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CINEMAバリQ

宇宙人ポール(「ホットファズ(2007)」のサイモン・ペッグとニック・フロストが未知との遭遇を果した作品)

宇宙人ポール 映画あらすじ

アメリカ旅行に訪れたオタク友達のグレアムとクライブ。
旅の目的は彼らにとって長年の夢だった「コミコン(コミックと映画のカルチャーイベント)」と、UFOスポットを巡ることだ。
ところが、夢にまで見たUFOスポット「エリア51」で、実際に「ポール」という宇宙人に遭遇してしまう。

しかし、その宇宙人があまりにも英語がうまく下ネタ好きだったため、2人はガッカリするのだが…。

宇宙人ポール 映画レビュー

現在上映中の「ミラクル・ニール(2015)」では、「ミッション:インポッシブル」や「スター・トレック」「スター・ウォーズ」などに出演し、すっかりハリウッド映画の常連になったサイモン・ペッグが主演を務めている。
しかし、残念なことにニック・フロストは出演していない。

2人が共演している作品では、いい歳になっても小学生のようにじゃれ合う友人同士という設定が多いが、プライベートでも仲が良いとのこと。
それに、共演だけではなく脚本などでもタッグを組むことがあるため、彼らは間違いなく名コンビなのだ。

そんな名コンビを観ることができる映画は「ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)」「ホットファズ(2007)」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013)」だ。
そして、今回レビューを書こうとしている「宇宙人ポール(2010)」がある。

お馴染みの「純粋な友情」と「微笑ましい恋愛」、そして、「微妙な笑い」が随所に詰め込まれ、ついでにバラまかれている。
だが、今作品では彼らが共演する際の特徴でもある「グロテスクな表現」は少ない。そのかわり、バカバカしいお下劣トークが満載なのだ。
そして、そのお下劣モードの先陣を切っているのが宇宙人「ポール」というから、脱力感はなはだしいではないか。

ポールはとにかく英語がベラベラで、おまけに饒舌家。驚くべき特殊能力はあるが、宇宙の言語やテレパシーといったミステリアスな部分が皆無だ。
それゆえに、異星人というよりは、明るい下ネタ好きなアメリカ人といったところ。

ハッパを吸って陽気になって、「マービン・ゲイ最高!」といって踊り出し、ピスタチオを殻ごと食って腹を下す。
尻を出すわ、中指立てるわ、やりたい放題だが、実のところ義理人情に厚く、体は小さいのに器がでかい。

宇宙人でありながら人間味あふれる言動をする彼に、観客たちは不可抗力によって好感を抱いてしまうだろう。ある意味それこそ特殊な能力だ。
つまり、この作品が愛される理由は、ポールというキャラクターがとても魅力的だから。それ尽きるといっても過言ではない。

もちろん、どこで笑えばいいんだか解らないようなイギリスジョークも魅力的だし、なかには非常にわかりやすい笑いもある。

途中、狂信的なキリスト教信者のルースが世界観をくつがえされ、溜め込んでいたものを大爆発させるシーンがある。
その時点での行動があまりにも想像を超えていたので随分笑わせてもらったが、彼女の暴走はその後も続いた。
もはや、ポールの感性について行けるのは彼女しかいないと思わせてしまうから、これがまた面白い。

ただ、全体的には微妙なジョークが万遍なく繰り広げられている感じ。
それに、泣かせるシーンも“溜め”が短く、ドップリと感情移入するまでには至らない。
終盤登場する俳優に「おお!やっぱりこの人じゃなくっちゃね!」という以外は、特に大きなサプライズも、大どんでん返しもない。

しかし、宇宙人のポールが好きになって、なんだか楽しくなり、ポールを取り囲む凸凹な仲間たちに愛着を持つと、自分までも一員になったかのように、もしくは豊かな旅を経験したかのように、不思議と満たされた感覚になる。
「宇宙人ポール(2010)」は、そんな映画なのだ。

映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。

宇宙人ポール(2010)

監督 グレッグ・モットーラ
出演 サイモン・ペッグ/ニック・フロスト/ジェイソン・ベイトマン/クリステン・ウィグ

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