【ブリッツ】
なんとなく陰鬱なイギリスを映し出すステイサムが荒くれ刑事を演じる映画
ブリッツ 映画あらすじ
捜査には手段を選ばないブラントは、暴力的な刑事としてマスコミには格好のエサになっていたが、実は仲間からの信頼が厚い、優しさと正義感にあふれた男。
そのブラントがいるロンドンで、警官ばかりを狙う連続殺人事件が発生する。
次々と仲間を失い自分の命も狙われる状況のなかで、ブラントは、周囲に冷やかされても気骨のある態度を示す新任警部ナッシュに信頼を置き、彼とともに犯人を追いはじめる。
ブリッツ 映画レビュー
アクションスターとして確固たる地位を築いたものの、最近は少しばかりパッとしない印象を受けるジェイソン・ステイサム。
今や大作と化した「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」では最強の敵を演じ、今後の出演も示唆するようなラストシーンだったが、正直なところ、持ち味を生かせていなかった気がする。
もともとは水泳飛び込み種目のイギリス代表で、その後ファッションモデルに転向し、ガイ・リッチ―監督の「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ (1998)」でいい味を醸し出しながら映画初出演を果たした。
それから、リュック・ベッソン監督の「トランスポーター (2002)」でアクションスター&セクシーハゲ頭さんとして不動の地位を確立したジェイソン・ステイサム。
その後の活躍は多くの人が知るところだ。
しかしながら、ある時期からは、ずっと「ある種の荒々しい男」ばかり演じている。
「トランスポーター (2002)」で感じたような、骨のあるスタイリッシュさとは程遠い感じだ。
自分から見るとジェイソン・ステイサムの顔は決して「悪」には見えないし、ただならぬダーティさは感じられない。
たとえば、今はずいぶん丸くなったが、以前のゲイリー・オールドマンは、そこに居るだけで「危ない奴」感にあふれていた。
ジェイソン・ステイサムからは、そのヤバそうな雰囲気はまったく感じられない。
つまり、「ロック、ストック~」のようにユーモア交じりのスタイリッシュな群像劇で、憎めない不良を演じるならばいいのだが、過去の傷でボロボロになった男や、「悪」の世界に身を投じる人間を演じているのを見ると、なんだか似合わないなあ~と感じてしまうのだ。
しかし、この「ブリッツ(2011)」でもやたら荒くれ刑事を演じているが、理性があり、内面は優しくて正義感があるというキャラクターなので、悪くはない。
もちろん、本当はスーツをビシッと着たセクシーおハゲさんジェイソン・ステイサムを見たいけれど。
この作品では、比較的男同士の絆が全面的に描かれ、その隙間に、母性と“しなやかさ”、そして“はかなさ”を持つ女性たちがアクセントを効かせている。
ただ、ボロボロになっていく警察官の女性については、悲劇を目の当たりにしたので、まあ、わからなくもないが、「なんで?そうなっちゃったの?」的な印象が否めない。
ブラントに痛めつけられても懲りないロン毛のモヤシおじさんの方が、警察よりも先に犯人見つけちゃうって、一体どういうこっちゃと突っ込みどころは満載だ。
しかし、荒々しい男と、ゲイで線が細い割には気骨がある男との友情が、なかなか良かったし、最後の方で警察が一丸となる連携プレイも、詰めは甘いし賛否両論あるとは思うけれど、自分はスカッとした。
少しばかり記憶に残るエグい描写がり、徹底的に暗い雰囲気で派手さはない。
でも、内側に正義と熱血、そして優しさを秘めるセクシーハゲ頭さんナンバーワンの、ジェイソン・ステイサムに会える作品である。
ライター中山陽子(gatto)でした。
ブリッツ(2011)
監督 エリオット・レスター
出演 ジェイソン・ステイサム/パディ・コンシダイン/エイダン・ギレン/ゾウイ・アシュトン
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