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エンド・オブ・ザ・ワールド/映画あらすじ・レビュー(ホーキング博士が語る地球滅亡を違う視点で考える映画) 

エンド・オブ・ザ・ワールド あらすじ

免れられない小惑星の衝突で、地球が滅亡するという事実が全人類に通告されると、その日まで悔いのない人生を送ろうと人々は迷走しはじめる。
乱痴気騒ぎをするもの、暴徒となるもの、静かに過ごすものがいるなか、こんな状況で妻に見捨てられた保険サラリーマンのドッジは、普段と変わらず会社に出向き、ただただ無気力に地球滅亡を受け止めていた。

そんなある日、ドッジの隣人女性ペニーが、両親のもとへ行く飛行機に乗り遅れ悲しんでいる姿を目撃するが、それである事実を知り2人は旅を始めることになる。

エンド・オブ・ザ・ワールド レビュー

最近、 現代宇宙論の第一人者ともいわれる、イギリスの天才理論物理学者スティーブン・ホーキング博士の言葉が話題になっている。
まるで映画の話のようだが、実際に地球外生命体の探索に取り組むホーキング博士は、「地球外生命体が人類を滅亡させる可能性があるため関わりを持たない方が良い」「コロンブスの米大陸上陸時のように先住民(地球人)をよく知らない侵略者(エイリアン)が大虐殺をする可能性がある」というようなことを伝えているのだ。

この話を聞いたとき、真っ先に思い出したのは「マーズ・アタック(1996)」。
地球にやってきた火星人を、和平のため盛大なセレモニーで出迎えた人間が、あっけなくガンガン抹殺されるというティム・バートン監督のシニカルなSFコメディ映画だ。
そして、安保法案についても宇宙規模で考えてみたりした。

また、博士は「完全なAI(人工知能)の開発は人類に終わりをもたらすかもしれない。
ゆっくりした進化しかできない人間に勝ち目はない」とも語っている。

この博士の言葉で連想するのは、もちろん映画「ターミネーター」シリーズで人類を滅亡に導いたスカイネットだ。
人は人工知能がやがて脅威になることを、ずいぶん昔から映画化するほど容易に予測しているのに、何故それを開発し続けるのだろう。
また、博士は「災害が地球を破壊する危険性が高まっており、人類の生存は、宇宙に新たな家(星)を探す能力にかかっている」と語っているそうだ。

これは、まさに「エリジウム(2013)」や「パンドラム(2009)」ではないか。
しかし、この話は、映画上の話ではなく天才と呼ばれるスティーブン・ホーキング博士の言葉によるものなのだ。
それゆえに、真実味を帯びていてゾッとする。

もしも、地球の滅亡が近づいたら…?
できなかったことをするだろうか。
ただただ、快楽だけを求めるだろうか。それとも闇雲に暴れるだろうか。
きっと自分は、大切な人と静かに過ごしながら、食べ物だけはダイエットも生活習慣病も気にせず大好物をガンガン食べるという暴挙にでるかもしれない(笑)。

この映画「エンド・オブ・ザ・ワールド」のドッジとペニーは、ある女性を探す旅を選んだ。
ドッジは情熱を過去においてきたお人好しのクソ真面目人間。
しかし、その無気力っぷりは、過去に母と自分を置いて出て行っていった父親への失望が一つの要因でもある。

失望という名の絶望を恐れ多くのことに期待せず生きて、情熱よりも”事なかれ”な道を選んでしまうのだ。
おまけに、小惑星で地球が滅亡すると知った途端、彼の妻は(ほんとうに)猛ダッシュで彼のもとを去っていったのだから、もう無気力に歯止めは効かない。
しかし、そんな彼にも大切にしていた「過去の恋」があり、そして、意外にも、そのつながりが消えていないことを知ったのである。

成り行きでドッジの高校時代の恋人探しに付き合うことになった隣人ペニーは、ドッジとは全く逆の自由奔放な女性。
無表情なドッジとは違い、喜怒哀楽を迷わず表現するし、性にも開放的だ。
しかし、優しい心根を持つ女性でもある。

2人は旅の途中、さまざまな人々に出会う。
この世の終わりに大騒ぎしている人々、殺し屋に狙われているという男、すぐ牢屋に入れたがる警官、デキ過ぎなセリフもハマるムキムキなペニーの元カレや、仲間の軍人たち。
そして…ある人物だ。

この物語は、地球の滅亡というストーリーが根底にあり、そこで浮き彫りにされる人間の本能と「想い」を描いている。
スペースファンタジー的な要素はまったくないし、パニック要素もない。
ハートフルなロードムービーで、ヒューマンドラマで、ラブストーリーだ。
静かに動く感情が、爽やかで清々しく、そして温かい空気を運んでくれる。

地球最後の日、彼らの気持ちに後悔はなかっただろう。
この映画は、もしも地球最後の日が訪れたら、大切な人への想いを伝えないほど愚かなことはないと暗示しているかもしれない。

ドッジを演じるのは、「フォックスキャッチャー(2014)」で鬼気迫る演技を披露したスティーヴ・カレル。
この役者さんが紹介されるとき、よく「40歳の童貞男 (2005)」のスティーヴ・カレルと紹介されるのだが(笑)、個人的には、そこまで下ネタ色が強くないベタなギャグ映画「ゲット スマート (2008)」の方が、彼の魅力を存分に引き出している気がする。

ペニーを演じるのは、非常に美しいが細すぎて時々心配になるキーラ・ナイトレイ。
歴史物も、ハートフルな物語も、サスペンスも、アドベンチャー的なものもOKというマルチな女優さん。
この映画で彼女が演じるペニーは、ちょっとおバカなようで賢くて、パ二くるくせに、いざというとき動じない!?魅力的な女性である。

世の中が大騒ぎしているなか、ただただ忠実にニュースを伝え続けたキャスターの言葉が、またなんとも人間味が溢れていた。
あんな素晴らしいキャスターがいたら、そのチャンネルを絶対観続けるだろう。
地球が滅亡してしまったら無理なのだが…。

もしも、地球最後の日が近づいたら、どう過ごしますか?
映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。
(可愛すぎるワンコもお見逃しなく)

エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)

監督 ローリーン・スカファリア
出演 スティーヴ・カレル/キーラ・ナイトレイ/アダム・ブロディ/マーティン・シーン

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