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CINEMAバリQ

【ザ・コール 緊急通報指令室】
ハル・ベリーの髪型が残念でラストが賛否両論な映画

ザ・コール 緊急通報指令室 映画あらすじ

911(緊急通報指令室)のオペレーターとして働くジョーダンは、家に侵入者がいるという女性から緊急電話を受けた際に、致命的なミスを犯してしまう。
自責の念に駆られたジョーダンは、オペレーターを退き研修生の指導員となるが、再び危機に晒されている少女の緊急電話に対応することとなる。

ザ・コール 緊急通報指令室 映画レビュー

ショートカットが魅力的なハル・ベリーを見たいと思いこの作品を選んだら、ソフトなアフロヘアーだったために、出ばなをくじかれた。
とはいえ、ハル・ベリーは相変わらず美しいし、ちょっぴり生意気な演技派少女アビゲイル・ブレスリンによる迫真の演技を堪能できると思い観進めたが、思いのほか彼女たちの魅力が存分に発揮されていない。

もちろん、恐怖に苛まれているアビゲイル・ブレスリンの演技は完璧だったと思う。
しかし、恐怖に慄き続ける演技というのは意外に単調なのだ。
もはやジャック・ニコルソンよりも怖いんじゃないかと思うほど絶叫する顔が怖かった、「シャイニング(1980)」のシェリー・デュヴァルさんぐらい強烈なインパクトがないと。

それに、ハラハラ・ドキドキするものの、さほどリズミカルに状況が変わる映画ではなく、加えて顔面アップのカットがやたら多いので退屈に感じてしまう。
そんな状況でアビゲイル・ブレスリンを一層光らせる「物思う少女」の演技が披露されるわけもなく、この役「彼女じゃなくても良かったんじゃないか」と思えた。

そして、やはり…好みの問題もあるが、何故わざわざハル・ベリーがこの髪型だったのかと残念でならない。

この映画は、過去に犯したミスを2度と繰り返せない女性と、死の危険に晒されている少女という、緊迫した状況にある2人の人間が電話を通して運命を共有し、観客を徹底的に味方につけ盛り上がる映画だ。

そして、この手のサスペンスにおいてハル・ベリー主演ときたら、美しく魅力的な彼女が過去の出来事に苦しみつつも、今度こそはと機転を利かせ、少女を生還に導くことを期待するというもの。
それゆえに、911のオペレーターというリアルなキャラクターづくりをしなくても、普通にいつもの魅力的なハル・ベリーで良かったのではないかと感じた。

そして、なお、それらの“残念”に留まらず、ほかにも数多く期待を裏切られ、94分という鑑賞時間を経過してしまうのがこの映画なのだ。

いきなり超常現象でも起きて予測不可能になる物語ではないので、結局、少女が助かりハッピーか、少女が助からず犯人が逃げおおせて後味悪いか、少女が助かったものの犯人が逃亡し、さらなる事件を予感させるかだが、この映画は、そのどれにも当てはまらない。
方向性でいえば、個人的にこの映画のラストは「可」であった。ただ、その方法がしっくりこないのだ。

また、1人のオペレーターの職業を超えた活躍を描くにしても、警官の見落としが唖然とするレベルだ。
警察側の人間が観客から嫌われるような存在なら「こいつら無能だな」と手放しで貶せるが、警官の連中は気が良くて、おまけに主人公の優しい彼氏でもあるのだ。
よって、ここで、またモヤモヤが勃発だ。

それに、そもそも、初めての応答でパニックになっている新人ならまだしも、ある程度経験を積んだ911(緊急通報指令室)のオペレーターが犯したミスが、低レベル過ぎて顎が外れるほど口がアングリなのだ。
そんな人が研修生の指導員をしているのはどうなんだ。

つまり、結局ハル・ベリーの髪型にガックリから始まり、しょっぱなから顎を外し、唖然として目まいを起こし、煮え切らないモヤモヤとした状況が最後まで続くというわけだ。

しかしながら…
監督はクリスチャン・ベールが激痩せして役者魂を見せつけた「マシニスト(2004)」や「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014)」のブラッド・アンダーソン。
精神的に病む人を描かせたらピカイチの監督だ。

要するに、この映画の見所は「犯人の変態具合」なのかもしれない。

ライター中山陽子(gatto)でした。

ザ・コール 緊急通報指令室(2013)

監督 ブラッド・アンダーソン
出演 ハル・ベリー/アビゲイル・ブレスリン/モリス・チェスナット/マイケル・エクランド

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