も、いい具合に不気味さを漂わせてストーリーを盛り上げている。
公開は2000年なので、だいたい「マトリックス」公開のあたり。
ちょうどCG加工技術が目を見張るほどの進歩を遂げた時期と言えるだろうか。
もちろん、今はその技術活用が蔓延し過ぎて、時折「CG加工一切無し!」がアクションの売り文句になっているが、この映画のなかで活用されるCG表現は非常に効果的だ。
なお、この映画はテレビドラマ化も計画されているらしい。
過去と未来の演出を今ならどう表現するのかということ、そして、映画はキャンスティングが素晴らしかったので、ドラマのキャンスティングにも注目したい。
オーロラが空をおおいつくす夜、失ってしまった最愛の人と、時を越えて会話することができたら…?
ハラハラ・ドキドキ・くっそう泣かせるじゃねえか!を味わいたくなったら、是非ご賞味あれ。
映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。
オーロラの彼方へ
監督 グレゴリー・ホブリット
出演 デニス・クエイド,ジム・カヴィーゼル,ショーン・ドイル,エリザベス・ミッチェル
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