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CINEMAバリQ

コードネーム U.N.C.L.E.(ガイ・リッチー監督による60年代に日米で人気を博した「0011ナポレオン・ソロ」のリメイク)

コードネーム U.N.C.L.E. 映画あらすじ

東西冷戦下、核兵器によるテロ行為をもくろむ犯罪組織の陰謀を阻止するため、本来ならば敵対しているアメリカとロシアの、それぞれに属するエージェントが一時的に手を組むことになる。
しかし、鉄のカーテンに隔てられ冷たい戦争を続けている東と西の立場のみならず、女好きで楽天家なアメリカCIAのナポレオン・ソロと、堅物で短気なロシアKGBのイリヤ・クリヤキンは、まさに水と油のごとくソリが合わない。
そこに、核開発に携わる科学者の娘が加わり、事態は音を立てて急展開する。

コードネーム U.N.C.L.E. 映画レビュー

もしも、アメリカ犯罪ドラマの「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」ファンなら、ダッキーことドナルト・マラード博士はお馴染みのキャラクターであるはず。

そのドナルト・マラード博士を演じるデヴィッド・マッカラムが、若かりしころに「0011ナポレオン・ソロ」というドラマでイリヤ・クリヤキンを演じ、中性的でクールな魅力で女性たちを虜にしていたという事実は、既に自分がそのドラマと、お馴染みのキャラクターたちに愛着を持ったあとだった。

そんなこともあり…
「コードネーム U.N.C.L.E.(2015)」は、個性的な映像表現に加え、小気味のいいテンポと“間(ま)”を持ち多くの人を惹きつけるガイ・リッチー作品であるという意外にも、観たい要素を持ちあわせていた作品だ。

しかし、そのせいで、必然的に個人的な興味はイリヤ・クリヤキンを演じるアーミー・ハマーに集中してしまった節がある。
この役者さんは「ソーシャル・ネットワーク(2010)」に出演する以前に、キリスト教宣教師ビリー・グラハムを演じ高い評価を受けている役者さんだが、実はこの映画を観るまでその存在を認知していなかった。
しかし、そのように前情報なしでも、大柄で正統派の男前が、生真面目かつ単細胞で少しシャイなロシア人スパイを演じる様子を見て、すっかり母性本能をくすぐられてしまった。

多分、デヴィッド・マッカラムが演じた繊細で中性的な雰囲気とはまったく違うであろう、いかついアーミー・ハマー版イリヤ・クリヤキン。
本家本元のドラマを知っている人の意見はまた違うかもしれないが、知らない自分にとっては自然に受け入れられるキャラクターだった。

また、なんといってもナポレオン・ソロ役は、現代のスーパーマンであるヘンリー・カヴィルだ。
注目しなくても、視界に入るその存在感は強烈。やはり、ノリにノッている人間のオーラは強い。
ただ、この映画での“女好きでプレイボーイ”というキャラクターがヘンリー・カヴィルに合っていたかどうかは疑問。
なんというか、女たらしの顔つきではないのだ。

しかしながら、「モンテ・クリスト伯(2002)」のときは、まだ幼く子犬のように可愛い青年だったヘンリー・カヴィルも、大人の男になったなあと実感できる作品となった。

なんにしても、スパイ2人のユーモアにあふれた掛け合いや、驚きと含み笑いを誘う斬新な演出、ファッショナブルな服と雰囲気に、車好きを唸らせるレトロカー、バレエダンスのようなカーチェイス、効果的で粋な挿入歌、加えて、お馴染みの早いテンポで展開するカット割りや、画面を分割してみせる手法すべてに、ガイ・リッチーらしさと妥協しないこだわり、そしてセンスに満ち溢れていた。

ご存知の通り、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ (1998)」しかり、「スナッチ (2000)」しかり、ガイ・リッチー監督は、野郎どもがつるんで起こすゴタゴタを“地元感満載のこじんまりさ”で描き、片付け不可能と思わせるほど散らかしておきながら、意外にもテンポよくまとめて、最後には観客に舌を巻かせる天才だ。だが、な~んとなくパッとしない時期があり、「ロックンローラ(2008)」のあとは、“~らしからぬ”アクション大作を手掛けていたように思う。

しかし、そのお蔭か今作品を観たとき、もともと監督が持つインディーズ感と、経験を積んだ大作感がうまく融合し、まったく新しい作品に仕上がったように感じられた。
このうえなく勝手なことを言えば「おかえり!ガイ・リッチー監督」という感じ。

そして、個人的にとても気に入ったのはアリシア・ヴィカンダーが演じたギャビーの60年代ファッション。
小柄で華奢な体型と、ギャビーのキュートな小悪魔キャラに、オードリー・ヘプバーンもしくはツイギー的なミニドレスがこのうえなく似合っていた。
また、もう一人の華であるエリザベス・デビッキ演じるヴィクトリアの装いもゴージャス感が極まりない。

もはや、舐めまわして数回観ないと全て旨味を味わえないほど、あらゆる魅力が何層にもぶちまけられた作品だ。
是非、ご賞味あれ。

映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。

コードネーム U.N.C.L.E.(2015)

監督 ガイ・リッチー
出演 ヘンリー・カヴィル/アーミー・ハマー/アリシア・ヴィカンダー/エリザベス・デビッキ

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