【ビューティフル・ガールズ】
幼いころのナタリー・ポートマンがキラキラすぎてサングラスが必要かもしれない映画
ビューティフル・ガールズ 映画あらすじ
ニューヨークでピアノを弾き生計をたてているウィリーは、弁護士の彼女と順風満帆のはずだったが、なにかひとつ踏み切れないものを感じていた。
そんなウィリーが同窓会に出席するため故郷を訪れると、幼馴染は大喜びで大歓迎。その彼らもまた、さまざまな恋の悩みを抱えていた。
すると彼らの前に、突如として目が覚めるような美女たちが現れる。
ひとりは成熟したクールないい女で、男たち全員を一瞬で虜にしてしまう。
そして、もうひとりはまだ13歳の、利発で底抜けにキュートな美少女マーティ。
ウィリーは自分が、まだ幼いマーティに恋をしたと気づく。
ビューティフル・ガールズ 映画レビュー
この映画を観ると、男は女から生まれてきたんだなあと、つくづく感じる。
登場する女性たちは皆(ひとりを除いて)寛容で、美しい女性ばかりだ。
まさに題名「ビューティフル・ガールズ(1996)」の通り。
そんな女性たちを前に男性陣は、意思と自由を主張して強がろうとする。
でも結局、その意思も自由も守りながら、女たちは男たちを肌触りのよい毛布でくるみ、子供を寝かしつけるように従順にしてしまう。
主人公のウィリーは、物語の最初からなんだか煮え切らない。
まあ、正直なところ、この映画を観たのは役柄通りの年齢だった美少女ナタリー・ポートマンを観たかったからなので、思わず惚れてしまうほどのオーラを持っていることは承知していた。
なので、ロリコンでもない二十代後半のウィリーが、まだ13歳という幼い少女に恋する気持ちもわからなくはない。
それに、正直なところ、この映画のナタリー・ポートマンは想像以上に魅力的だった。
雪に負けない透明感と、はにかんだような表情の愛らしさ。
少しおませで頭の回転が速く、そして人懐っこい。
個人的には「レオン(1994)」のときのマチルダよりも、この映画のマーティ役の方が魅力的に感じてしまったほどだ。
雪深い田舎町に、気まぐれでやってきた妖精のようにキラキラ輝いていた。
だが、ウィリーは、ほんとうに少女に恋したわけではないと解釈している。
現実に置かれている自分の存在とは違う、輝くような未来をもつ汚れのない少女に、きっと憧れを抱いたのだ。
それは、マット・ディロンが演じたトミーが代弁している。
「今の自分はなりたかった自分じゃないんだ…」
ウィリーは、恐らくいまある自分に満足していない。
美しくて頭がよくて、性格もよくて高給取りの彼女を前にして、自分をしがないものだと思い込んでいる。
でも、そんな愚かな悩みを、同棲中の恋人トレイシーは、いとも簡単に解決してしまう。
「いやよ、ピアノマンじゃないとセクシーじゃないもの」
なんとまあ、いい女なのだろうか。
愚かなウィリーよりも、訪れたトレイシーに「本当に素晴らしいよ」といって離れない、ウィリーの父親と弟の方がよくわかっている。
少しばかり、いい女すぎるのが出来すぎだが、ウィリーを簡単に降参させてしまう威力を表現するうえではちょうど良かった。
いい女といえば忘れてはならないのが、体は大人でも脳みそが中学生な男たちを直立不動にしてしまった、ユマ・サーマン演じるアンデラだ。
彼女は、アメとムチを使い分ける、最高にセクシーな大人の女。
クール・ビューティなビジュアルとは裏腹に、ポールが振られた彼女に見せつけたいという想いを受け、ひと役買って出る優しさと度量がある。
アンデラは、根本的にウィリーたちより一枚も二枚も、五枚も上手(うわて)なので、はなから太刀打ちできない女性だったが、心に残る言動とともに、男友達並みの爽やかな印象をそれぞれに残していく。
この映画の彼女も美しかったが、自分にとってユマ・サーマンが最も美しいと感じたのは、ほら吹き男爵“ミュンヒハウゼン”が活躍する「バロン(1989)」のときだ。
貝が開いて登場するあたりは、まるで絵画『ヴィーナスの誕生』そのもので、この世のものとは思えないほど美しかった。
なお、自業自得なトミーの、健気な彼女を演じるのはミラ・ソルヴィノ。この映画のときは、ウディ・アレン監督の「魅惑のアフロディーテ(1995)」で、アカデミー助演女優賞を受賞した時期なので、彼女がノリにノッているとき。
まだ若く、かわいらしい時の彼女の顔と、その尋常じゃなく細くて長い脚も必見だ。
そして最後は、ビューティフル・ガールズ落選の人妻ダリアンだ。
物語を盛り上げるために、この身勝手な女のキャラクターが必要なのはわかるが、演じているローレン・ホリーには思い入れがあるので非常に残念である。
ローレン・ホリーは、「ドラゴン/ブルース・リー物語(1993)」でブルース・リーの妻リンダを好演しており、その際に「な~んてかわいい女優さんなんだろう」と見惚れてしまった。
しかも、年を重ねて彼女は「NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班」というアメリカの人気ドラマで、ジェニー・シェパード局長を演じている。
そんなこんなで愛着がわいている女優さんだけに、性格が悪い女の役柄を演じている彼女を見るのは、どうも落ち着かない。
とはいえ、映画が始まってから最後まで微笑んでしまうような雰囲気だったし、妖精のようなナタリー・ポートマンでご飯10杯はいける。
まったりと地味だが、心地いい映画だった。
ライター中山陽子(gatto)でした。
ビューティフル・ガールズ(1996)
監督 テッド・デミ
出演 ティモシー・ハットン/マット・ディロン/ナタリー・ポートマン/ミラ・ソルヴィノ
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