バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(実はマーベルのアベンジャーズよりも先発だったジャスティス・リーグ)
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 映画あらすじ
クリプトン星の生き残りであるスーパーマンは、育ての親と恋人がいる第二の故郷・地球で正義を守り続けていた。
しかし、地球に襲来したゾット将軍と戦った際、意図せず街を破壊し甚大な被害をもたらした過去のせいで、彼を脅威とみなす風潮が生まれていた。
また、その戦いを間近で目にし、自らも被害をこうむった、バットマンという裏の顔をもつ億万長者ブルース・ウェインも、スーパーマンこそ人類の敵だと確信する。
そんななか、恐るべき頭脳と財力を持ちながら、ダークサイドに偏執した科学者レックス・ルーサーは、密かに不穏な動きをはじめる。
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 映画レビュー
この映画を観終わって第一に生まれた感想は、レックス・ルーサーを演じたジェシー・アイゼンバーグの演技が素晴らしかったこと。
そして、「マン・オブ・スティール(2013)」に引き続き、苦悩するスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルも堂に入ってきたなあ、ということだ。
もちろん、もはやコミックから飛び出してきたようなクリストファー・リーヴ以上にスーパーマン役が似合う人なんてなかなか存在しない。
しかし、ヘンリー・カヴィルが演じる、スーパーマンらしからぬスーパーマンにも、すっかり愛着がわいてきたのだ。
それに、クリストファー・リーヴのように如何にもスーパーマンらしい顔つきではないので、驚愕のムキムキボディを隠しさえすれば、スーパーマン以外の役柄を自由に演じられることが、役者としての強みになっているはず。
そして、注目すべきはレックス・ルーサーを演じたジェシー・アイゼンバーグ!「ソーシャル・ネットワーク(2010)」で Facebookの創設者マーク・ザッカーバーグを演じた彼が高く評価されたことは周知のことだが、今回の“キレたレックス・ルーサー”も最高だったわけだ。
並べるとプレッシャーで具合が悪くなりそうな、過去に同役を演じたジーン・ハックマンやケヴィン・スペイシーという、名だたる名優たちの存在がある。
しかし、今回彼が演じたレックス・ルーサーは、童顔のジェシー・アイゼンバーグらしい、そして、彼しか演じきれないような個性を宿していたのである。
スピーチの途中、いきなり自己完結でキレちゃった演技も、うなってしまうほど上手かった。
なお、忠実かつ、教育係のようにブルース・ウェイン(バッドマン)を見守りサポートするアルフレッド役を、前3作では大好きなマイケル・ケインが演じていたので、今回のコンビはどんなものかと思って観てみたら、これはこれでなかなか良かった。
なんとなく、微妙にくたびれた感じのブルース・ウェイン&アルフレッドだったのだが、悪くない。
バッドマンスーツのゴテゴテ感が、個人的には重そうで強く見えず今ひとつだったが、なんといっても、マイケル・ケインの後釜で荷が重いアルフレッド役に、ジェレミー・アイアンズをもってきたのがいい。
見たこともないようなタイプのアルフレッド誕生だ。でも、セクシーチョイ悪オヤジ過ぎて、もはや存在がアルフレッドではないかも。
スーパーマンしかり、バッドマンしかり、アルフレッドしかり、レックス・ルーサーしかり、以前演じた人物の印象が強ければ強いほど、その焼き直しではなく、その役者さんが最大限に演じられるキャラクター性を出す方が良い結果を生むのだろう。
そのようなことから、DCコミックの悪役が集結する映画「スーサイド・スクワッド」が2016年9月に日本でも公開するが、その際、ジョーカーを演じるジャレッド・レトに注目が集まる、いや、プレッシャーが強まるはずだ。
なんてったって、この役は、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーが演じ、その強烈な存在感で世界を魅了したのだから。
単にキレた演技をすればいいってもんでもないので、非常に難しいところだ。
ちなみに、この映画ではウィル・スミスがデッドショットを演じている。
メジャーになり過ぎたハリウッド俳優は簡単に飽きられてしまいがちだが、心密かに応援していたので、この配役は非常に嬉しい。
薄汚い感じの、新しいウィル・スミスに大きく期待したい。
さて、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」に話を戻すと…実は納得しがたい部分がひとつある。
筆者が個人的に「ワイルド・スピード」の大ファンであり、この映画で何よりも活躍を楽しみにしていたガル・ガドットちゃんの登場シーンに、多少肩透かしを食らったのだ。
何がって…動きが少な過ぎ。
また、衣装も髪型も化粧も今ひとつ。
目の周りのメイクが濃すぎて寝不足みたいだし、結構がっちりした顔の骨格なので、髪型がそれを強調してしまっているシーンが多い。
あと、やたら苦悩するスーパーマンとバッドマンという、ちょっぴり根暗なスーパーヒーローたちと、教科書みたいだったアルフレッドが一変し、少しやさぐれたジェレミー・アイアンズ版アルフレッドという感じだったので、とにかくガル・ガドットちゃんは、徹底的にキラキラ感を出してほしかったのが本音だ。
「ワイルド・スピード SKY MISSION(2015)」で「なにーーーーー!?」と大絶叫してから、この映画への出演を知り、楽しみに~楽しみにしていたのだから。
とはいえ、世間的には彼女の評判は上々。
この感想は、私が期待のあまり前方3席ぐらいまで前のめりで観た結果、感じたものであるので悪しからず。
いずれにせよ、時折少女のような笑顔を見せる、ミス・イスラエルのガル・ガドットちゃんファンとしては、彼女がこのシリーズに出演する限りはガッツリ鑑賞し、応援し続けたいのである。
DCコミックは、これからヒーローを大集結させ、壮大なエンターテイメントを見せてくれるはずだ。
なお、今作品を楽しむなら、シリーズの第一作目となる「マン・オブ・スティール(2013)」を鑑賞しておくのは必須だ。
近々マーベルコミックの「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)」が公開する。
お馴染みのアベンジャーズメンバーも登場するので今からワクワクだ。
映画業界ではアベンジャーズが先行していたため、DCコミックのヒーローが集結する「ジャスティス」シリーズが、アベンジャーズの後釜っぽく言われがちだが、コミックでは、惜しげもなくお抱えスーパーヒーローを出しまくったのは、DCコミックが早いとのこと。
「ジャスティス・リーグ」は1960年、「アベンジャーズ」登場は1963年なのだそうだ。
が、DCコミックが早かろうが、アベンジャーズがどうだろうが、アメコミヒーローファンの自分にとってはどちらでも関係ない。
とにかくスーパーヒーローたちが驚異のパワーで、人々を守る姿を見たいのだ…。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)
監督 ザック・スナイダー
出演 ベン・アフレック/ヘンリー・カヴィル/エイミー・アダムス/ジェシー・アイゼンバーグ
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