キック・アス(クロエ・グレース・モレッツがキレっキレのマシュー・ヴォーン監督作品)
キック・アス 映画あらすじ
ヒーローに憧れて、ネット通販で購入したヒーロースーツを着用し、グダグダなヒーロー活動をしていたコミック好きな少年デイヴは、ひょんなことからヒーロー「キック・アス」として有名になる。
そんななか、学校で一番の美少女を助けるため乗り込んだギャングのアジトで、偶然にも驚くほど優れた戦闘能力を持つ少女と、その父親に遭遇。
しかし、やがて、思いがけない場所で誤解が生じ、平凡な高校生だったはずのデイヴは犯罪組織から暗殺のターゲットにされてしまう。
キック・アス 映画レビュー
この映画では何を語るよりも先に、なんといってもヒット・ガール。これに限る。
特に、ヒット・ガールが見せた、ギャングや犯罪組織のアジトでの戦闘シーンは何度観ても飽きないし、毎回同じように惹きつけられてしまう。
もちろん、これは、「キングスマン(2015年)」でもその才能を知らしめた、マシュー・ヴォーン監督だからこそできたシーンだ。
あまりにも強烈な少女がからむバイオレンス描写のせいで、キャラクター設定の変更や、描写の緩和を映画スタジオから求められたが、マシュー・ヴォーンは、あきらめず根性で自主制作したという。
そんなエピソードからもわかるように、この映画のバイオレンス描写は、「キングスマン(2015年)」同様にかなり強烈だ。
そして、その中心にいるのが幼い少女とパパなので、人によっては猛烈に不愉快になるだろう。
しかし、「キングスマン(2015年)」がそうであったように、方々から倫理や道徳感を問われる描写ではあるが、しかりと善悪は存在している。
いわゆる、まっとうに暮らす人々の生活を脅かす「悪」の要因を、迷いも“しがらみ”もないダーティーヒーローがスカッとぶちのめすストーリーなのだ。
つまり、マシュー・ヴォーン作品は「悪」に対するケジメのつけ方が容赦ない。
「悪」に対しては、猶予も配慮も人格もへったくれもない。
時にはシニカルな笑いをにじませながら、普通ならほのぼのとしたドラマに登場しそうな親子を用い、バイオレンスたっぷりに成敗させる。
制裁を下す自警団が、腕っぷしの強い男性たちではないところが、なんともこの監督らしい捻り具合だ。
この映画を鑑賞したとき、自分の想像力を遥かに超えた展開と、キャラクターが持つ魅力には、ギックリ腰を発症するほど驚いものだ。
しかしながら、この作品で世界を魅了してからセレブとしては有名になったが、クロエ・グレース・モレッツがその後、彼女の良さが生きる作品に出会っているかといえば、そうではないように感じてしまう。
現在上映中の「フィフス・ウェイブ (2015)」においても、まだ未鑑賞ではあるが、チラホラ不安な声が聞こえてくる。
しかし、いくら「キック・アス(2010)」が素晴らしかったとはいえ、この映画でヒット・ガールを演じた当時はまだ13歳ほど。
すっかり大人っぽくなったクロエ・グレース・モレッツが、当時と同じような役柄を演じることがベストではない。
そこで、クロエちゃん愛が止まらない筆者が(ずいぶん勝手なはなし)お勧めしたいのは、こうなったらアメコミ映画のキャラクター役をゲットすることだ。
彼女は多分もっと大人になっても、少しだけ“あどけない”雰囲気を残す、魅力的な童顔を持つ女優さんになるだろう(多分)。
だからこそ、ヒット・ガールのときに身に着けていた、お手製色の強いコスチュームではなく、完全に本物のヒーローとしてのコスチュームを身にまとい、世界中のオヤジと筆者(オバサンだけど)を萌えさせ、本気の戦闘を繰り広げて欲しいのだ。
って、ただ、自分がアメコミ映画好きで、クロエちゃんが好きだから、なんだか組み合わせてみただけの話なのだが、意外に本気で良いのではないかと思いはじめたので、強く推奨し…これにて締めさせていただこうと思う。
いつか、クロエちゃんが「アベンジャーズ」か、「ジャスティスリーグ」のメンバーになりますように…。
ちなみに、ニコラス・ケイジの戦闘シーンも非常に良かった。
加えてこの作品に出演したアウトロー精神が、なんとも嬉しい。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
キック・アス(2010)
監督 マシュー・ヴォーン
出演 アーロン・ジョンソン/クリストファー・ミンツ=プラッセ/マーク・ストロング/クロエ・グレース・モレッツ
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