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ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定>/映画あらすじ・レビュー(オーウェン・ウィルソン好演のファレリー兄弟作品)

ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定> あらすじ

ごく平凡だが幸せな家庭があるにもかかわらず、街を歩けばセクシーな女性に目を奪われ、エッチなことばかり考えている中年男リックとフレッド。
呆れ果てていた妻たちは、「心理的な効果がある」と友人に勧められ、夫たちに「一週間限定の独身許可証」を与える。

最初は喜び勇んだ男たちだったが、何をどうしてもうまくいかない。
そしてとうとう2人のもとにトラブルが束になってやってくる。

ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定> レビュー

この邦題の印象から「ハングオーバー」既婚者版を想像しながら鑑賞。
しかしながら、思いがけずジンワリくる場面もある映画だった。

「結婚なんかしない方がいい、結婚生活がうまくいっている人なんて見たことがない」という若者の言葉を聞いたことがある。
その若者の周囲にどれだけの既婚者がいて、どれだけの統計をとって、そのような結論に達したのかわからない。
いずれにせよ、メディアなどから得る情報も大いにあるのだろう。いわゆる耳年増というやつだ。
何にしても、最近はネット上でまことしやかに恋愛・結婚への指南がバラまかれ過ぎている。

あらゆるカップルたちをつないでいる心の架け橋は、常に揺れ動き、時とともに“歪み”も“汚れ”も“不安定さ”も生じる。
ついには橋が壊れ「別れ」という結果を招くことがあるが、ボロボロの橋をお互いメンテナンスしながら、屈強な橋にすることだって可能なのだ。
それは、性にムラムラして熱に浮かされた色恋ではなく、絆で結ばれた愛情というものだ。
だからと言って、男の本能に歯止めをかけられるものではない(笑)

この映画の男たちは、妻に飽きたわけでも他に好きな女がいるわけでもない。
肝心な妻は忙しく子育てに翻弄され疲れている。それゆえに、フェロモンを発する女に下半身を引っ張られてしまうのだ。

そんな彼らの妻たちは、ある友人から「リアクタンス理論」について聞かされる。
「そんなことしちゃダメ!と言われたら、余計したくなる」というやつだ。

もちろん、その逆は「何でもやっていいよ、と言われるとやる気がなくなる」というもの。
やがて妻たちは、自分の夫に「独身許可証(ホール・パス/造語)」を告知する。
ある期間は独身者として、女とイチャつくなり何でもして良いよ、ということである。

この映画の見どころは夫婦の愛の再確認だが、「メリーに首ったけ(1998)」のファレリー兄弟監督なので、お下劣な下ネタ満載のコメディを楽しむ映画でもある。
ただ、それが災いして、アメリカではヒットしたにもかかわらず、日本ではDVDスルー(劇場公開されずDVDのみ発売)である。

まあ、個人的には、車中で中年男がマスターベーションしているのを警官が懐中電灯で照らし大爆笑しているシーンは笑えたが、野外の脱糞においては「このシーンは必要なのか」と一瞬冷静になってしまった。

そういえば、すぐに女の子とモフモフしたがるクマさんの映画「TED(2012)」でも、室内脱糞を発見し大騒ぎするシーンがあった。
その部分では笑いながらも引いたが、終盤「屁で爆死」に腹を抱えて大爆笑したので、自分の笑いのツボも何ら大差ないことは伝えておこう。

だが、自分の夫がこの映画のようなエロ醜態をご近所さんや友人に晒したら、恥ずかしくてとても同じ場所には住めない。
国外脱出するかもしれない。しかも、ジェイソン・サダイキス演じるフレッドが、お下劣でおバカというよりも、デリカシーが無さ過ぎるのだ。

もちろん、そんな前振りをしておいて、最後にはグッとくる展開になっている。
それにシニカルな要素も含んでいるので、夫婦というもののリアル感があるかもしれない。

限りなく身近な存在で、それゆえに視界からはみ出ていた妻は、思いのほか他の男にとってはホットな女だったのである。
上品でかわいらしい雰囲気を持つリックの妻マギー(演じるのはジェナ・フィッシャー)は、お下劣コメディ畑の“一輪の可憐な花”といったところだろう。

また、リックが小うるさい男を等身大で意思のある言葉でやりこめたり、金髪セクシー美女に妻の話をするシーンはとても良かった。
ホール・パス期間の日々をカウントする際、いちいち黒に白地で“トントン”と音を立て、アメリカの非常にシリアスな刑事・法廷ドラマ「ロー&オーダー」風にしているのが笑える。
是非ご賞味あれ。

映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。

ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定>(2011)

監督 ピーター・ファレリーボビー・ファレリー
出演 オーウェン・ウィルソン/ジェイソン・サダイキス/ジェナ・フィッシャー/クリスティナ・アップルゲイト

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