007 スカイフォール/映画あらすじ・レビュー(ジェームス・ボンド新作「007 スペクター」鑑賞前におさらいしよう!)
007 スカイフォール あらすじ
MI6の型破りな敏腕エージェントであるジェームス・ボンドは、新人エージェントの女性とともに、奪われた各国の潜入工作員リストを取り戻すべく犯人を追跡するが、そこでボンドが負傷し大事な情報を奪われてしまう。
その後、危うい状態でありながらも復活したボンドは、自らの体に残された手がかりから敵のもとに辿り着く。
その敵とは、MI6を知り尽くした男であり、ボンドの上司でもあるMに深い恨みを持つ男だった。
007 スカイフォール レビュー
ファンが待ちかねた「007 スペクター(2015)」がとうとう公開だ。
そして、新作ボンドガールは何といってもイタリアの宝石モニカ・ベルッチである。
彼女ほど、女の生々しい美しさを持つ女性はそういない。
実のところ、ボンドが恋してしまうメインのボンドガールは、アンニュイな魅力で映画界からもファッション界からも熱いラブコールを受けているフランス人女優のレア・セドゥなのだが、モニカ・ベルッチのファンとしては、メインだろうとなんだろうと、ボンドガールになってくれたことが嬉しいのだ。
そんなこんなで、「007 スペクター(2015)」鑑賞前に「007 スカイフォール(2012)」をもう一度鑑賞してみることにした。
今現在公開されている最新作がそれをしのぐ勢いだが、いずれにせよ、「007 スカイフォール(2012)」が最新作であったときは、007シリーズ史上最高ヒットを記録したともいわれている。
そして、以前は自分をけなす言葉をネットで見ては落ち込んでいたというダニエル・クレイグが、本当に自信をつけたのが、この作品「007 スカイフォール(2012)」だったという。
ちなみに、凹むのでもう自分の噂をネットで見るのは止めたそうだ。
実は、この映画を劇場で観たときに、少し腑に落ちない部分があったのを覚えている。
シリーズ最高と呼び名も高く、007ファンが唸る車アストンマーチン・DB5も登場する。
しかし、何かが腑に落ちなかったのだ。それが、再度改めて鑑賞したことでハッキリした。
公開当時、既に観た人から「Qがものすごく若くなった!」との報告を受け、気持ちを曇らせた経緯があった。
何故ならば、007で一番のお気に入りキャラクターは、せっせと最新の武器をつくってはボンドに壊されてしまう、ユーモアたっぷりの可愛いおじいちゃんデスモンド・リュウェリン演じるQだったからだ。
もちろん、彼は「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999)」で既に引退しているが、やはりQはおじいちゃんじゃなくっちゃ!という気持ちがあったのだ。
しかも、以前の武器をアンティークとぬかす、ニキビ面のIT小僧がQってどういうこっちゃ!と怒り心頭してしまったのである。
が、しかし、意外におばさんアッサリ降参。
最初の登場では生意気な感じだったが、のちに任務の枠を超えた行動をレイフ・ファインズ演じるギャレス・マロリーに指摘されているとき、妙にモゴモゴした感じが可愛くていきなりアンチ目線が崩落してしまった。
と、なると、この腑に落ちない感覚はベン・ウィショーという役者さんが演じることで若返ったQによるものではない。
ならば…と改めて鑑賞して気付いたことは、ラウル・シルヴァを演じたハビエル・バルデムの本当の凄みが、この映画では表現しきれていなかったということだ。
なんといっても彼がチビルほど怖い演技を披露したのはコーエン兄弟の「ノーカントリー(2007)」だ。
この映画で彼は、スペイン人としては初めてゴールデングローブ賞(助演男優賞)、アカデミー賞(助演男優賞)を受賞している。
このとき彼が演じた殺し屋アントン・シガーは、冷静沈着で“無”の境地に近い狂気を備えていた。
動きも過敏なわけではないのに絶対に追い込まれてしまう恐怖感はゾンビさながら。
しかし、「007 スカイフォール(2012)」で彼はやけに“饒舌”なサイバーテロリストだ。
この悪党のビジュアルについては相当試行錯誤したらしいが、やはり金髪ではなく黒髪にすべきだったのではないだろうか…。
もちろん、評価の高かった役柄をなぞればイイというもんでもない。
それに、当事者たちの苦労は計り知れないのに、後からなんやかんや言うのは簡単なことだし。
まあ、この辺は1レビュアーの勝手なホザキとしてご容赦いただきたい。
怨恨というよりはマザコン的な執着を見せた演技は素晴らしいものだったが、いかんせん喋り過ぎだ。
目と表情と所作、そして、そのシワひとつひとつで演技できる役者さんなのだから、もう少し寡黙にして彼の魅力を存分に発揮させてほしかったものだ。
とはいえ、腑に落ちないのはそのたった一つのこと。
それ以外には、洒落たセリフに質の良い仕立ての服、通を唸らせる時計や車、そして女性たちの色気としなやかさ、はたまた、ずっしりと重みのあるアクションを魅せるダニエル・クレイグやスタントさんたちに、ただただアドレナリンを沸き立たせるのみ。
そして、今回はボンドガールならずボンドママと化していた、Mならではの「愛」を心に染みわたらせてほしい。
是非ご賞味あれ。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
007 スカイフォール(2012)
監督 サム・メンデス
出演 ダニエル・クレイグ/ハビエル・バルデム/レイフ・ファインズ/ナオミ・ハリス/ジュディ・デンチ
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