【ザ・クラフト】
メンタリスト・リズボン捜査官主演の青春オカルト映画
ザ・クラフト 映画あらすじ
転校生のサラは、少し不思議な力をもつ少女。
そんな彼女に目を付けたのは、学校で魔女と呼ばれ疎ましがられているナンシー、ロシェル、ボニーの3人組だった。
それぞれがもつコンプレックスは深く、家庭問題や人種差別、火傷の跡などであったが、同じく心に闇があるサラは、彼女らと黒魔術を通して仲良くなっていく。
しかし、力を乱用しはじめる3人に恐怖を感じたサラは、距離を置こうとするが…。
ザ・クラフト 映画レビュー
女子高生、プリーツスカートの下に伸びるキュートな脚、いじわるなモテ系金髪娘、アメフト部のプレイボーイな男子、転校生、家庭内不和、パーティーでの騒動といったら、アメリカの絵に描いたような青春物語だ。
そんな要素に加え、この映画には黒魔術やゴシック・ファッション、ロックが入り込んでいる。
1997年度 MTVムービー・アワードでは、格闘シーン部門で受賞したようだ。
しかし、実際にはそれほど激しい格闘が繰り広げられるわけではないので、その功績はナンシーを演じたフェアルーザ・バークのお蔭だろう。
もしも目の前に現れたら「く……食われるーッ!」と叫んで逃げたくなるような、猛烈に恐ろしい形相だった。
この女優さんは実際にオカルト・ショップを持っていたらしい。
決してホラー描写が多いわけではないが、始終オカルトな雰囲気に包まれているので、ライトなオカルト・ホラーを楽しみたいひとには打って付けかもしれない。
それに、なんといってもアメリカの犯罪サスペンスドラマ『メンタリスト』で、リズボン捜査官を演じているロビン・タニーの、まだ初々しい姿が見られる。
このとき彼女は、映画「エンパイヤレコード(1995)」でスキンヘッドの少女を演じていたため、カツラを着用していたらしい。
確かに髪の毛は不自然にモッサリしていたかも。
だが、そんなモッサリヘアーでも、彼女はプリーツスカートがよく似合い、とてもキュートだった。
オカルトに興味をもつ10代は多い。十代の通り道にオカルトがあるといってもいいかもしれない。
とはいえ、せいぜい人気(ひとけ)がなくなった学校の教室にこっそり集まり “こっくりさん”に興じたり、心霊写真をキャーキャーいいながら皆で見る程度。
だが、この映画の登場人物は本気の魔術で悪しきことに力を活用し、自業自得で窮地に追い込まれていく。
途中までは楽しい展開だ。コンプレックスをかかえ地味だった4人組が、どんどん美しく洗練され、モテてお金持ちになっていく。
しかし、その陰で、どんどん悲惨なことが蓄積していくのをサラはすぐに感じ取る。
「及ぼした力は3倍になって返ってくる」というセリフが映画のなかにある。
これは、筆者も親世代から同じようなことを聞かされた。
倫理や道徳の教えとしてだけではなく、宇宙の法則、この世の原理としてもだ。
よいことをすれば、よいことが返り、悪いことをすれば、悪いことが返ってくる。
理不尽なことが多い世のなかだが、不思議とその法則やバランスは保たれているようだ。
ある事件で疑惑をもたれていた人物は、偶然にも、その人物が間接的に手を下したのではといわれた被害者が、搬送された病院で亡くなった。
このニュースを聞いたとき、因果応報という言葉が脳裏に浮かび鳥肌が立った。
とまあ、そんな風に小説より奇なりな事実は少なくないが、この映画はあくまでもフィクションだ。
笑えない要素もあるけれど、基本はキュートな女の子のドヤ顔と、ロックで〆なのである。
暴走3人娘のなかには、絶叫ホラー映画『スクリーム』シリーズでお馴染みのネーヴ・キャンベルもいる。
魔力をもつミニスカ女子高生のライトなホラーで、まったく関係ないけれど秋の訪れを歓迎してみてはいかがだろうか。
ただし、蛇だのトカゲだのウジ虫だのが、大量に発生するシーンもあるのでご注意を!
ライター中山陽子でした。
ザ・クラフト(1996)
監督 アンドリュー・フレミング
出演 ロビン・タニー/フェアルーザ・バーク/ネーヴ・キャンベル/レイチェル・トゥルー
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