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CINEMAバリQ

【心霊ドクターと消された記憶】
極悪人キャラも登場する切ないサスペンスホラー

心霊ドクターと消された記憶 映画あらすじ

最愛の幼い娘を亡くした精神分析医のピーターは、妻とともに辛く耐え難い日々を送っていた。それでも、友人からの支援を受けて少しずつ仕事を再開するが、不思議な少女が現れたことで、自分に起こっている不可解な状況を知る。しかし、それは、ピーターが過去の記憶のなかに押し込めた罪の意識と、捻じ曲げられた記憶を呼び覚ますこととなる。

心霊ドクターと消された記憶 映画レビュー

終始くら~い雰囲気のなか、M・ナイト・シャマラン監督の『シックスセンス(1999)』のような、サム・ライミ監督の『ギフト(2000)』のような、切なくて、ちょっと怖い幽霊ストーリーが繰り広げられる。

原題は『backtrack』で、意味は「同じ道を引き返す」。ちなみに、『心霊ドクターと消された記憶』という邦題は、映画の雰囲気にまったく合っていない。ハリーポッターばりに助詞の「と」を挟み、ファンタジー色を強めていることにも閉口するが、そもそもなんなんだ「心霊ドクター」って。

まあ、邦題には文句をつけたくなるが、作品そのものは楽しめた。いい歳なのでむやみに心臓をバクバクさせたいわけでもないけれど、とりあえず、いきなり幽霊が現れて脅かしたり、気配や佇まいで怖がらせるお約束についても抜かりない映画である。

しかしながら、この映画の幽霊はやたらめったら饒舌だ。よく喋るし、辺りが暗かろうが、明るかろうが、まったく気にせずどんどん出現する。おまけに、怖がらせているのか、マイケル・ジャクソン風の傾斜スタイルで笑わせようとしているのかわからないような描写もある。

とはいえ、先述したとおり、映画自体はもちろん暗い雰囲気でシリアスなものだ。理不尽な死を遂げた人などが多数でてくるので、やりきれない気持ちも生まれる。

そして、なんといってもこの映画には、あり得ないほどの極悪人が登場する。とんでもない悪人は、さまざまな映画に数多く存在しているが、この映画の悪人においては、その人物設定を考慮すると「どんだけ~!?」と叫びたくなるほど最悪だ。

話が進むにつれて「その展開は多少無理があるんじゃあ……」とも思えたが、それほどの衝撃がないと、人は過去の記憶を塗り替えたりはしないということを表現したかったのだろう。

主役のピーターを演じるのは、苦悩顔がよく似合うエイドリアン・ブロディ。紳士でダンディなダンカンを演じたサム・ニールもいい感じだ。無防備すぎる行動に突っ込みを入れたくなったけれど、女警官役を演じたロビン・マクリーヴィーの素朴さもよかった。

ただ、ピーターの幼馴染に起きたことは、
真実が明らかになったうえでは悲惨だった。

なお、脚本のみを担うことが多い監督のマイケル・ペトローニが、今作品と同じように監督・脚本を担ったものとして、ガイ・ピアースとヘレナ・ボナム=カータが出演している『記憶のはばたき (2001)』という作品がある。その物語でも主役は精神分析医で、やはり過去に大切な人を亡くし、心に深い傷を負った人物だ。得意とする設定なのかもしれない。

ライター中山陽子でした。

 

心霊ドクターと消された記憶(2015)

監督 マイケル・ペトローニ
出演者 エイドリアン・ブロディ/サム・ニール/ロビン・マクリーヴィー/ブルース・スペンス

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