ゾンビランド/映画あらすじ・レビュー(タラハシーのトゥインキー愛が止まらない)
ゾンビランド あらすじ
胃腸が弱くて引きこもりの臆病な青年コロンバスは、その性格と体質のお蔭で、ゾンビが蔓延する世界のなかで生き残り続けていた。
そんな青年が里帰りの途中で出会ったのは彼とは真逆の、ゾンビを憎悪する超タフガイのタラハシー。
そんな2人は微妙な距離感を保ちながらも、次第に友情を深めていく。
やがて彼らを翻弄する美人姉妹も加わり、ありえねーゾンビストーリーが炸裂するホラー・コメディ。
ゾンビランド レビュー
ゾンビ映画というよりは、1人の愛すべきオタク青年が成長していくさまを描いた青春ロードムービー的な印象が強いこの物語。
もちろん「え?青春映画なの?」と女子会なんぞで洒落たツマミとシャンパン片手に鑑賞しようものなら、すぐにグロテスクなゾンビ描写を目にして、口に入れたもん全部、鼻から吹き出す羽目になるので注意が必要だ。
この映画、北米での興行成績はあの「ドーン・オブ・ザ・デッド」を超えたのだとか。
その理由はゾンビ映画らしからぬ“明るさ”と“清々しさ”であることは明確。
いやっ、しかしっ!清々しいとは言っても、ふなっしーの梨汁ならぬ、血がブッシュ―!内臓べローン、脳がドッカーンであることを忘れてはならない。
そして、物語全編に渡って「ルール」というものが紹介される。
これは、ゾンビランドを生き抜くために気弱な青年が自らに課したルールだが、それは意外にも、ゾンビのいる世界のみならず、せちがらい人生を生き抜くうえでも通ずる名ルールだ。
また、朝目覚めれば犯罪ニュースが流れている昨今においては、日々の危機管理としても役に立つだろう。
深読みすれば、この映画で描かれるゾンビというのは“人間の内なる醜悪なもの”かもしれない。
ちなみに、ルールの20番目は、「人を見たらゾンビだと思え」だ(笑)。
ちなみに、全ルールは32項目ある。
そして、どうしても、この映画のレビューを書くにあたり、避けて通れないものがある。
それは、アメリカでは誰もが知っているお菓子「トゥインキー」。
「想像を絶する恐怖を感じるほどの甘さ」とか、「添加物が殺人的に入っている為、善悪の判断能力まで奪う」とか、「保存料がぶっちぎりで入っているので腐らない」といった都市伝説的なものや、「日本では販売されていない」といった背景があるホステス社の「トゥインキー」というお菓子を、この映画のなかでウディ・ハレルソン演じるタフガイ、タラハシーが、とにかく愛してやまないのだ。
どんなにゾンビがウジャウジャ居て危険でも、「トゥインキー」がありそうな場所には迷わず飛び込む。
彼は、「トゥインキー」が食べたくて食べたくて食べたくて、仕方ないのである。
そんなわけで、この映画を観ると、超健康オタクの私ですら、激甘添加物爆弾菓子「トゥインキー」を食してみたくなるのだ。
あー食べたい「トゥインキー」。
ちなみに、この「トゥインキー」は映画「ダイハード」でお馴染みのパウエル巡査も美味しそうにモグモグ食べていたはず。
そんなわけで、ウディ・ハレルソン演じるタフガイ、タラハシーのトゥインキー愛が深すぎて、私のように映画鑑賞後「トゥインキー食べたい病」になる人は少なくないようだ。
あぁ食べたい。
ともあれ、実はこの映画、私のなかでは密かに「キックアス」のゾンビ映画版という位置づけをしている。
もちろん、「キックアス」は私にとって殿堂入り映画なので、大変恐縮ながら同じ棚には置けないが(笑)、かなり面白いしタラハシーのキャラクターも好みだ。
続編ができたら、すかさず観るだろう。
タフガイ役を演じているのが「ナチュラル・ボーン・キラーズ」、「ラリー・フリント」のウディ・ハレルソン、気弱な青年役は「ソーシャル・ネットワーク」「グランド・イリュージョン」のジェシー・アイゼンバーグ、美人姉妹の生意気なチビっ子役は「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン、小悪魔的な魅力満載の姉役は「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのエマ・ストーンと、なかなか豪華な面々。
女性経験のない青年と小悪魔女子との関係、姉以外の他人を信じることを知らない少女が、過去に大切なものを失いゾンビハンターとなったタフなオッサンと心を通わせていく様子も、爽やかさと温かさをジンワリにじませて描いている。
おまけに、ビル・マーレイが微妙に笑わせてくれるので、「ゴーストバスターズ」ファンにも嬉しい作品だ。
個人的には、驚愕の変貌をとげた美しい隣人役アンバー・ハードの怪演に、かなり大爆笑だったかもしれない。
是非ご賞味あれ。
映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。
ゾンビランド(2009)
監督 ルーベン・フライシャー
出演 ウディ・ハレルソン/ジェシー・アイゼンバーグ/アビゲイル・ブレスリン/エマ・ストーン
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