【ハングオーバー!!! 最後の反省会】
二日酔いしていない二日酔い映画の締めくくり
ハングオーバー!!! 最後の反省会 映画あらすじ
フィルとステュは、友人のダグから義理の弟アランについての相談を受ける。
それは、やることなすこと常識から外れているアランに、精神的な治療を受けさせたいというものだった。
最初は拒んだが、やがて、なんとか承諾したアランを3人は病院まで送ることになる。
しかし、このメンバーは、過去に最悪な二日酔いを2度も経験した面々。この旅が、さらなる最悪を呼び寄せていることを4人は知る由もなかった。
ハングオーバー!!! 最後の反省会 映画レビュー
まさか、推理小説並みに、二日酔いの謎解きで一つの映画にしてしまうとは…と驚かれた一作目「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009)」から、さらにお腹いっぱいの激しい二日酔いをひっさげ公開された二作目「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(2011)」。
そして、今回レビューを書く「ハングオーバー!!! 最後の反省会(2013)」は、一応その締めくくりとなる第三作目だ。
しかし、観進めていくと、いつまで経っても酔っぱらわないことに気付く。
そう、今作品は、酔っぱらわない「ハングオーバー」シリーズなのだ。
そんなこともあり、飲んだ翌朝に起っている不可解なことを辿っていく恐怖を、よ~く知っている呑兵衛たちが第三作目に対し、「バカヤロー!ぜんぜん酔っ払わねえじゃねえか!」と大ブーイングしているとか、していないとか…。
しかし、(悪党やゾンビならいいけど)愛くるしい顔をしたキリンが悲劇に見舞われるくだりはあまり好きではないものの、今作品で繰り広げられている終始微妙な笑いの方は結構好みである。
40を超えて親のスネをかじりまくるアラン(ザック・ガリフィナーキス)は、ニートであるとかないとか以前に根本的な部分で言動がおかしい。
それに加え、いちいちフィルに友人以上の感情を持っているんじゃないかと匂わせる。
また、その非常識的な言動で周囲を凍りつかせるくせに、時として類まれなる才能と運の良さを発揮させ、何故かキーパーソンには人気があるという不思議っぷり。
一作目から登場する、やたら全裸で股間ボカシが多い、どう表現して良いのかわからないけど凄腕の悪党レスリー・チャウ(ケン・チョン)にも、このうえなく好かれている。
ちなみに、突き抜けるイカレ男レスリー・チャウを演じるケン・チョンは、コメディアンであり俳優だが医師免許も持っているそうだ。
メディカルセンターにて医師として勤務していた経験があり、妻も医師とのこと。家族は、よく彼がレスリー・チャウを演じるのを受け入れたもんだ。
また、フィル(ブラッドレイ・クーパー)はこの物語にして無駄に色男だが、その色男っぷりは何故か男たちのアンテナに引っかかってしまう。
途中、アランとチャウが、壁を壊すフィルに向かって、「シャツを脱いで裸になった方が壊しやすいぞ」「そう、脱いだ方がいいぞ」と、やたら脱ぐことを勧めていたシーンでは、微妙な笑いを誘っていた。
そして、完全にサプライズ要員となっているステュ(エド・ヘルムズ)は、今作品においてはラストシーンでやってくれた。
エド・ヘルムズはこのシリーズが当たり役だといわれているようだが、個人的には毎回気の毒すぎて見ていられない。
ダグ(ジャスティン・バーサ)は、「また、そういう立場かーい」という感じ。
まあ、こんな風に、それぞれのキャラクターが立っているので、ある程度は酔っ払わなくてもキャラクターで楽しめる。
ただ、酔っ払ってしでかした、常軌を逸した行動が「今度はどれほどのものか」と楽しみにしていた観客が、ガックリしてしまうのは否めない。
とはいえ、“酔っぱらい”パーツは完全にゼロではない。
だが、いずれにせよ、この三作目が、酔う酔わないは別として、これまでとは趣が違うのは確かである。
これまでのように脅かしの効いた笑いではなく、観る人によってはまったくアンテナが受信できないほどの微妙な笑いの連続という感じだ。
それゆえに、好みが別れるかもしれないが…
なんにしても、飲み過ぎでおイタをしまくったおじさん達の、本当にファイナルなのかもわからない、二日酔いじゃない二日酔い映画なのである。
ビールのうまい季節となりましたが、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。
ライター中山陽子(gatto)でした。
ハングオーバー!!! 最後の反省会(2013)
監督 トッド・フィリップス
出演者 ブラッドリー・クーパー/エド・ヘルムズ/ザック・ガリフィナーキス/ケン・チョン
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