ソーシャル・ネットワーク(ジェシー・アイゼンバーグがマーク・ザッカーバーグを演じ高く評価された作品)
ソーシャル・ネットワーク 映画あらすじ
彼女に振られた腹いせの行動によって、思わぬ人生に導かれたマーク・ザッカーバーグは、天才的なプログラミング能力をもつハーバード大学の学生。
彼は、サイトの立ち上げ2時間で2万2000アクセスを集め、大学のサーバーをダウンさせてしまった事件をきっかけに、大きな革新をネット社会に起こし始める。
しかし、高い知能はあっても人付き合いの機微がまったくわからないため、周囲の人間と摩擦が生じていく。
ソーシャル・ネットワーク 映画レビュー
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」におけるジェシー・アイゼンバーグの演技がよかったので、あまり興味がわかず未鑑賞だった今作品をやっと鑑賞。
もちろん筆者もFacebookにはお世話になっていた時期があるし、災害時におけるSNSの貢献度も大いに知っている。
興味がわかなかったのは、若くして成功した天才のお話に、感情移入する部分はないだろうと想像してしまったからだ。
しかし、ジェシー・アイゼンバーグが高く評価された作品とあっては、観ないわけにはいかない。
結果として、個人的には「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」でみせてくれた演技の方が好きだったが、思いのほか話のテンポがよく引き込まれた。
それもこれも、デヴィッド・フィンチャー監督のセンスなのかもしれない。少し繊細で、隙間がなく、飽きさせないのだ。
また、「ドラゴン・タトゥーの女」という映画において、本家本元のスェーデン版(2009)ではノオミ・ラパスが演じ、評価を得たリスベットという難しい役どころをデヴィッド・フィンチャーによるハリウッド版(2011)では、今作品でマーク・ザッカーバーグを振る彼女エリカを演じた、ルーニー・マーラが演じている。
そのキャスティングが、今作品でのデヴィッド・フィンチャー監督とルーニー・マーラとの出会いによるものならば、そのあたりも興味がそそられる部分だ。
この映画「ソーシャル・ネットワーク(2010)」を観ていると、天才と会話を持つのは難しいだろうな…とますます思うようになる。
それは単に、「天才ゆえコミュニケーション能力に欠けるから」という意味ではないのだが、まったく違うともいいきれない。
つまり、天才は自分にとって無駄のない会話のキャッチボールをしようとするからだ。相手がそれを理解しようが、理解しまいが、それは関係ない。
ただただ、天才を導く光に引っ張られ時空を超えるがごとく、究極の旅へと時間を惜しんで突き進むだけだから。
「もっとその先へ、もっと早く」と。
そこで凡人が、「あの、すみません、今の意味をもう一度教えて欲しいのですが…」な~んて言っても、瞬時に脳内で要約されたものを瞬息で説明され、もはや自分が理解するのは不可能だと諦める結果になるだろう。
この感じは、若者が自分たちの言語で会話するなかに歳を重ねた人物が入り込み、チンプンカンプンになるのとも少し似ている。
まあ、この映画で描かれている、いずれは巨万の富を築くことになる天才は、まだ大学生だ。
友人による協力は当然という思い込みがあり、少し年上のショーン・パーカーのような人物が、このうえなくクールに見えてしまうのも致し方ない。
物語が進むにつれ、ジェシー・アイゼンバーグ演じるマーク・ザッカーバーグが、なんだか複雑で切ない表情を見せはじめる。
だが、その表情を無視してしまうほど、映画のなかのマーク・ザッカーバーグという人物にイライラさせられる。
それはやはり、ジェシー・アイゼンバーグの演技が優れていたということなのだろう。
そして、ラストシーンでは、“この映画におけるマーク・ザッカーバーグという人物像”を明確に説明する部分がある。
それが、鑑賞していた自分をイラつかせていた正体だとしたら、なんという的をついた締めくくりだろうか。
自分の頭脳に絶対的な自信をもち、未熟な人間性で状況を複雑にしていく主人公にムカムカする気持が生まれても、結局最後には、それは周囲が映した鏡なのかもと思わせる。
なぜならば、冷静な客観性を持ちながら、大らかに等身大で向き合う人物に対し不器用な天才は、このうえなく従順に見えたからだ。
天才を誇大化したり、偏見の目で見てしまうのは、結局は周囲の方なのかもしれない。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
ソーシャル・ネットワーク(2010)
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 ジェシー・アイゼンバーグ/アンドリュー・ガーフィールド/ジャスティン・ティンバーレイク/アーミー・ハマー
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