【ウォーム・ボディーズ】
ニコラス・ホルト主演テリーサ・パーマー共演の萌えるゾンビ映画
ウォーム・ボディーズ 映画あらすじ
ゾンビが蔓延し、もはや終末を迎えつつある世界。生き残った人類は武装して、ゾンビとの終わりなき戦いを続けていた。
そんな世界で代わり映えしない日々を送っていたゾンビ青年Rは、人間のジュリーに出会い、稲妻に撃たれたように一目ぼれしてしまう。
そのため、Rはとっさに仲間のゾンビからジュリーを救うが、それが、想像を超えた大きな変化をもたらすことになる。
ウォーム・ボディーズ 映画レビュー
ゾンビ(ホラー)映画を好む人が多いのは、生存本能を刺激されるからだという。
映画の登場人物が脅かされている危険は、観ている自分たちには及ばないという安心感があるため、生存競争に勝つ疑似体験になるのだとか。
また、「恐怖と快楽は近いところにあるから惹かれる」という説もある。
しかしながら、この映画『ウォーム・ボディーズ(2013)』は、通常のゾンビ映画とは違う感情が湧きあがる映画だ。
それは、ゾンビ好きじゃない人でも「ゾンビに可愛らしさを見いだせる」(かもしれない)部分である。
なおさら、どんなゾンビにも萌えてしまうゾンビフリークにとっては、愛着あるゾンビを気軽に愛でるような作品ではないだろうか。
ただ、逆に、ゾンビ好きが物足りなさを感じる可能性は大いにある。
この映画を観終わったあとの感覚は、なんとなく『エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)』を観たときの感覚に似ている。
「地球滅亡」と「ハートウォーミングなロードムービー」という正反対の要素が、うまい具合に化学反応を起こしていた、あの感じだ。
つまり、今作品も「ゾンビ映画」でありながら「ハートウォーミングな青春物語」という要素が、心地よい化学反応を起こしている。
また、ゾンビ界と人間界の壁に隔たれた2人の若い男女の恋を、「ロミオとジュリエット」の名シーンを織り交ぜながら、観客が応援したくなるように描いている。
もちろん、ゾンビ映画なのでグロテスクな描写はゼロではない。
しかし、それをゾンビであるR自身が「げー!グロい、やめろ」と心のなかで言い放ってしまうユーモアが散りばめられ、大いに楽しませてくれる。
人間の女性を愛し苦悩するヴァンパイアよろしく、ゾンビ男子Rは、腹が減り人間を食す自分に苦悩する。
ただ、ヴァンパイア映画はセクシーで美し過ぎる青年が苦悩する姿が萌えポイントだが、『ウォーム・ボディーズ(2013)』は少し違う。
何故ならば、ゾンビ男子Rは、もちろん美青年だが、その魅力はあくまでも草食系の可愛らしさなのだ。
草食系ゾンビ男子Rを演じるのは『ダーク・プレイス (2015)』『マッドマックス 怒りのデス・ロード (2015)』『X-MEN』シリーズなどで大活躍のニコラス・ホルト。
彼は、『アバウト・ア・ボーイ (2002)』でヒュー・グラントと共演していた可愛らしい少年でもあるので、多くの映画ファンに、その成長を見守られている。
また、Rが恋に落ちるジュリーを演じるのは、演技経験がなかったにもかかわらず『明日、君がいない(2006)』で高く評価され、一気に女優として注目を集めたテリーサ・パーマー。
個人的には、『アイ・アム・ナンバー4 (2011)』でハードなアクションを披露した彼女が最も好きだが、今作品でもキュートな魅力を見せている。
そして、ジュリーの父親役を演じるのがジョン・マルコヴィッチ。
監督は『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー (2015)』『50/50 フィフティ・フィフティ (2011)』のジョナサン・レヴィンというから、ますます映画ファンの勘所をくすぐる。
ちなみに、筆者はRの親友Mがお気に入りだ。
とくに、ゾンビでありながら親交を深めていた2人が、空港のカウンターでほぼ唸り声の会話らしきものを交わすシーンや、「ゾンビ指」という言葉にも笑わせてもらった。
そのMを含め、時々ゾンビを演じる人たちのゾンビ演技がおざなりだったが、この映画においては猛烈にどうでもいい。
ただ、デイヴ・フランコの役回りは、落涙しそうなほど気の毒だったかも。
夏の蒸し暑さを逃れ、涼しい部屋でアイスでも食べながら、心がほっこり温まるゾンビ映画を鑑賞して、なんだかよくわからない感覚を楽しもう。
ライター中山陽子(gatto)でした。
ウォーム・ボディーズ(2013)
監督 ジョナサン・レヴィン
出演 ニコラス・ホルト/テリーサ・パーマー/ロブ・コードリー/デイヴ・フランコ
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