グランド・イリュージョン/映画あらすじ・レビュー(超人ハルクがFBI捜査官役!?の作品)
グランド・イリュージョン あらすじ
様々な天才マジシャンのもとに招待状が届く。それは、「フォー・ホースメン」というマジシャンチームを結成する目的によるものだった。
やがて、彼らはラスベガスの舞台でマジックショーを行っている最中に、パリの銀行から大金を強奪するという有り得ない大技を成し遂げてしまう。
そこからFBIとインターポールは協力し逮捕に踏み切るが、彼らはまるで雲のように実体がつかめない。
やがて、マジックの種明かしに長けた人物の助けをかりて、「フォー・ホースメン」を追い詰めようと画策する。
グランド・イリュージョン レビュー
この映画の監督のルイ・ルテリエは、「トランスポーター」シリーズや、「タイタンの戦い(2010)」、そして、「インクレディブル・ハルク(2008)」を手掛けた人物。
このとき超人ハルクはエドワード・ノートンが演じていたが、のちに「アベンジャーズ」シリーズではマーク・ラファロがハルクを演じている。
そのマーク・ラファロが、今作品ではキーパーソンとなるFBI捜査官役だ。
この映画を製作するにあたり、実在する有名なマジシャンのデヴィッド・カッパーフィールドが協力したとのこと。
そのためか、同氏の特徴でもあるど派手な演出がマジックのシーンを盛り上げている。
物語が始まって、少しだけ生じた「このまま有り得ないようなマジックを延々と見せられるのだろうか」という不安は徐々に消え失せる。
それは、彼らがその存在感を示し、堂々と大衆の目前で犯罪をやってのけた3つの点が、いずれ線となることが予測されたからだ。
期待といってもいいだろう。
そのカギとなるのが秘密結社「THE EYE」。
なんだか現実の世界で実在すると噂される秘密結社「フリーメイソン」を思わせるものだが、その存在の種明かしと、「フォー・ホースメン」の目的が明らかになることを、映画を観進めるうちに待ち望むようになる。
実は、この映画のDVDを手にとり鑑賞しようと思ったのは、マーク・ラファロが出演しているから。
「フォックスキャッチャー(2014)」「はじまりのうた(2013)」「アベンジャーズ」シリーズと活躍が目覚ましいが、この役者さんほど、“背景に馴染んでしまうのにあとを引く人”も珍しい。
つまり、限りなく目立たないが、何故か印象に強く残ってしまうのだ。だからこそ、出演オファーがあとを絶たないのだろう。
この映画でマーク・ラファロは、ワイルドなFBI捜査官ではなく、天才マジシャンたちに“やられっ放し”のチョイ情けない男を演じている。
メラニー・ロラン演じるインターポールのアルマとの関係は、近づきそうで近づかない曖昧な距離感だが、それもなかなか悪くない。
メラニー・ロランは、透明感あるフランスの女優さんだ。
クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ(2009)」で彼女を知った人も多いのではないだろうか。
クールビューティで、芯が強く思慮深い女性の役柄が良く似合う。
そして、主役のJ・ダニエル・アトラスを演じるのは「ソーシャル・ネットワーク(2010)」、「ゾンビランド(2009)」のジェシー・アイゼンバーグ。
ほか、脇を締める俳優陣も、ウディ・ハレルソン、コモン、モーガン・フリーマン、マイケル・ケインと豪華だ。
ど派手なイリュージョン”は、思いのほか “こじんまり”とした「え?そうだったの」へとつながっている。
そのことの受け止め方によって、この映画の好みが別れるだろう。
“こじんまり”を達成するために大掛かりな目隠しをしたことは、あくまでも想像だが「ある種の“こだわり”」なのだ。
人の“こだわり”というものは、他人から見ると「なんだそりゃ?」ということも多いではないか。
穏やかなシーンと、いたずらっぽいシーンで締めくくられるこの作品を観て、魔術にかけられた感覚を楽しむのもひとつかもしれない。
是非、ご賞味あれ。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
グランド・イリュージョン(2013)
監督 ルイ・ルテリエ
出演 ジェシー・アイゼンバーグ/マーク・ラファロ/ウディ・ハレルソン/メラニー・ロラン
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