リベリオン(ガン=カタが炸裂!クリスチャン・ベイルが異常にカッコいい映画)
リベリオン 映画あらすじ
人間の持つ感情こそが戦争の起因とし、都市国家リブリアの政府機関はプロジウムという薬で国民の感情を抑え込んでいた
そして、それに逆らい薬を服用せず、禁止されている文学や音楽、絵画もしくは映像に感情を働かせるものに対し、処刑という重い罰を与えていた。
ジョン・プレストンは、違反者を処刑する部隊グラマトン・クラリックに属する優秀な特殊捜査官であったが、ある日アクシデントでプロジウムを飲めなかったため、心に変化が生じはじめる。
リベリオン 映画レビュー
今となってはあまりにも有名な俳優クリスチャン・ベイルをはじめて認識したのは、2000年の映画「アメリカン・サイコ」だ。
狂気に満ちた演技はもちろんのこと、その人物が放つただならぬオーラにゾッとしたものだ。
そして、その次に認識したのは「マシニスト(2004)」。
不眠症で激やせする男を演じるため、周囲に止められるほど激しい減量を行ったことで、演技のみならずその役者魂に注目が集まった。
それらの印象があまりにも強かったので、実をいうと2002年に公開されたこの映画「リベリオン」のことは長いあいだ知らずにいた。
それに、低予算で制作された今作品は、宣伝も最小限に抑えられ集客が少なく、劇場公開は早々に打ち切られたとのこと。
しかし、結局、あくまでも個人的な意見ではあるが、この「リベリオン(2002)」のクリスチャン・ベイルがどの作品よりも一番カッコいいと感じてしまった。
もちろん、バットマンやジョン・コナーを演じた彼よりもだ。
だが、その意見は、決して世間と大きくかけ離れていないようである。
なぜならば、バットマンやジョン・コナーなどのアクション大作に彼がオファーされるようになったのは、この「リベリオン(2002)」が公開打ち切りになったあとクチコミで広がり、そのアクションが評価されるようになったからなのだ。
映画のなかで、プロジウムというヘンテコリンな薬で感情を奪われている国民は皆一様に無表情だ。
それゆえに、心に残る情景や、音、そして人との関係に心を揺さぶられている人間はすぐにバレてしまう。
いずれにせよ、本を読んでいる時点で極刑に相当するのだから、たまったもんじゃない。
クリスチャン・ベイルが演じたジョン・プレストンは、その異常な世界で違反者を処刑しまくる凄腕の特殊捜査官である。
そして、毎日薬を欠かさず飲んでいる彼も、彼の子どもも、やはり感情を持たず無表情。
特に彼の子どもは、その佇まいがすでに子供らしからぬ冷淡さをもっているため、最初は「オーメン(1976)」のダミアンかと思った。
ただ、感情がない世界なのに「家族」という括りは必要なのかしらと疑問に思うが、その辺はまあ、どうでもいいのだ。
この映画には何よりも注目すべきことがある。
そもそも自分の「リベリオン(2002)」熱が再び高まったのは、キアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック(2014)」で、オリジナルの格闘術ガンフー(銃と格闘技を融合させたもの)を観てからだ。それからというものリベリオン愛が復活し、今もその勢いが止まらない。
特殊捜査官ジョン・プレストンは、たまたま薬を飲まなかったことで本当の戦いへと突入するのだが、いずれの状況でも炸裂させるのが、この映画で生まれた格闘術「ガン=カタ」なのである。
そして、これが、この映画を有名にしたといっても過言ではない。
時折カンフー的な動きを見せ、二挺拳銃、もしくは2本の刀を操り、敵をバッタバッタと倒していく。
武器(ガン)と、武術の型(カタ)を合体させたこの武術は、実のところダイナミックな撮影も、CGも駆使できないという低予算映画だからこそ誕生した。
しかし、その後あらゆる映画で取り入れられるほど強い影響力を持ったのだ。
それほど、「ガン=カタ」による戦闘シーンは魅力的で、印象深いものだ。
しかし、アクションとしてのリアル感で言ったら、むしろ可愛いちびっ子が戦う「キックアス(2010)」の方が上かもしれない。
いくらなんでも途中ラジオ体操の腕回し並みの動きで、尋常じゃない数の敵を倒してしまうし、いくら近接戦闘術とはいえ、あまりにも近すぎてセール会場で黒ずくめのオバチャンたちが商品を引っ張り合っているような状態だ。
それに、国の要人を出迎えるがごとく両サイドに銃を構え並んだ重装備の敵を、「はい、ステップ、ターン♪ステップ、ターン♪」的な軽い動きでやはりバッタバッタと倒していく。
ポーズをとっている間に撃たれるんじゃないかと思っても「ただいまドヤ顔でポーズ中」は撃たれない。しかも、絶対的な支配を行っていた連中が、すこぶる弱い。
しかーし!
それらすべてを含めても、「ガン=カタ」で敵を倒すクリスチャン・ベイルは、鳥肌が立ちまくるほど強烈にカッコいい。
この際、突っ込みポイントをすべて見なかったことにして見惚れてしまうのが勝ちだ。
それに、何気なく「奇跡の海(1996)」の実力派女優エミリー・ワトソンが共演しており、ストーリーにおいても終盤オッというような驚きもある。
単なるカッコいいだけの突っ込みどころ満載なアクション映画ではなく、安定した演技力も、飽きさせない展開もある映画なのだということだけ、お伝えてしておこう。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
リベリオン(2002)
監督 カート・ウィマー
出演 クリスチャン・ベイル/エミリー・ワトソン/テイ・ディグス/アンガス・マクファーデン
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