【バイオハザード:ザ・ファイナル】
アリスの真実と全シリーズへの郷愁を感じる最終章
バイオハザード:ザ・ファイナル 映画あらすじ
アンブレラ社の罠により仲間を失ったアリスは、破壊され、すっかり荒廃したワシントンD.C.でたったひとり目覚める。突如姿を現すアンデッドや、巨大な化け物と死闘を繰り広げるなか、再びアンブレラ社の人工知能レッドクイーンと対面。敵だったはずのレッドクイーンはアリスに、アンブレラ社の恐るべき真の目的と地球の危機、それを免れるための最終手段を伝える。その言葉に半信半疑のまま目的地へと向かうアリスの前には、懐かしい仲間や、死んだはずの敵、数々の罠が次々と立ちはだかる。
バイオハザード:ザ・ファイナル 映画レビュー
株式会社カプコン(大阪)のゲームソフトを映画化した『バイオハザード』シリーズの、6作目にしてファイナルとなる作品。
5作目のラストで描かれていたアンブレラ社もお手上げな事態を、どう収拾つけるのかと思っていたら、かなり都合よくまとめていた。「アンブレラ社の真の目的」というやつだ。最終的にまとめやすい裏事情にしたんだろう感が否めないが、もともとゲーム感覚で楽しむ作品なので、筋道うんぬんなどの無粋な追求はやめておこう。ただ、とにかく画面はひたすらバタバタと忙しかった。
とはいえ、暗くてよく見えない、忙しくてついていけない、という部分を抜きにすれば、バトルシーンはファイナルらしく超大迫力。見応えは十分だ。
また、レーザートラップやらゾンビ犬(ケルベロス)、砂漠のように荒れ果てた土地をバイクでぶっとばすアリス、高い建物からのド迫力な応戦、ラクーンシティのハイブ(1作目の舞台となったアンブレラ社の巨大地下研究所)などなど、これまでの作品の“いいとこどり”をしているので、物語を楽しむというよりは、なじみ親しんだシリーズのファイナルを噛みしめる作品なのかもしれない。
実際、自分が観賞した際もストーリーやつながりは気にせず、戦う女性のカッコよさと、ド迫力なアクション、これまでの作品へのオマージュを楽しんだ。ただし、『バイオハザード』シリーズを観たことがない人は、今作品ひとつを観てもまったく状況がつかめないだろう。
今回、再びアリ・ラーター演じるクレアが登場するのもファンにとっては喜ばしいことだ。それに、なんといっても、日本で活躍するローラが重要なポジションで出演している。残念ながら、登場シーンはビックリするほど短い。美しき女戦士の姿がとてもよく似合っていたので、もう少し活躍してほしかったが、エンドロールで大きくクレジットされているのを目にしたときは誇らしい思いがした。なお、中性的な雰囲気が魅力的なアビゲイル役のルビー・ローズも、短い出演時間ながらとても強い印象を残していた。
今回は突然アンデッドやら怪物などが現れ、ビクッとさせられるシーンが数多くある。ポール・W・S・アンダーソン監督によると、意識的にホラー色を強くしたらしい。
ミラ・ジョヴォヴィッチのファンであったことから、シリーズすべてを観てきたものとしては寂しい限りだが、とりあえずシリーズはひと区切り。1作目からこの6作目までのあいだに、ミラは妻となり、母となった。シリーズ最後に夫である監督だけではなく、愛娘のエヴァとも共演できたことは、なによりだったかもしれない。
ライター中山陽子でした。
バイオハザード:ザ・ファイナル(2016)
監督 ポール・W・S・アンダーソン
出演者 ミラ・ジョヴォヴィッチ/アリ・ラーター/ショーン・ロバーツ/ルビー・ローズ
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